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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第四部-1章 激動のゆうの高3生活
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のぞゆうの再会

夜の静寂が広がる住宅街。夏美は、のぞみを車に残し、ゆうの家のインターホンの前に立った。


ピンポーン


澄んだ電子音が響く。


「……大丈夫、大丈夫……」


夏美は小さく自分に言い聞かせながら、胸の前で手を握りしめた。鼓動が速くなるのを感じる。


少し離れた場所に停めた車の中で、のぞみもまた、緊張した面持ちでその様子を見つめていた。窓の向こうの妹の姿が、いつもよりずっと頼もしく見える。


ガチャ


扉が開き、女性が姿を見せた。優しげな顔立ちのその人は、おそらくゆうの母だろう。


「はい、どちら様?」


「すみません、突然お邪魔して……。えっと、ゆう君はいらっしゃいますか?夏美と言います。」


ゆうの母は、少し驚いたような表情を浮かべたが、特に怪しむ様子もなく、


「少し待っていてくださいね。」


と言って、家の中へ戻っていった。


静寂が訪れる。


夏美は、深く息を吸い込んだ。


ドクン、ドクン、ドクン……


心臓の音が耳の奥で響く。緊張のあまり、足元がふわふわと浮いたような感覚に陥る。


のぞみもまた、車の中で手を握りしめながら、息を詰めていた。


(ゆう君……今、どんな気持ちでいるんだろう……)


しばらくして、玄関の扉が再び開いた。


ガチャ……


そこに現れたのは、明らかに憔悴しきった表情のゆうだった。


青白い顔、焦点の合わない瞳、ぼさぼさの髪。彼の姿を見た瞬間、のぞみの胸が締め付けられた。


(ゆう君……こんなに……)


彼がどれほどこの2日間、苦しんでいたのかが痛いほど伝わってきた。


夏美は、そんなゆうの姿をまっすぐ見つめ、意を決して口を開いた。


「突然ごめんね、ゆう君。私、わかるかな?」


ゆうはぼんやりとしたまま夏美を見つめ、少し考えた後、小さく頷いた。


「……えっと、中学の時の……」


「うん、そう。中学の同級生だった夏美だよ。」


ゆうの記憶に残っていたことに、夏美は少し安心する。


しかし、ここからが本題だった。


夏美は、ぎゅっと拳を握りしめて、一歩踏み出した。


「……私の姉は、のぞみなんだ。」


その瞬間、ゆうの瞳がわずかに揺れた。


そして、夏美は事のすべてをゆうに丁寧に話した。


「……のぞみさんが……救急搬送……?」


ゆうは、夏美の言葉をうまく飲み込めず、ただ呆然と繰り返した。


「そう……。あの日、ネットニュースを見たのぞみはショックで倒れて、救急車で運ばれたの……。でも、幸い後遺症は残らなかった。」


夏美は、震える声で続ける。


「でも、お姉ちゃんはその時の記憶を一部失くしちゃってて……。それで、私が何があったのか調べようと思ったの。」


「そんな……僕のせいで……のぞみさんが……」


ゆうの体が、ぐらりと傾く。とっさに壁に寄りかかり、支えを求める。


夏美は、その姿を見て言葉を詰まらせた。


「そんな……僕、ずっとのぞみさんに電話してた……何度も何度も……」


「うん……でも、お姉ちゃんのスマホは家に置きっぱなしだったの。だから、出られなかったの。」


「……!」


ゆうの瞳が大きく揺れた。


「じゃあ……のぞみさんは……僕に怒って、電話に出なかったわけじゃなかった……?」


ゆうは、今にも崩れ落ちそうな声で夏美に確認する。


「そうだよ、ゆう君。お姉ちゃんは、最初から怒ってなんかいなかった。ただ、記憶をなくしていただけで……」


「……」


ゆうは、その場に膝をつきそうになった。


車の中から、その様子を見ていたのぞみは、涙をこぼしながら唇を噛んでいた。


「……それでね、ゆう君。」


夏美は少し息を整え、ゆうの目をまっすぐに見つめる。


「お姉ちゃん、実は……ここに来てる。」


ゆうの動きが、止まった。


夏美はそっとゆうの顔をのぞき込んだ。ゆうはまだ壁にもたれたまま、動揺しきった様子で呼吸を整えようとしていた。


「……お姉ちゃんと会ってくれる?」


夏美の優しい問いかけに、ゆうの肩が微かに震える。


「……うん……もちろん……」


ゆうの声はかすれていた。それでも、迷いはなかった。


夏美は安心したように微笑むと、車の方を振り返り、大きく手を振る。


「お姉ちゃん!」


少し離れた場所に停めた車のドアが、ゆっくりと開いた。


外の冷たい空気が流れ込む中、一歩、また一歩と降り立つ足音が響く。


のぞみだった。


彼女は、ゆうの方をまっすぐに見つめながら、ゆっくりと歩き始める。


その姿を目にした瞬間、ゆうの喉が詰まり、息が止まった。


—— のぞみさん……!


