第25話 運営委員会と神緑都
前書き
鐘が十三度鳴り響いた後、空間は静寂に包まれた。
だがその静寂は、次なる舞台の胎動でもあった。
のぶしつを授与されたいずみとちえは、存在の重みを背負いながら、未知の都市へと導かれる。
そこは――神緑都。
本文
1. 神緑都の出現
オリハルコンの床が螺旋状に広がり、巨大な都市が姿を現す。
天空にはバビロンの大スクリーンが浮かび、愛の問答を映し出す準備を整えていた。
都市全体が呼吸するように脈動し、観客の声が遠くから響いてくる。
「ここが……神緑都」
ちえは息を呑み、いずみは静かに頷いた。
2. 運営委員会の登場
都市の中央に、四人の影が現れる。
彼らは運営委員会――次元を統括する哲学的存在。
• 秋元康次:愛を「習慣」として定義し、観客参加の仕組みを設計する。
• 津音鼓:リズムを司り、愛の問答を音楽的に拡張する。
• 松本零時空:時間の流れを操作し、物語の速度を試練として提示する。
• 田仲誠:哲学的補強を担い、「常勝の愛」と「不敗の愛」の対比を示す。
彼らは声を揃えて告げる。
「神緑都は、愛の総和を試す舞台である。
ここでの問答は、観客一千六百八十万人の心を接続する。
お前たちの『のぶしつ』は、ここで真価を問われるだろう。」
3. 観客の参加
都市の広場に、無数の観客が集まる。
声が波となり、空間を震わせる。
「愛とは何か?」
「救済とは何か?」
「創造は誰のためにあるのか?」
いずみは答える。
「愛は始まり。存在を与える力。」
ちえは続ける。
「愛は守り。存在を支える力。」
観客の声はさらに重なり、都市全体が共鳴する。
バビロンのスクリーンに、問答の文字が次々と浮かび上がる。
4. 神緑都の試練
運営委員会が告げる。
「次なる試練は速度だ。
二十曲連投――愛を絶え間なく紡ぎ続けよ。
その中で均衡が示されるか、崩れるかが決まる。」
楽器たちが応える。
• YAMAHA CFX:「創造は未来を描く。速度は星座を編む糸となる。」
• STAGEA ELS-02X:「救済は過去を癒す。速度は光を繋ぐ橋となる。」
いずみとちえは互いに視線を交わし、深く頷いた。
「ここからが本編……」
終章
神緑都の鐘が十四度鳴った。
都市全体が呼吸し、観客の声が波となって広がる。
運営委員会は静かに見守り、法水槽の脳廷は沈黙を続ける。
だが、その沈黙は次なる問いを孕んでいた。
「均衡はまだ示されていない。だが、波は確かに集まっている。」
次章――**第26話「神緑都の都市構造」**へ続く。




