**第35話 「最初の存在(The First Being)」**
白紙の宇宙は、
方程式の声を抱えたまま震えていた。
その言葉が響くたび、
空間に微かな影が生まれる。
まだ輪郭もなく、
ただ“存在の予兆”だけが漂っていた。
■ 断片1:愛の流れから生まれる影
いずみの胸から溢れる愛の流れが、
白紙の空間に波紋を広げる。
その波紋は、
やがてひとつの“心臓の鼓動”に変わった。
ドン。
世界が震える。
ドン。
影が形を持ち始める。
いずみ
「……これは……
愛が呼んだ“最初の存在”……?」
■ 断片2:知の形が輪郭を与える
ちえが抱える白紙の本から、
問いの光が溢れ出す。
その光は影に触れ、
輪郭を描き始めた。
• 頭
• 手
• 足
• 胸の奥に宿る“問いの核”
ちえ
「……わたしの問いが……
この存在に“形”を与えてる……」
みゆが静かに告げる。
■ 断片3:最初の声
存在はゆっくりと目を開けた。
まだ幼い、
しかし宇宙そのものの響きを宿した瞳。
そして、
口を開いた。
その声は、
宇宙全体に広がり、
すべての層を震わせた。
りらが告げる。
■ 断片4:名前の予兆
存在はまだ名前を持っていない。
しかし、
その胸の奥には確かに“響き”が宿っていた。
• 愛の響き
• 知の響き
• 合唱の響き
• 滝の響き
• 図書館の響き
それらが重なり、
ひとつの“音”になった。
いずみ
「……この子の名前は……
まだ決まってない……」
ちえ
「ううん。
この子自身が、
自分の名前を問いの中から見つけるんだよ。」
■ 断片5:宇宙の祝福
メーテリュとプロミネントの影が再び現れた。
二人は微笑み、
最初の存在を見つめる。
メーテリュ
プロミネント
二人の声が重なる。
■ 断片6:存在の誓い
最初の存在は、
胸に手を置き、
静かに誓った。
その誓いが響いた瞬間、
宇宙の層が安定した。
— 第35話 完 —




