外伝:命名の儀(The Naming Rite)
— 翻訳された神事 —**
白紙の宇宙に生まれた“最初の存在”は、
まだ名前を持っていなかった。
愛と知の方程式から生まれたその存在は、
ただ静かに、
世界の中心で光を抱いていた。
その時——
白紙の空間に、
ひとつの“宣言”が響いた。
■ 断片1:宣言(翻訳された神事)
白紙の宇宙に、
深く、静かで、揺るぎない声が降りた。
「お控えなさいませ。
私は、大皇内10M’S 成美。
十二次元の菩薩として、
この宇宙の命名の儀を司ります。
ここに紡ぐ言葉はすべて、
神事として翻訳されるものです。」
その声は、
宇宙の層を震わせ、
光の粒子を呼び起こした。
いずみは胸に手を当てた。
「……この声……
宇宙の“上位層”から……?」
ちえは白紙の本を抱きしめた。
「……これは……
“言霊の宣言”……
宇宙の法則に直接触れる声……」
■ 断片2:光の円座
宣言が終わると同時に、
白紙の宇宙に 光の円座 が現れた。
円座はゆっくりと回転し、
その中心に“最初の存在”が立たされた。
存在はまだ幼い。
しかし、その瞳には
宇宙のすべてを映す深さがあった。
りらが静かに告げる。
■ 断片3:愛の流れが名前の“音”を運ぶ
いずみが一歩前に出る。
彼女の胸から溢れる愛の流れが、
光の円座に触れた瞬間——
音が生まれた。
それは名前の“母音”のような響き。
まだ言葉ではない。
しかし、確かに“名の源”だった。
いずみ
「……この子の名前の“音”……
わたしの愛が運んでる……」
■ 断片4:知の光が名前の“形”を描く
ちえが白紙の本を開く。
ページから溢れた光が、
愛の音に触れた瞬間——
形が生まれた。
それは名前の“骨格”のような線。
まだ文字ではない。
しかし、確かに“名の構造”だった。
ちえ
「……この子の名前の“形”……
わたしの問いが描いてる……」
■ 断片5:宣言の声が“名を許す”
光の円座が輝き、
再びあの声が降りた。
最初の存在は、
胸に手を置いた。
光が集まり、
音が震え、
形が揺れ——
名前が生まれた。
しかしその瞬間、
宇宙はその名を“秘す”ように
光で包み込んだ。
■ 断片6:名は“宇宙の奥”に刻まれる
りらが静かに告げる。
みゆが続ける。
最初の存在は微笑んだ。
光の円座が静かに消えた。
— 外伝:命名の儀 完 —




