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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第四部-1章 激動のゆうの高3生活
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夏美が突き止めた真相

夏美は病室の片隅で腕を組み、考え込んでいた。


(どうすれば、真相を知ることができるだろう……?)


お姉ちゃんが記憶をなくしている今、適当な憶測で話をするわけにはいかない。でも、私の勘は告げている。ゆう君は、絶対にお姉ちゃんを裏切ったりしない。


何か裏がある。何かおかしい。


その時、ふとある名前が頭をよぎった。


(……そうだ! ゆう君と同じ高校に、ゆかがいる!)


ゆかは夏美の中学時代の同級生で、今はゆうの高校に通っている。もし彼女に聞けば、何か情報が得られるかもしれない。


夏美はすぐにスマホを取り出し、久しぶりにゆかへLINE通話をかけた。


「夏美? どうしたの、急に?」


「ゆか、お願い! ゆう君ってゆかと同じ川上高校だよね?ゆう君のことで知りたいことがあるの!」


「ゆう君? もしかして、YUIのスキャンダルのこと?」


「そう! あれ、本当なの!? ゆう君がYUIと付き合ってるなんて考えられないんだけど」


ゆかは少し考え込むように息をついてから、ゆっくりと話し始めた。


「うーん、あのね……実は、YUIこと悠依がゆう君に興味を持ってたらしくて、ラブポーションがゆう君を校門から駅の近くまで護衛して、二人で歩かせたみたいなの。」


「えっ……? それってつまり……強制ってこと?」


「そうみたい。ゆう君、嫌そうにしてたって話も聞いたよ。でもラブポーションが見張ってたし、逆らえなかったんじゃないかな……。」


「……やっぱり……!」


夏美は確信した。


やっぱり、ゆう君は悪くない。彼はただ巻き込まれただけ。


でも、お姉ちゃんはそのことを知らないまま倒れちゃったんだ。


「ありがとう、ゆか! 本当に助かった!」


「ううん、夏美のためなら協力するよ!」


電話を切った夏美は、急いで病室に戻った。


---


その日の夕方。


のぞみは2日ぶりに家に帰ってきた。病院の白いベッドよりも、やっぱり自分の部屋の方が落ち着く。


(でも……なんで私は倒れちゃったんだろう……?)


それが、まだわからない。


ふと、机の上に置きっぱなしだったスマホを手に取る。


画面を開いた瞬間、のぞみの心臓が跳ね上がった。


ゆうからの大量の着信とメッセージ。


「……!」


何十回もかかってきた着信。未読のまま溜まったメッセージ。


(どうしよう……ゆう君……)


