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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第三部-2章 ファンタジーランド
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夏美の追及

ファンタジーランド帰りの玄関


のぞみが玄関の扉を開けた瞬間、明るい声が弾けた。

「お姉ちゃ〜ん!おかえり〜!」


夏美が玄関に仁王立ちし、両手を腰に当てて待ち構えている。玄関の空気は、一気ににぎやかさで満たされた。


のぞみは一瞬ぎくりとして、思わず背中を硬直させた。

「……た、ただいま?」


声が少し上ずる。靴を脱ぐ手がもたつく。夏美のこのテンション。——まさか気付かれてる?いや、そんなはず……でも。


「ねぇねぇ、お姉ちゃん!」

夏美はスリッパをパタパタいわせながら近づいてきて、にやにや顔でのぞみに詰め寄る。

「今日はどこ行ってたの?」


のぞみは鞄の持ち手をぎゅっと握りしめ、視線を逸らした。

「えっ……べ、別に……普通に出かけてただけだけど?」


「ふぅ〜〜ん?」

夏美の目がじと〜っと細くなり、唇の端がにやりと持ち上がる。


「もしかしてぇ……ゆう君とデート?」


「っ!」

のぞみの心臓が跳ねた。耳まで真っ赤になる。


「な、なに言ってんの!?べ、別にそんなんじゃ——」


「じゃあ、どこ行ってたの?」

夏美は一歩も引かず、じりじりと追い詰めるように質問を重ねる。


「そ、それは……」


「言えないってことは、やっぱデートじゃん!」


「ち、ちが……!」


必死に否定しようとするが、顔は真っ赤、声は裏返り、態度は明らかに動揺している。


「ほら〜、お姉ちゃん、顔まっかっか!それにさ……なんかすっごく幸せそうなんだけど?」


「そ、そんなこと——!」


のぞみは必死に取り繕おうとするが、夏美の目はもうすべてを見透かしている。


「じゃあさ、今日は何してたの?」


長い沈黙。のぞみは口をパクパクさせて、やがて小さくため息をもらす。


「……ファンタジーランドに……行ってた」


「えっ、ほんと!?ゆう君と!?」


「……うん」


小さく頷いた瞬間、夏美の声が弾ける。

「きゃーーっ!!!」


その場で飛び跳ねる夏美。両手をパタパタ振って、まるでコンサート会場のファンのように興奮している。


「お姉ちゃん、ガチじゃん!それでそれで!?どんなデートだったの!?手つないだ!?キスは!?」


「ちょっ、ちょっと待って!?そ、そんなのまだ——」


のぞみの心の声。

(……手は繋いだけど……!)


「“まだ”ってことは、これからするってこと!?やだも〜〜お姉ちゃんたら〜!」


「ち、ちが……!」


顔を両手で覆って、ソファにバタンと倒れ込むのぞみ。肩まで真っ赤。


「……もう、夏美……からかわないでよ……」


「ごめんごめん!」

夏美は悪びれもせず、隣にちょこんと座り込む。

「でもなんかさ、めっちゃ嬉しそうだし!いいなぁ〜って思って!」


のぞみは指先で髪をくるくるといじりながら、恥ずかしそうにうつむく。


「だってね……お姉ちゃん、今まであんまり恋バナとかしなかったじゃん?こうやって楽しそうにしてるの見たら、私まで幸せになるよ」


のぞみは小さく笑った。照れくさそうに、それでいて心から温かさを覚える笑み。


「……ねえ、夏美」


「ん?」


「私ね……ほんとに、ゆう君のこと……好きなんだと思う」


その言葉がぽつりと落ちた瞬間、部屋の空気がふっと変わった。夏美の目が優しく細くなる。


「そっか……お姉ちゃんがそう思うなら、それでいいんじゃない?」


「……うん」


のぞみの声はかすかに震えている。でも、それは不安の震えじゃなくて、想いを確かに抱いているからこその震え。


「今日ね……改めて思ったの。ゆう君と一緒にいると、すっごく幸せなんだって」


夏美はニヤリと笑って、わざとおどける。

「ふふっ、やっぱデートだったんじゃん!」


「も、もうっ!」


のぞみは枕をつかんで夏美の肩をぽすっと叩いた。


「でもまあ……いいじゃん!ゆう君、すっごく真面目そうだし、お姉ちゃんも幸せそうだし!」


のぞみは静かにスマホを取り出す。画面には、今日のやりとりがそのまま残っている。メッセージの一つ一つが、まだ心臓を温めてくれる。


親指でゆっくりスクロールしながら、小さく唇が動いた。

「……ゆう君」


その呟きは、夏美にもしっかり届いていた。


夏美は微笑み、黙ってその姿を見守った。

お姉ちゃんが恋をしている。——それだけで、世界が少し眩しく見えた。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「ちょっと待ってや!今のシーン、出たよ出たよ!夏美ちゃんの追及!!これがこのドラマの醍醐味やん!!」


