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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第三部-3章 のぞみ、大学生になる
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悶絶する夏美

夏美とのサプライズ計画で笑い合っていたその時、のぞみのスマホが突然震えた。

ベッドの上で飛び跳ねていた夏美の横で、のぞみは反射的に画面を覗き込む。そこに浮かんだ名前を見た瞬間、心臓がドクンと跳ねた。


――ゆう君!


胸の奥が一気に熱くなる。嬉しさと同時に、緊張で手のひらが少し汗ばんだ。けれど、隣に夏美がいることに気づいて、慌てて口元に指を当てた。


「しーっ!」


小さな声で制するけれど、夏美は「えー?」とふくれっ面をしながらも、興味津々の目で姉をじーっと見つめている。


のぞみは仕方なく、小さな声で電話に出た。

「……もしもし、ゆう君?」


スピーカーから聞こえてきたのは、甘く、少し伸びる声。

「のぞみさぁん……今、なにしてたの……?」


その瞬間、夏美が「ぷっ……!」と吹き出しかけて、慌ててのぞみの腕にしがみついてきた。


「えっ……ちょっと……!」

のぞみは耳まで真っ赤になりながら、妹の顔を睨みつける。


夏美は唇を噛んで笑いをこらえつつ、声にならない声で「無理、面白すぎる……!」と肩を震わせる。


スマホ越しに、さらに甘えた声が響く。

「ねぇ、のぞみさん……会いたいよ……」


――ちょっと、ゆう君!

胸の奥が一気にくすぐったくなり、のぞみは声を飲み込んだ。こんなに可愛く甘えてこられたら、ただでさえ心臓がもたないのに。隣に夏美がいる今は、本当に困る。


「……ふふ、もう、ゆう君ったら」

どうにか笑いに変えて返すのが精一杯だった。


「ねぇ、のぞみさん、次はどこでデートする?」

甘えん坊全開の声が、部屋の空気を一瞬で甘く染める。


その時、横からすかさず夏美が茶々を入れた。

「ほら! ショッピングモールだよ!」


「ちょ、ちょっと夏美……!」

のぞみは慌てて手で制そうとするけど、もう遅い。


「えっと……」

観念したように、のぞみは口を開いた。

「今度、ショッピングモールに行かない?」


「ほんと!? じゃあ決まりだね!」

弾んだ声が耳に届き、のぞみの胸はまたドキリと鳴った。


――うん、そのショッピングモールで、ゆう君にはビックリすることが待ってるんだから。

内緒の計画を思い浮かべて、のぞみは小さく微笑んだ。


「ねぇ、のぞみさん……」

再びスマホから響く、甘く蕩けるような声。

「ショッピングモールに、新しいオムライス屋ができたんだよ。のぞみさんと、一緒に一つのオムライスを食べたいなぁ……」


「えっ……!」

のぞみは思わずスマホを握り締めた。顔に一気に血が上り、耳の奥まで熱くなる。


横で聞いていた夏美は、真っ赤になって息を詰めたあと、ぶんぶんと足をバタつかせている。


「ねぇ、それだけじゃなくてさ……」

ゆうの声はまだ続く。

「前にファンタジーランドでデートした時みたいに、一つのドリンクに二つのストローで飲むのもやろうね!」


「はっ……!?」

のぞみの顔が一瞬で真っ赤になった。そんなこと、夏美には一度も話していない。


一瞬、夏美はポカーンと目を丸くして、次の瞬間には大絶叫した。

「なにそれぇぇぇぇぇぇ!!!」


そのままカーペットの上をゴロゴロ転げ回る。髪を振り乱しながら「ありえない!」と叫び続ける姿は、もはや大騒ぎだった。


「夏美!? ちょっと静かに!」

必死に声を抑えようとするけれど、効果はない。


「無理!! お姉ちゃんたちそんなことしてたの!? ゆう君と!? うわぁぁぁぁぁ!!」

夏美は大興奮で、バタバタと手足を暴れさせる。


「ちょ、ちょっと待って……!」

のぞみは慌てて夏美の口を手で押さえようとするが、妹は完全に暴走状態だった。


「のぞみさん?」

スマホの向こうから、ゆうの不思議そうな声が聞こえる。


――やばい、ゆう君に気づかれる!

