表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第三部-3章 のぞみ、大学生になる
82/495

ゆうの混乱とのぞみのサプライズ

(……ついに、この時が来た……!)


映画館を出たあと、のぞみは ドキドキが止まらなかった。


いよいよ、サプライズを仕掛ける時。


「今日は、こっちから駅に行こうよ」


のぞみは できるだけ自然な声 で言う。


でも――


「え? そっち駅と逆じゃない?」


……しまった!


「う、うん……でも、ほら、なんか……新鮮じゃない?」


我ながら 苦しい言い訳 だった。


ゆうは 首をかしげている。


(やばい、怪しまれちゃう……!)


「えーっと……こっちから行くと、ちょっとした近道かもしれないよ?」


「でも遠回りに見えるけど……?」


(くっ、するどい……!)


のぞみは にこっと笑って、ゆうの手を そっと握る。


「いいから、ついてきて?」


ゆうは 小さくため息 をついた。


「のぞみさんがそう言うなら……」


なんとか納得してもらい、二人は 駐車場へと向かった。


* * *


駐車場を歩きながら、ゆうは 不思議そうな顔 をしている。


「ねえ、のぞみさん、本当に大丈夫? どんどん駅から遠くなってるけど……」


「だ、大丈夫! もうすぐだから!」


(うぅ……平静を装うのが大変……!)


そして――


ついに、目の前に父のLEXUS RX 500hが見えた。


のぞみの心臓は 今にも飛び出しそう になっている。


すると、ゆうが ピタッと立ち止まった。


「うわぁ……!」


「えっ?」


ゆうの視線の先には……


のぞみが乗ってきた車。


LEXUS RX 500hに、初心者マークがついている。


「こんな高級車を運転する初心者がいるんだ……すごいなぁ……羨ましい……」


ゆうは キラキラした目 で、その車を見つめている。


(あ、それ……私が乗ってきた車なんだけど……)


今すぐ「実はね!」って言いたくてたまらない。


でも――


(ダメダメ、もうちょっと待って……!)


のぞみは 必死にサプライズのタイミングを見計らう。


――ゆう君がもっと驚く瞬間まで、あと少し……!


のぞみは、その車の運転席のドアノブに手をかけようとするので、ゆうは慌てる。


「のぞみさん、ダメだよ! そんなことしたら――!」


ゆうが 慌ててのぞみの腕を掴んだ。


「ちょ、ちょっと……何してるの? これ、誰かの車だよ!? 近くに持ち主がいるかもしれないし、変に触ったら警報が鳴るかも……!」


ゆうは 完全に焦っている。


(ふふっ、かわいい……)


のぞみは 微笑みながら、もう一度ドアノブに手をかけた。


「ちょっ、のぞみさん!? ほんとにダメだって!!」


ゆうがのぞみを止めようとするけど――


「ピッピッ!」


車から ロック解除音が鳴る。


そして――


のぞみは何事もなかったかのように、すっと運転席のドアを開けた。


「の、のぞみさん……!? えっ……?」


ゆうは 完全に混乱している。


「のぞみさんっ……! ダメだよ、警備員が来ちゃう! ほんとにどうしたの、さっきから!?」


のぞみは にっこりと笑って、ゆう君の方を向いた。


そして――


「実はね、ゆう君……」


ついにサプライズを明かす時が来た――!


「のぞみさん……? ど、どういうこと……?」


ゆうは 唖然としている。


「ねぇ、ゆう君。どうしてこのドアが開いたと思う?」


のぞみは 少し意地悪そうに微笑みながら、ゆうに問いかける。


「えっ? それは……」


考え込むけど、すぐには答えが出ない。


のぞみは ゆっくりと、ポケットからキーを取り出して見せた。


「答えはね――私がキーを持っているから だよ。」


「えっ!? えっ……!? えええええええ!?」


ゆうの目が 限界まで見開かれる。


「じゃあ、これ……のぞみさんの車……!? えっ、えっ!? でも、のぞみさん、車の免許なんて――!?」


「ふふっ、乗って? 今日はこれに乗って帰るよ。」


そう言って のぞみは運転席に乗り込んだ。


ゆうは さらにパニックに陥っている。


「の、のぞみさん……!? えっ、えっ!? で、でも、誰が運転するの!? ま、まさか……」


のぞみは 少し緊張しながらも、満面の笑みで答える。


「もちろん、私が運転するよ。」


「――――っっ!!??」


ゆうは 息をのんで絶句した後、大騒ぎし始めた。


「うわああああああ!! のぞみさんが、運転!? えええええ!? 免許、取ったの!? いつ!? ど、どうして教えてくれなかったの!?」


「ふふっ、サプライズだからだよ♪」


ゆうは 驚愕と興奮の入り混じった顔 で大騒ぎしている。


のぞみは サプライズ大成功に大満足!


(やったぁ……!)


そして…


「ジャーン!」


のぞみは 満面の笑みで、ゆうの前に 免許証をかざした。


「ほら、これが証拠!」


ゆうは まだ驚きの余韻が抜けないまま、目をパチクリさせながら免許証を見つめている。


「えっ……ほんとに免許取ったの……? え、マジで?」


「マジで! ほら、よーく見て?」


「ちょ、ちょっと……よく見せてよ!」


ゆうは 恐る恐る私から免許証を受け取り、まじまじと見つめ始めた。


「……ん? えっ……?」


最初は 驚きながら見ていたけど、急に 動きが止まる。


「ゆう君? どうしたの?」


「…………」


「ねぇ?」


「…………これ、僕にも欲しい。」


「はぁ!?」


「だって……のぞみさんの写真、可愛すぎる……」


「なっ……!?」


のぞみは 顔が一気に熱くなった。


「もう、バカ!!」


ゆうは 本気の顔で免許証を見つめ続けている。 まるで 宝物を手にしたみたいに。


「いいなぁ……僕の財布にもこの免許証入れたい……」


「や、やめてよ! そんなのダメに決まってるでしょ!」


「でも、この写真……ほんとに可愛い……」


「もうっ! 返して!!」


のぞみは ゆうから免許証を取り返して、そそくさと財布にしまい込んだ。


「もう、ゆう君ったら……」


恥ずかしくてたまらないけど、同時に 嬉しくて仕方ない。


「ごめんね、驚かせるために内緒で教習所に通ってたの。」


「えぇ!? じゃあ僕に何も言わずに、ずっと頑張ってたの?」


「うん……びっくりさせたかったから。」


「のぞみさん……」


ゆうは しみじみとした顔で私を見つめて、嬉しそうに微笑んだ。


「僕のために……嬉しいなぁ。」


のぞみは そんなゆうの顔を見て、もっと嬉しくなる。


「……うん! のぞみさん、かっこいいよ!」


「えっ……?」


「これからは僕をドライブデートに連れてってね!」


「ふふっ、もちろん♪」


のぞみは ゆうの嬉しそうな顔を見て、サプライズが大成功したことを改めて実感した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました! ブクマ・ポイント評価お願いしまします!

私の作っている他の作品もお読みください!

クズ人間シンジの成り上がり人生 ~ボロ車でポリ袋10袋のアレを運び、美女二人と事業を起こす逆転人生

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