カナちゃん「ほんまやなっちゃん!追及の鬼やで!まるで国会答弁みたいに、のぞみちゃんをギリギリまで追い詰めていくんやもん!」


なっちゃん「わかるわかる!あの“ふぅ〜ん?”の間!あれで視聴者全員『あ、逃げられんやつや』って確信したけん!」


カナちゃん「もう、のぞみちゃんの顔まっかっかやったやん。あれ、ポットにお湯わかしたときに赤くなるスイッチぐらい、わかりやすいサインやったな」


なっちゃん「それな!で、“ファンタジーランド行った”って言った瞬間!夏美ちゃんの『きゃーーっ!』。あれ、オーディエンスの代弁者やけん!」


カナちゃん「完全に妹やのにファン代表。まるで家に一人公式実況者がおるみたいやな」


なっちゃん「ほんまそれよ。てか、“まだ”って言葉!あれ爆笑やろ!『まだ』ってなんなん!?って全国民が総ツッコミしたけん!」


カナちゃん「そうそう!“まだ”って言うのは、未来に“ある”こと前提やからな!そこ突っ込んだ夏美ちゃん、名探偵の再来やわ」


なっちゃん「出た!夏美ちゃんの名探偵モード!!」


カナちゃん「ほなここで、視聴者からのはがき紹介いこか!」


なっちゃん「きましたきました!まずは神奈川県のラジオネーム“観覧車の影から”さん!」


カナちゃん「名前からしてファンタジーランド常連やん」


なっちゃん「『夏美ちゃんの詰問シーン、わたしも昔妹にやられました。ちょっとした沈黙のあと“ふぅ〜ん”って言われると、もう逃げ場ないんですよね』やって」


カナちゃん「わかるーー!!“ふぅ〜ん”は地獄の入口やからな!返事を詰まらせた瞬間、追撃がくる。まるでモグラ叩きで一匹出たら百叩きされるみたいなもんや」


なっちゃん「まさに妹特有のセンサーやね。相手の心臓の動きを感じ取っとる」


カナちゃん「次いこか!東京都の“ポケットに手繋ぎチケット”さん」


なっちゃん「『“まだ”って言葉、私も言っちゃったことあります!結果、妹に大爆笑されました。のぞみちゃん、同志です!』やって」


カナちゃん「おぉ、仲間おった!全国の“まだ”族に勇気を与える発言やな!」


なっちゃん「“まだ”って言葉は恋する人間の口から自然と出る魔法の単語なんよ。未来の幸福を予告する、いわば“幸せ確定演出”やけん!」


カナちゃん「パチンコか!確変突入やな!」


なっちゃん「確変突入したのぞみちゃんとゆう君。もうここからは連チャンモード突入やけん!」


カナちゃん「はい次〜!大阪府の“ほっぺ真っ赤団”さん」


なっちゃん「『のぞみちゃんが両手で顔を覆ってソファに倒れ込むシーン、私も悶絶しました!あれは恋に落ちた人間にしかできない挙動です!』」


カナちゃん「ほんまそれ!あれ、心臓がドラムロール叩いとる状態やな。恋のBPM200超えてるで」


なっちゃん「そして倒れ込む姿がまた尊い。まるで“幸せに撃たれた天使”やけん!」


カナちゃん「ほら、コメント読むだけで悶絶してもうてるやん、うちら!」


なっちゃん「視聴者のみんなとシンクロしとるけん!この番組は、夏美ちゃんの追及と、のぞみちゃんの赤面と、ゆう君の純情が織りなす三重奏やけん!」


カナちゃん「ほんまやな!もう視聴者全員で膝から崩れ落ちてるで!」


なっちゃん「次の回も、追及劇に期待せんといかんね!」


カナちゃん「楽しみすぎるわ!」


——番組は笑いと共感と悶絶でいっぱいのまま、まだまだ続いていった。

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