まるで夢を見ているようだった。ずっと会いたかった。何度も何度も電話した。けれど、ずっと返事がなかった。


それが、今——目の前にいる。


のぞみもまた、ゆうの姿を見つめていた。彼の頬は少し痩せこけ、目の下には深いクマができている。どれほど苦しんだのか、一目でわかった。


「……ゆう君……」


のぞみが、小さな声で呟く。


その瞬間——


「のぞみさん……!!」


ゆうは、たまらず駆け出していた。


のぞみも、驚いたように目を見開き、次の瞬間には同じように駆け出していた。


互いに向かって走る。


そして——


——ぎゅっ。


ゆうは、のぞみの身体を強く抱きしめた。


「……のぞみさん……!のぞみさん……っ!!」


震える声で、何度も何度も名前を呼ぶ。


のぞみの目から、涙が溢れた。


「ごめんね……ごめんね、ゆう君……!!」


のぞみもまた、力いっぱい、ゆうの背中に腕を回した。


「ずっと……ずっと、怖かった……!ゆう君がもう会ってくれないんじゃないかって……ゆう君は、何も悪くなかったの……!!」


ゆうは、のぞみの髪に顔をうずめながら、首を振る。


「そんなこと……いいんだ……!のぞみさんが……生きててくれて、本当によかった……!!」


お互いの鼓動が聞こえるほどの距離で、二人はただひたすらに抱きしめ合った。


のぞみは、泣きながら、ゆうの制服の袖をぎゅっと握る。


「もう……もう絶対、離れない……!!」


「僕も……僕も、もう二度と、のぞみさんを失いたくない……!!」


頬を伝う涙も拭わずに、二人は強く、強く抱き合い続けた。


その様子を少し離れた場所で見ていた夏美は、そっと胸を撫で下ろし、涙ぐみながら微笑んだ。


 「のぞみさん……本当に、大丈夫なの?」


 ようやく出た言葉は、何よりものぞみの体調を気遣うものだった。夏美から聞いた「意識不明で病院に運ばれた」という言葉が頭から離れず、今この瞬間ものぞみが倒れてしまうのではないかという不安に駆られていた。


 のぞみは小さく微笑みながら首を横に振る。


 「倒れた前後のことは、あまり覚えていないの。でも、夏美が全部教えてくれた。何があったのか、どうして私が倒れたのか……全部。でもね、それを知っても、私の気持ちは何も変わらないよ。」


 その言葉に、ゆうは目を大きく見開いた。信じられない思いだった。


 「僕、のぞみさんに捨てられたと思ってた……!」


 喉の奥から絞り出すように言葉を紡ぐと、堰を切ったように涙が溢れた。


 「何度も電話した、何度もメッセージを送った……でも、返事がなくて……もう、のぞみさんは僕のこと嫌いになったんだって、そう思って……」


 肩を震わせながら涙を流すゆう。その姿を見て、のぞみもまた、涙を浮かべながらそっと手を伸ばした。


 「ごめんね……! 私も、スマホを家に置きっぱなしにしていたなんて知らなくて……。ゆう君をそんなに不安にさせてしまったこと、本当にごめんなさい……!」


 「謝らないで……! のぞみさんがそんな大変なことになってたなんて、知らなかった僕が悪いんだ……! 勝手に、のぞみさんに嫌われたなんて思って……!」


 「そんなこと、絶対にないよ……! ずっとずっと、私はゆう君のことが大好きだもん……!」


 のぞみの言葉が夜の静寂に響いた瞬間、ゆうは思わずのぞみを抱きしめた。のぞみも、迷うことなくゆうの背中に腕を回す。二人の鼓動が重なり合い、涙が互いの肩に染み込んでいった。


