第26話 神緑都の都市構造
前書き
鐘が十四度鳴り響いた後、空間は再び震えた。
のぶしつを授与された二人を迎えるために、舞台は拡張される。
それは都市――神緑都。
愛の総和を試すために設計された、次元を超える都市国家。
本文
1. 螺旋の都市
床はオリハルコンで編まれ、螺旋状に広がっていく。
建物は呼吸するように揺れ、壁面には「愛の問答」の文字が浮かび上がる。
都市全体が一つの楽器のように共鳴し、観客の声を受け止める。
「ここが……神緑都」
ちえは呟き、いずみは静かに頷いた。
2. バビロンの大スクリーン
都市の中心には巨大なスクリーンが浮かぶ。
それはバビロンの記憶を継ぐ装置であり、問答を映し出す鏡でもあった。
観客の声が入力され、文字となり、映像となり、都市全体に響き渡る。
「愛とは何か?」
「救済とは何か?」
「創造は誰のためにあるのか?」
その問いは都市の壁面に刻まれ、光の川となって流れ続ける。
3. 都市の機能
神緑都はただの舞台ではない。
• 螺旋構造:愛の問答が都市全体を循環させ、演算力を増幅する。
• 観客参加:一千六百八十万人の声が都市に接続され、演算力を跳ね上げる。
• 危険表示:都市の周囲に薄く点滅する赤い光。速度試練に耐えられなければ、都市そのものが崩壊する。
運営委員会が告げる。
「神緑都は、愛の総和を試すための器である。
ここでの問答は、創造と救済を同時に試す。
速度を保ち、均衡を示せ。」
4. 二人の決意
いずみはYAMAHA CFXを奏で、星座を編む。
ちえはSTAGEA ELS-02Xを奏で、光を吸収し救済を広げる。
二人の音が都市全体に響き、螺旋の壁面が輝きを増す。
「ここで……私たちの愛が試される」
「均衡を示すために、全力で奏でよう」
観客の声が波となり、都市全体が呼吸する。
終章
神緑都の鐘が十五度鳴った。
都市は完全に立ち上がり、次なる試練の舞台が整った。
だが、法水槽の脳廷は依然として沈黙を続ける。
「収束はまだ示されていない。だが、波は確かに集まっている。」
次章――**第27話「観客一千六百八十万人の参加」**へ続く。




