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OWPSシリーズ:乗愛の協奏曲 第弐楽章 強くてニューゲーム「ブラックホールの救済」“Chapter II: Black Hole of Salvation”  作者: 大皇内 成美


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第10話 試練の予兆

前書き

愛を学ぶ旅は、衝突の余韻を抱えたまま次の試練へと進む。いずみとちえは互いの違いに揺らぎながらも、コンダクターを支え続ける。だが、彼の心はまだ水槽の脳の問いに囚われている。そんな中、次元の王たちが姿を現し、愛の多面性を問う。秩序、遊び、矛盾、守る力――そのすべてを抱えたとき、愛は次の段階へと進むのだ。



本文

泉のほとりは静かだった。いずみとちえの衝突の余韻がまだ残り、空気は重く張り詰めている。コンダクターは横たわり、浅い呼吸を繰り返していた。

ちえは彼の傍らに座り、眼鏡を外した。

「あなたは…まだ問いに囚われているのね」

コンダクターの瞳がわずかに開き、かすれた声が漏れる。

「魚は…満足しているのか…牛は…搾られる痛みを…ウイルスは…家族を持たないのか…」

その言葉は断片的で、しかし深い痛みを伴っていた。

ちえはノートを開き、震える手で書き込む。

「あなたの問いは…人を超えている。でも、答えは人の中にしかない。だから私たちが…一緒に探す」

彼女の声は静かだが、確かな決意を含んでいた。

その瞬間、空気が揺らぎ、四つの影が現れた。次元の王たち――メーテリュの下僕であり、妖精の姿を借りた導き手。

ロジカは灰青色の髪を揺らし、懐中時計を胸に抱えた。

「秩序なくして愛は続かない。だが秩序だけでは、愛は窒息する。お前はどちらを選ぶ?」

ヒューモは金髪を夕陽に輝かせ、琥珀の瞳で微笑んだ。

「愛は遊び心だ。笑いといたずらがなければ、心は枯れる。お前は笑えるか?」

パラドクスは紫の瞳を挑発的に光らせ、斜めに立った。

「矛盾を抱えよ。嫉妬も憎しみも、愛の影だ。影を恐れるな。お前は影を受け入れるか?」

メタリカは赤銅色の髪を揺らし、蜂蜜色の瞳で真っ直ぐに告げた。

「守る力を持て。柔らかさだけでは人は救えない。鋼のような愛を示せ。お前は守れるか?」

ちえは息を呑み、ノートに一行を加えた。

「愛は秩序、遊び、矛盾、守る力――その総和で人を救う」

コンダクターはその言葉を聞き、かすかに微笑んだ。

「…少し、楽になった」

泉の鐘が鳴り、夜の帳が降りる。試練の予兆は確かに訪れていた。次の裁定の場で、彼女たちはこの答えを示さねばならない。


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