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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第三部-3章 のぞみ、大学生になる
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新しい生活

朝の西元山駅。桜は散り始め、ホームの片隅には花びらが吹き寄せられていた。まだ高校は始まっていない春休みの空気の中、ゆうは制服姿ではなく、私服ののぞみの姿を見つけた瞬間、思わず息をのんだ。


彼女はもう高校生ではない。

けれど、その笑顔はどこまでも懐かしく、同時に新しい。


のぞみ「もう……ゆう君、新学期まだでしょ?なんで駅まで来てるの」


からかうように言う声は軽やかで、でもその瞳の奥には嬉しさが隠しきれずに滲んでいる。


ゆう「えー、いいじゃない。僕はのぞみさんと一緒にいたいんだよ。今日はね、いつもの電車に乗って、のぞみさんを難法駅まで見送ろうって決めてたんだ」


少年らしい不器用な真剣さ。その言葉に、のぞみは一瞬肩を揺らして、そして吹き出すように微笑んだ。


のぞみ「……もう、しょうがないんだから」


口調は呆れたようでも、頬はほんのり桜色に染まっていた。彼女は自然に伸ばした手で、ゆうの手をぎゅっと握る。その仕草が答えのすべてだった。


二人はホームに並んで立ち、やがて滑り込んできた電車に乗り込んだ。ファンタジーランド以来、久しぶりに揺られる「いつもの電車」。でもその隣にいる彼女の姿は、制服ではなく、私服。わずかな違いが、ゆうの胸をざわつかせる。


ゆう(なんだろう……同じはずの景色が、のぞみさんが変わっただけでこんなに違って見える)


窓の外を流れる街並みを眺めながら、ゆうは握った手のぬくもりに意識を奪われていた。


ゆう「……なんかさ、まだ実感が湧かないんだ」


のぞみ「え? 何のこと?」


ゆう「のぞみさんが……もう高校生じゃなくなったってこと」


のぞみは少し目を丸くして、それからやわらかく笑った。


のぞみ「ふふ……私もまだそんな気がしないよ。でもね、こうしてゆう君と電車に乗ってると……ちょっと懐かしい気分になる」


窓の光が彼女の横顔を照らす。その笑顔がまぶしすぎて、ゆうは思わず目を逸らした。胸の鼓動が速すぎて、息が詰まりそうになる。


のぞみ「でも……ゆう君。新学期まだなのに、どうしてわざわざ送ろうって思ったの?」


少し意地悪そうに問いかける声。その裏には、答えを待ちわびている少女の心が透けて見える。


ゆう「それは……」


言葉を探して、一瞬ためらったあと、真っ直ぐに彼女の瞳を見つめて口にした。


ゆう「僕にとっては、のぞみさんと一緒に過ごす時間が、いちばん大事だから」


一瞬で、のぞみの頬に朱が差す。

耳まで熱が広がり、胸の奥がふわりと揺れる。


のぞみ「……もう、そういうことをサラッと言わないでよ……恥ずかしいんだから」


視線を逸らしながら、彼女はそれでも嬉しそうに唇を噛み、ゆうの手をさらに強く握り返した。


ゆう「本当のことだから」


そのひとことに、のぞみの胸はじんと熱くなる。


のぞみ「……ゆう君が、そうやって真っ直ぐに気持ちを言ってくれるの、ほんとに……すごく嬉しい」


小さく呟いた声は、春の電車の揺れに溶けていく。

ゆうは思わず問い返した。


ゆう「え? 今、なんて?」


のぞみ「……ううん、なんでもない」


彼女は目を伏せて、長い睫毛の影を落とす。その仕草さえも愛おしくて、ゆうの胸はきゅっと締め付けられる。


どれほど好きなんだろう。

どれほど、この人と一緒にいたいと願っているんだろう。


ゆう「……のぞみさんが大学生になっても、僕は変わらず、ずっと一緒にいたい」


言葉にした瞬間、喉の奥が熱くなる。嘘じゃない。願いそのものだった。


のぞみは驚いたようにゆうを見つめ、それからそっと笑った。


のぞみ「……ゆう君。私もね、これからもずっと、ゆう君と一緒にいたいって思ってる」


二人の目がまっすぐに重なり合う。

電車の振動が心臓の鼓動と重なって、世界が二人だけのものになる。


ゆうは安心するように、のぞみの手をもう一度ぎゅっと強く握った。

のぞみも同じ力で握り返す。


変わらない電車の景色の中で、二人の気持ちだけが確実に、新しい季節へと進んでいくのだった。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「はぁ〜……もう、何なんよ……」


