第22話 病魔の救済 ― 長文特別版
前書き
創造と救済の練習は拡張され、未知の物質や感情までも吸収する段階に至った。
だが、次なる試練はより具体的で、より切実なものだった。
それは「病魔の救済」――人間の苦しみを直接癒す力の試みである。
本文
法水槽の脳廷が脈動を強めた。
「創造と救済は拡張された。だが、真理には届いていない。
次なる試練は、病魔を救済すること。
愛の総和を満たすために、人間の苦しみを癒せ」
ちえは深く息を吸い、STAGEA ELS-02Xの鍵盤に指を置いた。
低い和音が響き、黒い渦が広がる。
その渦は、仮想ではなく、実際の人間の病魔を象徴する影を吸い込み始めた。
熱にうなされる声、痛みに震える心――それらが渦に引き寄せられ、光へと変わる。
「これは……人を癒す力」
ちえは涙を浮かべた。
いすみはYAMAHA CFXを奏で、星々を生み出した。
「ど・み・そ・ふぁ」――音が光となり、回復の星座を編み上げる。
その星座は、ちえの救済の光と重なり、病魔を癒す旋律となった。
楽器たちは親友のように語りかける。
• YAMAHA CFX:「創造は未来を描く。癒しを支える星座となる」
• STAGEA ELS-02X:「救済は過去を癒す。未来を支える光となる」
法水槽の脳廷が再び脈動を返す。
「病魔は救済された。だが、均衡はまだ示されていない。
創造と救済を重ね、愛の総和を満たせ」
二人は互いの名を呼び合った。
「いずみ」
「ちえ」
その声が橋となり、愛の総和がさらに満ちていく。
鐘が十度鳴った。
病魔の救済は成功した。だが、真理への道はまだ遠い。