のぞみは心臓を掴まれたように焦った。


「えっ、あ、ううん、なんでもないよ!」

必死に取り繕いながら答える。


頬は熱く、口元は笑みを抑えきれない。甘えてくるゆうに困るけど、こんなにも自分を好きでいてくれることが嬉しくて仕方がなかった。


「ふふっ……もう、ゆう君ったら」

スマホを耳に当てたまま、のぞみはそっと微笑む。


だが隣では、「ひゃああああ!」と転げ回り続ける夏美。その暴れっぷりに、のぞみは頭を抱えながら――どうやって誤魔化そうか途方に暮れるのだった。


ーーーーーー


のぞみ 「じゃあね……ゆう君。また電話するね」


スマホから聞こえる優しい声を名残惜しく切って、のぞみは小さく深呼吸をした。

胸の奥がくすぐったいように温かい。画面に残る「ゆう」の名前を眺めながら、思わず頬が緩む。

そして、スマホを机に置いた――その瞬間。


「ねぇ、お姉ちゃん」


後ろから弾むような声。

振り返ると、夏美の目がまるで宝石みたいにキラキラと光っていた。


のぞみは直感した。――これは、嫌な予感しかしない。


「ファンタジーランドって、何があったの?」


夏美の声が妙に鋭い。彼女は、のぞみがゆうとファンタジーランドに出かけたことを知っている。

だが、あの日の詳細はまだ話していない。


「……えっ?」

のぞみは瞬きをして、言葉を失った。


「さっき、ゆう君が言ってたよね?『ファンタジーランドでデートした時みたいに』って」

夏美の目がじわじわと細くなる。まるで探偵が真実を突き止める瞬間みたいに。


「え、それは、その……」

のぞみは曖昧に笑ってごまかそうとする。

だが夏美は一歩、また一歩と間合いを詰めてくる。


「お姉ちゃん、なにか隠してるでしょ~?」

にじり寄る夏美の姿に、のぞみは思わず後ずさった。


「む、むぐぐ……! な、何もなかったよ!普通に遊んだだけ!」


「ふぅ~ん?」

夏美の口元がにやりと歪む。その表情は、完全に獲物を逃さない捕食者。


「じゃあさ、ずっと手を握ってたって話も、やっぱり“なかった”んだ?」


「っ……!?」

のぞみの顔が瞬時に真っ赤に染まる。耳まで熱い。


「やっぱり手、繋いでたんだぁぁ!」

夏美はガッツポーズをしながら跳ねる。


「~~~っ!!」

のぞみは顔を覆いたい衝動を堪え、必死に否定するが、その反応がすでに答えになっていた。


「それでそれで? ライドに乗ったとき、ゆう君が怖がってお姉ちゃんに張り付いてたって……本当なんでしょ?」


「……っ!!」

図星を突かれた瞬間、のぞみの心臓が跳ね上がる。


「やっぱり本当なんだぁ!! きゃあぁぁぁ!」

夏美は全身を震わせながら、その場で飛び跳ねた。


「ちょ、ちょっと! 声が大きいから!」

慌てて手を伸ばして夏美の口を塞ごうとするのぞみ。

だが夏美はその手を払いのけ、得意げに鼻を鳴らす。


「ふふん♪ で? 他には? 他には何があったの?」


「も、もういいでしょ!?」

のぞみは涙目になりながら必死に抵抗する。

だが夏美の探究心は止まらない。むしろ炎に油を注がれたみたいに勢いを増していた。


「思い出シアターで何があったの?」


「っ……」

のぞみの喉がカラカラに乾く。言葉が出てこない。


「……ふぅん?」

夏美の目が鋭く細くなる。沈黙こそが、答えを物語っていた。


「……そ、そこで……寄り添って、二人で過去の映像を見てた……」

しぼり出すような声。


「うわぁぁぁぁぁぁ!!」

夏美は叫び声を上げ、カーペットの上を転げ回った。

両手足をバタバタさせ、まるで子どもみたいに大はしゃぎ。


「で? で!? それだけじゃないでしょ!?」

転がりながらも、問いかける声が止まらない。


「……そ、それだけだよ……」

のぞみは両手で顔を覆い、必死に取り繕う。


「お姉ちゃん、嘘つくと鼻がピクッて動くんだよねぇ~?」

夏美がじとっと睨みながらニヤリと笑う。


「~~~っ!!!」

観念したのぞみは、肩を落とし、真っ赤な顔で小さくつぶやいた。


「……二人で、手を……握ってた……」


ドサァッ!!!