すぐにでも折り返したい。でも――


「お姉ちゃん、待って!」


夏美が慌ててのぞみのスマホを押さえた。


「夏美……?」


「ゆう君に電話するのはちょっと待って!」


「えっ……でも……」


のぞみの手が震えている。心の中に、何か説明できない不安が渦巻いていた。


「ねえ、夏美……私は何か、大事なことを忘れてる気がするの。でも、思い出せないの……。」


のぞみの顔がこわばる。夏美は、強く頷いた。


「それはね、お姉ちゃんがショックを受けるようなことがあったからだよ。でも、大丈夫。私が真実を突き止めたから。」


のぞみは驚いたように妹を見つめた。


「だから、ゆう君に電話する前に、ちゃんと聞いてほしいの。」


のぞみは息をのんだ。夏美の目は真剣だった。


「……わかった。聞く。」


のぞみはベッドの上で正座し、緊張した面持ちで夏美の話を待っていた。


夏美は一度大きく息を吸い込み、しっかりとのぞみの目を見つめた。


「お姉ちゃん、最初に絶対に伝えておきたいことがあるの。」


「……なに?」


「ゆう君が好きなのは、お姉ちゃんだけ。 それは絶対に変わらないし、ゆう君はお姉ちゃんを裏切るようなことは何一つしていない。」


のぞみの心臓がドクンと跳ねる。


「……どういうこと?」


「実はね、私、ゆかに聞いたの。」


そう言って、夏美はゆかとの会話をのぞみに説明し始めた。


悠依がゆうに興味を持っていたこと。

ラブポーションが見張る中で、ゆうが仕方なく悠依と歩かされたこと。

そして、その瞬間を写真週刊誌のカメラマンが撮影し、ネットニュースになったこと。


のぞみは、息をのむように黙って聞いていた。


「……それが……全部だったんだ。」


夏美の声が震え始める。


「でも、お姉ちゃんはそのことを知らないまま、寝起きで私がニュースを伝えちゃった……。だから、お姉ちゃんはショックで倒れちゃったんだ……!」


その瞬間、夏美はワアァァと泣き崩れた。


「ごめんね、お姉ちゃん!! 私のせいで……私があんな伝え方をしなければ……!!」


のぞみは目を丸くしながら、そんな夏美の姿をじっと見つめた。


「……夏美。」


「ひっく……うう……ごめんなさい……!」


「ありがとう。」


「……え?」


のぞみは優しく微笑んでいた。


「私のために、真相を調べてくれて、ありがとう。」


「……っ!!」


夏美の瞳から、さらに大粒の涙がこぼれる。


「でも……でも……! 私のせいで、お姉ちゃんは記憶をなくして、救急車で運ばれたんだよ……!?」


のぞみはゆっくりと首を振った。


「それでも、私は夏美がいてくれてよかった。私は大事なことを見失っていた。でも、夏美が真実を教えてくれたから、取り戻せた。」


そう言って、のぞみはそっと夏美の頭を撫でた。


「……お姉ちゃん……」


夏美は鼻をすすりながら、のぞみの肩にぎゅっとしがみついた。


---


しかし――


のぞみは次の瞬間、あることに気づき、表情を曇らせた。


「……ゆう君、きっと私が怒って、何も返してこないって思ってるよね……。」


「……!!」


夏美もハッとする。


「ゆう君、何度も電話やメッセージをくれてた。でも、私はずっとそれを無視してることになってる……。」


「ど、どうしよう……!? きっと、ゆう君すごく落ち込んでるよ!」


「……うん。」


二人は顔を見合わせた。


「どうやって、ゆう君に誤解を解けばいいんだろう……?」


のぞみはスマホを握りしめながら、決意したように口を開いた。


「今すぐ、ゆう君に電話すればいいんじゃない?」


しかし、夏美は少し考え込んでから、首を横に振った。


「でも、お姉ちゃん……。最後にゆう君が電話してきてから、もう丸一日以上経ってるんだよ?」


「……そうだけど。」


「このタイミングでいきなり電話がかかってきたら、ゆう君、びっくりしちゃうと思う。」


のぞみは息をのんだ。確かに、ずっと無視されたと思っていた相手から、突然電話がかかってきたら……ゆうはどう思うだろうか?


「……じゃあ、どうすればいいの?」


のぞみが戸惑ったように尋ねると、夏美は少し考えてから答えた。


「お姉ちゃん、ゆう君の家、知ってるよね?」


「……うん、知ってるよ。」


「じゃあ、今から直接、ゆう君の家に行こう。」


のぞみの瞳が大きく見開かれた。


「えっ……今から!?」


「うん。だって、このまま何もしなかったら、ゆう君が誤解したままになっちゃうでしょ?」


のぞみは一瞬迷ったが、すぐにその提案に賛成した。


「……そうだね。私たちが行けば、ちゃんと話せる。」


しかし、のぞみはふと気づく。


「でも……私、いきなり行って、ゆう君にちゃんと説明できるかな……。」


夏美は、少し考えた後、小さく頷いた。


「だったら、まずは私が話すよ。」


「え?」


「私、一応ゆう君と中学の同級生だったから、彼も私のことを知ってるはず。ほとんど話したことはないけど……。」


「……確かに。」


「お姉ちゃんがいきなり話すより、まず私が説明した方が、ゆう君も少しは冷静になれると思う。」


のぞみは、妹の成長した姿に少し驚きながらも、その提案を受け入れることにした。


「……分かった。じゃあ、夏美、お願い。」


こうして、のぞみと夏美は、父に頼んで車を借り、ゆうの家へ向かった。


---


夜の住宅街を走る車の中で、のぞみと夏美はずっと黙っていた。


二人とも、緊張で胸がドキドキしていた。


「……ねえ、夏美。」


「なに?」


「私、ちゃんとゆう君に伝えられるかな……。」


「大丈夫。まずは私が話すし、お姉ちゃんはその後でしっかり伝えればいいよ。」


「……うん。」


やがて、車はゆうの家の前に停まった。


二人は、お互いに顔を見合わせる。


「……行こう。」


のぞみは深く息を吸い込み、夏美と一緒に車を降りた。


そして、ついにゆうの家のインターホンを押すのだった――。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「夏美ちゃん、ほんまに凄いわぁ!うちら視聴者の度肝抜かれたけんね!まさかここまで動くとは思わんかったわ!」


