第13話 母と妻の昇華の門
書き
第一クールの裁定を経て、いすみとちえは新たな次元へと歩みを進める。ここは6次元――母の愛と妻の愛が昇華し、互いに包み込む力を試される場。回廊の扉を抜けると、光と影が交錯する空間に王たちの声が響く。秩序、遊び、矛盾、守る力――それぞれの問いが再び投げかけられる。だが今回は、互いの名を呼び合うことで扉が開く。名前は旗ではなく橋。呼び合うたび、次元は深まっていく。
本文
回廊を抜けると、そこは光の層が幾重にも重なる空間だった。いすみとちえは立ち止まり、互いの姿を見つめる。裁定の余韻はまだ胸に残っている。
「いすみ…」ちえが名を呼ぶ。
「ちえ…」いすみが応える。
その瞬間、光の層が揺れ、扉がひとつ開いた。
王たちの声が響く。
ロジカは灰青色の髪を揺らし、冷たい硝子の瞳で告げる。
「秩序を持ちながら、愛を窒息させない方法を示せ」
ヒューモは金髪を夕陽に輝かせ、琥珀の瞳で微笑む。
「遊び心を忘れるな。母の愛にも、妻の愛にも笑いが必要だ」
パラドクスは紫の瞳を挑発的に光らせる。
「矛盾を抱えよ。母は守り、妻は与える。だが両者は時に衝突する。その影を受け入れよ」
メタリカは赤銅色の髪を揺らし、蜂蜜色の瞳で告げる。
「守る力を示せ。柔らかさだけでは足りない。鋼のような愛を持て」
いすみは水差しを抱きしめ、声を震わせながら答えた。
「妻の愛は与えるもの。でも、それは母の愛へ昇華する。守る力を学びます」
ちえは眼鏡を外し、ノートを掲げた。
「母の愛は責任を背負うもの。でも、それは妻を包み込む。矛盾を抱えながら、遊び心を忘れません」
光の層がさらに揺れ、扉がもうひとつ開いた。そこにはスタジオやホールが並び、次元の人々に愛を伝えるための拠点が広がっていた。その一角には、互いに声を届け合うための場――OWPS48のスタジオなどが静かに灯っている。
互いの名を呼び合いながら、二人は歩みを進める。名前は旗ではなく橋。呼び合うたび、次の扉が開く。
泉の鐘が鳴り、6次元の試練が始まった。