夏美はその場に崩れ落ちる。まるで大きな衝撃を受けたみたいに。


「なにそれ……少女漫画の世界じゃん……!!」

目を潤ませながら、体を震わせている。


「……もう、全部言っちゃった……」

のぞみは両手で顔を覆い隠し、うつむいた。耳まで真っ赤。

恥ずかしさで胸が押しつぶされそうで、穴があったら入りたい気分だった。


しかし夏美はそんな姉にお構いなしで、再び身を乗り出して肩をガシガシ揺さぶる。


「ねぇねぇ! それってもう、付き合って5年くらいの熟練カップルじゃん!!」


「や、やめてぇぇぇ!」

のぞみは必死に叫ぶが、顔の赤さは止められなかった。


夏美のはしゃぐ声と、のぞみのうめき声が部屋にこだまする。

恥ずかしさと嬉しさと、どうしようもない愛しさが混じり合った空気の中で、二人の姉妹の夜は賑やかに更けていった。


――のぞみの胸の中で、ゆうへの想いは、またひとつ強くなっていくのだった。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん 「おいおいおい!なんでわしらの出番飛ばすんよ!!ほんでシーンまるまる甘々ラブコメ空間になっとるやんか!」


カナちゃん 「ほんまやで!脚本家、聞いとんか!?なんでのぞみちゃんとゆう君ばっかり、とろけとるんや!こっちの出番どこ行ったんや!!」


なっちゃん 「しかもなぁ、夏美ちゃんが転げ回っとるシーン!あれ、絶対わしらが横でツッコミ入れたら100倍面白なっとったやん!惜しいわ〜!」


カナちゃん 「ほんまやで!『ひゃあああ!』言うて転がる夏美ちゃんに、『大根役者の発作か!?』とか突っ込みたかったのに!」


なっちゃん 「わしら出番カットされたけん、もうここからははがき読もうや!視聴者のみなさん、怒りを代弁してくれとるはずや!」


カナちゃん 「おっけー!まずはペンネーム『ショッピングモールの妖精』さんから」


なっちゃん 「『のぞみちゃんとゆう君のやり取りが甘すぎて、読んでた私は布団の上で溶けて液体になりました。どうしてくれるんですか』やと」


カナちゃん 「いや液体化て!スライムやん!ドラゴンクエストの村襲うやつやん!」


なっちゃん 「ほんでこっちはXから、ID『@ドリンク二本ストローは拷問』さん」


カナちゃん 「『一つのドリンクを二人で飲むとか、あれは心臓への強制ギロチンです。カップル用拷問器具として国指定文化財に登録してください』やて!」


なっちゃん 「ギロチンて!あんたら心臓首チョンパされとるんか!ほんま悶絶共感やわ!」


カナちゃん 「次は『ファンタジーランドの亡霊』さん」


なっちゃん 「『私も過去に彼とファンタジーランド行きましたが、手も繋げず帰りました。なのにのぞみちゃんは手も握って寄り添って…同じアトラクションなのに、私のはホラー館でした』」


カナちゃん 「重いわぁ!比較対象がシビアすぎるやん!ファンタジーランドって天国か地獄か分ける裁判所かいな!」


なっちゃん 「続いて『妹に全部バラされる恐怖』さんから」


カナちゃん 「『夏美ちゃんの探偵力がすごすぎて震えました。私も妹に恋愛バレして、三日間ご飯茶碗に「お姉ちゃんのキス丼」って名前つけられたこと思い出しました』」


なっちゃん 「いやなにそのトラウマ飯!白米泣きよるわ!でも共感するで〜、妹って容赦ないもんよな!」


カナちゃん 「最後は『ベッドのバタフライ』さん」


なっちゃん 「『夏美ちゃんの足バタバタ、完全にバタフライ泳法でした。私も一緒に布団の上で水泳大会してしまいました。のぞみちゃんとゆう君は観客席で金メダル確定です』」


カナちゃん 「分かる!もう甘々カップルシーンは観戦する側も全身運動や!心臓バタフライ、肺は平泳ぎ、感情はシンクロ演技や!」


なっちゃん 「ほんま、出番飛ばされた腹立ちはあるけど…結局わしらも溶けとるんよなぁ…」


カナちゃん 「せやな。悔しいけど、のぞみちゃんとゆう君は砂糖100袋投入した鍋みたいに、とろけとるわ」


なっちゃん 「おい脚本家!次は絶対、わしらのツッコミ入れさせんと許さんけん!」


カナちゃん 「せやで!視聴者は甘いのに塩効かしたスパイスも求めとんねん!」


なっちゃん 「次回は“のぞゆう丼、なっカナ塩コショウ風味”で頼むけん!」


カナちゃん 「よっしゃー!以上、“なっちゃんカナちゃん”でしたぁぁぁ!」

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