カナちゃん「ほんまやで!病院でお姉ちゃん守るだけやのうて、ゆかちゃんに電話して、真相聞き出すとか……いや、これは影の探偵役や!夏美ちゃんおらんかったら、このドラマごっつい暗いまま進んでたで!」


なっちゃん「ほんまよ!さすが影の重要人物やね!視聴者の代弁者みたいに“ほんまはどうなんよ?”って聞き出してくれたんやけん!もうスカッとしたわ!」


カナちゃん「で、これで分かったんやな。ゆう君、ほんまにのぞみちゃんを裏切ってなかったんや。逆に巻き込まれただけ。いやぁ、でも……」


なっちゃん「でも、ゆう君のメンタルがヤバいわ……。あの子、のぞみちゃんに信じてもらえんと思い込んで、一日中駅で待ってたんやろ?もう心が紙風船みたいにペシャンコよ!」


カナちゃん「ほんまや!やばい!ゆう君、のぞみちゃん怒っとるって思い込んでるで!しかも、のぞみちゃんは病院やから電話出れんかっただけやのに!それ知らんまま一人で地獄巡りしてもうてるんや!」


なっちゃん「ほんまに誰か早よ教えたってや!って画面に向かって叫んだわ!あの子、のぞみちゃんのことになったらホンマもろいんよ!豆腐の角より脆いけん!」


カナちゃん「せやけど!夏美ちゃんが全部説明したやん?“ゆう君はお姉ちゃんだけを好きやで”って、泣きながら言うたシーン……あれ視聴者も涙腺崩壊やったで!のぞみちゃんが“ありがとう”って返すんも反則や!」


なっちゃん「お姉ちゃんと妹が抱き合うシーン、わたし鼻水出るほど泣いたけん!でも泣きながら思ったんよ……“ちょ、ゆう君!まだ一人で絶望しとるんやないん!?大丈夫なんか!?”って!」


カナちゃん「ほんまそこ!次の展開どうなるんやろ!インターホン押したけど……出てくるんか?ゆう君、心バッキバキに折れてへんか?」


なっちゃん「これ以上放っといたら、ゆう君心のガラス割れっぱなしになるけんね!もう誰も掃除できんぐらいに粉々よ!」


カナちゃん「ほんまそれ!はよ誤解解いて、二人が再会してほしいわ!」


――ここで視聴者からのお便り紹介!


なっちゃん「ラジオネーム“枕元ティッシュ派”さんから!」

『夏美ちゃんの行動に拍手喝采でした!ゆう君は心がグラス細工みたいに繊細だから、妹の勇気が救いの光に見えました。』


カナちゃん「いやぁ分かる!まさに“救急箱に入っとる包帯”や!夏美ちゃんが巻いてくれたんや、ゆう君の心に!」


なっちゃん「次はXのポストから、“@yuki\_drop”さん!」

『のぞみちゃんが“ありがとう”って言った瞬間、私の心も解けました。姉妹愛がまぶしすぎて、ゆう君にも早く届いてほしい。』


カナちゃん「せやなぁ。姉妹が電灯なら、今のゆう君は真っ暗な洞窟やで。その光、早よ照らしたってーな!」


なっちゃん「ほうほう!ラジオネーム“駄菓子屋のうめぼし”さん!」

『ゆう君が駅で待ち続ける姿、切なすぎて胸がキュン死しました。あんな健気さ、今どきおらん!』


カナちゃん「ほんまそれ!あんなん漫画超えて文学や!もはや“待つことが恋”やで!」


なっちゃん「最後に“@nozomilove”さん!」

『インターホン押すシーンで鳥肌!扉の向こうで世界が変わる瞬間、これは伝説になる予感!』


カナちゃん「せやなぁ!あのドア開いたら、もう流星群降るで!花火も打ち上がるで!……ってぐらい運命の扉や!」


なっちゃん「ほんま次回が待ち遠しいね!夏美ちゃんに拍手!そして、ゆう君、もうちょっとだけ耐えて!」


カナちゃん「のぞみちゃん!勇気出して!あんたの言葉が世界救うんやでー!」


――番組は二人の叫びと視聴者の共感で幕を閉じた。

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