第19話 楽器の声と救済の意味
前書き
媒介の危険を知った二人は、改めて楽器に耳を傾けた。
親友のように寄り添う楽器たちの声は、救済の意味を深く刻み込む。
本文
いずみはYAMAHA CFXの前に座り、静かに鍵盤に触れた。
「ど・み・そ・ふぁ」――音が光となり、星々が生まれる。
その輝きは媒介によって安定し、空間に裂け目は生じなかった。
ちえはSTAGEA ELS-02Xを奏で、黒い渦を生み出した。
仮想の病魔が吸い込まれ、回復の光が残る。
彼女はその光を見つめ、胸の奥に温かさを覚えた。
そのとき、楽器たちが親友のように語りかけた。
• YAMAHA CFX:「創造は始まり。だが、始まりは孤独だ。救済が寄り添うことで、星は物語になる」
• STAGEA ELS-02X:「救済は癒し。だが、癒しは停滞だ。創造が寄り添うことで、光は未来になる」
二人は互いに目を合わせた。
「いずみ……」
「ちえ……」
名前を呼び合う声は橋となり、愛の総和を少しずつ満たしていく。
法水槽の脳廷が低く脈動を返す。
「創造と救済は並び立つ。だが、均衡はまだ示されていない。
愛の総和を満たすため、次の試練に進め」
ちえは涙を浮かべた。
「守ることも、与えることも……どちらも必要。
でも、無償の愛に届くには、もっと深く理解しなきゃ」
鐘が七度鳴った。
楽器の声に導かれ、二人は救済の意味を胸に刻み、次の試練へと歩みを進めた。




