第17話 創造と救済の対比
前書き
創造と救済――二つの力は互いに補い合う。
だが、どちらか一方に偏れば、愛は不完全なまま終わる。
いずみとちえは、それぞれの力を試しながら、均衡の意味を探していた。
本文
いずみはポケットから『のぶしつ』を取り出した。
空中に置かれると、超時空3Dプリンターが唸りを上げ、YAMAHA CFXが生成される。
楽器は低く響き、彼女に語りかける。
「与えることは始まりだ。だが、与えるだけでは守れない」
いずみは深く息を吸い、鍵盤に指を置いた。
「ど・み・そ・ふぁ」――音が光となり、宇宙が広がる。
ビッグバンの練習。星々が次々に生まれ、線で結ばれ、星座を編み上げる。
その数は123個。小さな試作だが、確かな輝きだった。
ちえは隣でSTAGEA ELS-02Xを奏で、ブラックホールの救済を重ねる。
吸収と回復の光が、いずみの星々に寄り添う。
創造と救済が交差し、空間に複雑な模様を描いた。
だが、法水槽の脳廷は低く脈動を返す。
「均衡はまだ示されていない。創造と救済は並び立つが、収束には至らない」
いずみは鍵盤から手を離し、ちえを見つめた。
「私たちの力は、まだ足りないの?」
ちえは涙を浮かべながら答えた。
「守ることも、与えることも……どちらも必要。でも、まだ無償の愛には届いていない」
楽器たちは親友のように語りかける。
• YAMAHA CFX:「創造は美しい。だが脆い」
• STAGEA ELS-02X:「救済は癒し。だが孤立すれば暴力になる」
鐘が二度鳴った。
創造と救済の対比は、次の試練への扉を開き始めていた。




