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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第四部-1章 激動のゆうの高3生活
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悠依と並んで歩く

 ゆうは重いため息をつきながら運動場の隅に向かった。


 (なんで僕がこんなこと……)


 悠依が「歩いてやってもいい」と言ったからといって、なぜ自分がわざわざ待たなければならないのか。理解に苦しむが、断ればラブポーションが騒ぎ出すだろう。面倒なことになるくらいなら、さっさと済ませてしまったほうがいいかもしれない――そんな考えで、ゆうは運動場の片隅に立った。


 驚くほど静かだった。


 校舎の廊下や窓からも、誰もこちらを見ている気配はない。普通なら、悠依と誰かが歩くとなれば、人だかりができて大騒ぎになりそうなものだが、それを許さないのがラブポーションだった。


 彼女たちは運動場の至る所に配置され、まるでSPのように目を光らせている。150m以内に近づく者は皆無だ。


 (……マジで何なんだ、この状況)


 ゆうは苦笑しながら、じっと空を見上げた。


 心の中には、ずっとのぞみの顔が浮かんでいた。


 ――のぞみさん、今何してるかな。


 この時間なら、もう家に着いている頃だろうか。バイトの準備をしているかもしれない。


 ふと、あの柔らかい笑顔が脳裏に浮かび、ゆうは思わず口元を緩めそうになった。しかし、すぐに現実に引き戻される。


 「待たせた?」


 透き通るような声が響いた。


 振り向くと、そこには悠依が立っていた。


 太陽の光を浴びて輝くような圧倒的美貌。芸能人オーラを纏った姿は、まるで別世界の住人のようだった。


 「い、いや……」


 ゆうは適当に言葉を濁した。


 悠依は小さく微笑みながら、ゆうの横に並ぶ。そして圧倒的眼力でゆうを見つめる。


 「っ!?」


 「何驚いてんの? 歩くんでしょ?」


 当然のような態度に、ゆうは完全に固まった。


 (……な、なんていう美貌だ……!)


 しかし、ラブポーションが周囲を固めているこの状況で、従わないわけにもいかない。


 「ほら、行こ?」


 悠依が歩き出すと、仕方なくゆうも足を動かした。


 歩き出してから、ずっと沈黙が続いていた。


 ラブポーションが周囲を警戒しているせいか、学校の生徒たちの姿はまったく見えない。通りすがるのは、犬を連れた老人や、自転車で買い物帰りの主婦くらいだ。


 (……何なんだ、この状況)


 ゆうは引きつった笑顔を作りながら、内心ため息をつく。


 愛からは「悠依の機嫌を損ねるな」と厳命されている。ここで適当に流したら、後で面倒なことになるのは目に見えている。


 (ったく、のぞみさんと歩くときとは大違いだよ……)


 のぞみと一緒にいるときは、いつの間にか恋人みたいに寄り添ってしまう。のぞみも特に気にすることなく、自然とゆうにくっついてきたりする。


 だが、今は違う。


 悠依とは、ほんの少し距離を空けて歩いていた。腕を絡められることもなく、ただ並んでいるだけ。


 それでも、悠依から漂う香水の香りが、ゆうの意識を刺激した。


 (……うわ、なんか高そうな匂いだな)


 ほんのり甘く、品のあるフローラル系の香り。それはどこか大人びていて、普段の学生生活では嗅ぐことのないものだった。


 ふと横目で悠依を見ると、彼女は無表情のまま前を見ていた。


 けれど、気のせいかもしれないが――時折、ちらりとこちらを見ているような気がする。


 (……何なんだ?)


 スタイリストが仕上げた完璧なメイク。光を受けて艶やかに揺れる髪。まるで画面の中からそのまま抜け出してきたような彼女の美しさに、周囲の一般人が遠巻きに視線を送っているのがわかる。


 しかし、ゆうにとってはただの「面倒な状況」でしかなかった。


 そんな沈黙のまま、五分ほど歩くと、先の道路脇に黒いアルファードが停まっているのが見えた。


 車の前には、背広を着た男が直立不動で待機している。


 「悠依様」


 男が短く声をかけると、悠依は立ち止まり、ようやくゆうの方を見た。


 「じゃあね」


 簡単な別れの言葉を告げると、悠依は車に乗り込む。


 スライドドアが静かに閉まり、アルファードはゆっくりと発進した。


 エンジン音が遠ざかっていく。


 ようやく、全てが終わった。


 「……はぁ」


 ゆうは大きく息を吐き、胸を撫で下ろした。


 (これで、もう何もないよな……?)