 「もう、絶対に離れない……!」


 「うん……!」


 そうして二人は、互いのぬくもりを確かめ合いながら、何度も何度もお互いの存在を確かめるように強く抱きしめ合った。


 そんな二人を少し離れた場所で見守っていた夏美は、耐えきれずに目頭を押さえた。


 「もぅ……本当に……よかったぁぁ……!」


 そう言いながら、ボロボロと涙をこぼし、二人と同じように泣きじゃくる。


 のぞみとゆうは、そんな夏美の姿を見て、思わず笑いながらお互いの涙を拭い合った。


 「夏美、ありがとうね……。」


 「本当に……ありがとう。」


 夏美は鼻をすすりながら、二人に向かって「バカぁぁぁ……!」と叫ぶ。


 「こんなに泣かせるなんて……バカ姉とバカゆう君だぁ……!」


 そう言いながらも、どこか嬉しそうな表情で涙を拭った。


 こうして、誤解も不安もすべて解け、二人はこれまで以上に強く結ばれた。


 静かな夜の中、冬の冷たさを吹き飛ばすような、温かい絆がそこにはあった。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「うわああああああ……もう無理や、カナちゃん……!涙が止まらんのよ……!夏美ちゃん、ようやったね……ここまでお姉ちゃんとゆう君を引き合わせて……!」


カナちゃん「ほんまや……!もうあかん!ここで泣かんやつは人間やない!のぞみちゃんとゆう君の再会、ドラマ史に残るやつや!あれは抱きしめ合うんやなくて、魂がぶつかっとったで!!」


なっちゃん「ほんまよ……ゆう君の『のぞみさん!』て叫び声、あれ雷鳴みたいに胸に響いたわ……!のぞみちゃんも走り出して……あれはもう奇跡そのもの……」


カナちゃん「せやせや、もう永遠に離れんて誓い合う二人見て、わたし心臓ぎゅううって絞られたみたいやったもん……!よかった……ほんまによかった……のぞゆうは永遠や!!」


なっちゃん「夏美ちゃんの涙も効いたんよ。あの子が必死に真実を探して、橋渡ししてくれたけん……二人がやっと誤解を越えて抱きしめ合えたんやねえ……!」


カナちゃん「そやな!影のMVPや、夏美ちゃん!ほんま影の立役者やで!」


なっちゃん「うう……涙で前が見えん……でも番組は続けなあかんけん……ここで視聴者のみんなからのはがき、紹介していくよ……!」


カナちゃん「はいきた!まずはこれ!大阪府の“みかんラブさん”から」


なっちゃん「『のぞみちゃんとゆう君の再会、テレビの前で声出して泣いてしまいました。ハグの瞬間は、二人が海を越えて再会した恋人みたいに感じました』」


カナちゃん「せやろ!あれはまさに海を割って出会うモーセ級の奇跡や!」


なっちゃん「続いて愛媛県“夕暮れのひまわりさん”」


なっちゃん「『ゆう君の頬のやつれ方見て、二日間どんだけ苦しかったんやろって胸が締め付けられました。のぞみちゃんが『もう離れない』って言ったとき、私も叫びました!』」


カナちゃん「わかる!その言葉、もう心の契約書や!涙のインクでサイン済みや!」


なっちゃん「Xのコメントもいこうや!“@natsu\_drop”さんから!」


なっちゃん「『再会シーンで家族全員泣きました。おばあちゃんまで鼻水すすってました。』」


カナちゃん「家族総泣き!もうこれは国民行事や!紅白より泣けるで!」


なっちゃん「“@yuyu\_forever”さんから!」


なっちゃん「『のぞみちゃんが走り出したとき、まるでオリンピック聖火ランナーみたいでした。ゴール地点はゆう君の胸!』」


カナちゃん「うまいこと言うなあ!あれはまさに愛のゴールやった!」


なっちゃん「まだまだいくよ!“@namida\_spark”さん!」


なっちゃん「『ハグの瞬間、心のダム決壊しました。涙が洪水みたいに溢れて、ティッシュ一箱なくなりました。』」


カナちゃん「せやろ!あれは心の大雨特別警報や!」


なっちゃん「“@nzm\_yu\_eternal”さん!」


なっちゃん「『のぞみちゃんとゆう君が抱き合ってる姿、星空に映し出された二つの星みたいで尊かった……!』」


カナちゃん「のぞゆう流星群や!わたしも一生お願いごとするわ!」


なっちゃん「カナちゃん……ほんま、わたしたち、今夜は泣きすぎて水分なくなるかもしれんよ……」


カナちゃん「ええねん!この涙は幸せの代償や!のぞゆうが戻ってきたんやから、なんぼでも泣けるわ!」


なっちゃん「……ほんまによかった……!のぞみちゃん、ゆう君……ありがとう……!」


カナちゃん「ありがとう……!永遠や……!」

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