カナちゃん「ほんまになぁ!ゆう君、のぞみちゃんに甘えすぎやろ!!あの“送って行く”発言、完全に犬のお散歩についてくる子犬やん!」


なっちゃん「そうそう!“僕はのぞみさんと一緒にいたいんだよ”って……なんかね、もう、ちゅーる欲しがる猫くらい素直やけん!」


カナちゃん「やめてや!脳内で“ちゅーる〜”って歌流れてきてもたやん!いやでもわかるわ。のぞみちゃんが制服じゃなくて私服になった瞬間に“あれ?世界が違って見える”とか言い出すやん?あれもう恋バナ界の詩人やで!」


なっちゃん「しかも“のぞみさんが大学生になっても僕はずっと一緒にいたい”って……うわ〜〜〜甘えんぼにも程があるわ!」


カナちゃん「ほんまや!あれ言われたら、のぞみちゃんの心、バターみたいに溶けるわ。パンにじゅわぁ〜って染み込んで、戻られへん状態やで」


なっちゃん「うわ〜〜例えうまい!ほんまそう!もうパン粉になるまで吸い込まれとるわ!」


カナちゃん「それな!あの二人の会話、春の電車でイチャイチャする恋人あるあるやけど、ゆう君の“素直すぎて甘えすぎ”なとこ、ちょっと見てる方が照れ死にするで」


なっちゃん「ほんま、電車の中やけんね!他の乗客どう思うんよ……『朝からラブストーリー上映会か』ってなるわ!」


カナちゃん「なっとるなっとる!けどまあ、のぞみちゃんも結局めっちゃ嬉しそうやから……うちらが何言うても止まらんやろな」


なっちゃん「はぁ……もう若いっていいなぁ〜」


カナちゃん「ほんまそれ!」


——


カナちゃん「ほなここで、視聴者のみなさんからのはがきとコメント読んでこか!」


なっちゃん「お〜きたきた!」


カナちゃん「まずはXから。“のぞみちゃんとゆう君、もはや砂糖漬け。読んでるだけで虫歯になるわ”」


なっちゃん「わかる〜!甘すぎて歯医者通院案件やけん!」


カナちゃん「次。“私服ののぞみちゃん見た瞬間のゆう君、恋に落ちたっていうより転げ落ちてるよな”」


なっちゃん「もう崖から真っ逆さまやけん!落下スピード秒速100メートルやん!」


カナちゃん「“のぞみちゃんの『もう、しょうがないんだから』が、完全に結婚10年目の奥さんのトーンで笑った”」


なっちゃん「ほんまや!もう熟年夫婦の空気やったわ!新婚飛び越えてベテラン感!」


カナちゃん「次のはがき。“ゆう君の甘え方って、子犬と赤ちゃんのハイブリッドやと思う。抱っこせな泣くやつ”」


なっちゃん「ちょっと待って!それ最強に可愛いやん!でも実際そうよな、手ぇ繋いどかんと落ち着かん感じ出とるもん!」


カナちゃん「“甘えんぼっぷりに悶絶した!のぞみちゃんの返し方も優しすぎて、見守るお母さんやんか”」


なっちゃん「はぁ〜ほんまや……あれは恋人っていうより、母性で包んどる感じやったな」


カナちゃん「“電車=人生の比喩。変わらん景色の中で二人は進んでるってナレーション泣いた。けど甘えんぼすぎて笑った”」


なっちゃん「泣き笑いやん!電車の揺れに合わせて感情ぐらんぐらん揺さぶられとるやん!」


カナちゃん「ラスト。“のぞみちゃんが大学生でも変わらず一緒にいたいって……これもう春の桜より散ることのないセリフやで”」


なっちゃん「うわぁ〜……名言出たな。もう永久保存版やわ」


カナちゃん「はい、以上。みんな共感と悶絶のオンパレードでした!」


なっちゃん「ほんまやな!今日も甘えんぼゆう君、視聴者まで転がしとったわ〜」


カナちゃん「せやけど、のぞみちゃんの笑顔がある限り、甘えんぼでも許されんねんやろな!」


なっちゃん「そういうことよ〜!」

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