 だが、そんな甘い考えが通用しないのが「ラブポーション」という存在なのだと、ゆうはこのときまだ気づいていなかった――。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「うわぁぁぁぁ!出たよ悠依!ちょっと待って…これ昏倒するわ私!光浴びてキラキラしとるやん!映画館のスクリーンから飛び出してきたんか思うた!」


カナちゃん「ほんまやで!スタイリストついてんちゃうん?まぶしすぎてサングラス要るレベルやん!これ、ゆう君がのぞみちゃんおらんかったら、悠依に行ってまうんちゃうん!?心揺れるやろ!」


なっちゃん「いや、わかるんよ!香水の匂いとかさ、もう日常ちゃうもん。学生の世界に混ざったハリウッドよ!そら意識もってかれるやろ!」


カナちゃん「でもな、悠依の目的って何やろ?これ、ほんまにゆう君好きなんか?そう見えへんねん。むしろ舞台つくって眺めとるだけやん!」


なっちゃん「そやね。好きっていうより、“儀式の駒”にしとる感じやわ。怖いけど、美しすぎて誰も逆らえんのよ…!」


カナちゃん「なんか聞いたで、悠依の動きにはシナリオあるらしいで。でもまだ言われへんねんて。謎が深すぎる!」


なっちゃん「ミステリードラマやん!『悠依、禁断のプロローグ』ってサブタイトルつけたなるよ!」


カナちゃん「ほんまや!しかも黒いアルファードで去ってくとか!芸能人の送迎やん!背広のSPもついとるし!どんだけVIP扱いやねん!」


なっちゃん「でもな、ゆう君にしたら“もう終わった”思とるんやろうけど、これぜーったい続くで!フラグ立ちまくりよ!」


カナちゃん「うんうん!ほな視聴者からのはがき読んでみよか!」


なっちゃん「待っとった!お願い!」


カナちゃん「ラジオネーム“きらめく校庭”さん。『悠依様の登場シーン、まぶしすぎて画面割れるかと思った!』」


なっちゃん「わかる!液晶の輝度100%超えよ!もう目が痛いレベル!」


カナちゃん「次、ラジオネーム“団地のすみれ”さん。『のぞみちゃんがヒロインやと思ってたのに、悠依がラスボス感すごい!』」


なっちゃん「ほんまや!これ恋愛劇ちゃう、ファイナルファンタジーよ!ラストバトル始まっとる!」


カナちゃん「Xコメントもいくで!『悠依は美の台風。半径150mが暴風域』」


なっちゃん「出た!暴風域!ほんまゆう君いま台風の目やわ。静かそうに見えて逃げられんのよ!」


カナちゃん「おもろいなぁ!別のコメント『アルファードって、もはや魔法の馬車やん。シンデレラ逆バージョンやな』やって!」


なっちゃん「めっちゃセンスあるやん!悠依がシンデレラで、ゆう君が強制的に王子役させられとる感じやな!」


カナちゃん「せやせや!しかも誰も拍手せん舞台!無観客ライブや!」


なっちゃん「これな、悠依の“じゃあね”が逆に怖いんよ!何か次の幕間に続きそうやけん!」


カナちゃん「ほんまや!視聴者からも『次は必ず嵐が来る』て予言みたいなコメント届いとるで!」


なっちゃん「やばい!私らも心臓バクバクしてきた!のぞみちゃん、はよ出番戻ってきてぇぇぇ!」


カナちゃん「そうや!のぞみちゃんこそ、この物語の光なんやで!」


なっちゃん「結論。悠依は最強、でも愛すべきはのぞみちゃんとゆう君!この二人が揺るがんでほしい!」


カナちゃん「せやな!みんなで祈ろ!“二人の絆こそ最強や!”ってな!」

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