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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第三部-2章 ファンタジーランド
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のぞみとゆう、ついに知り合う時

——スクリーンに映し出される映像は、ゆうにとって特別な一場面だった。

それは、ただの思い出ではなく、あの時の胸の震えと空気の匂いまで呼び覚ますような光景。


下校時の駅。夕方の光が差し込む西本山駅の階段。

映像の中で、ゆうが重い足取りで階段を上がっていく。その姿に、当時の自分の沈んだ心をまざまざと思い出してしまう。

のぞみが何日も突然姿を消した。あの数日がどれほど長く、色を失ったものだったか。


だが、階段の上に彼女がいた。

制服の裾を指でぎゅっと握りしめ、落ち着かない表情で辺りを見回しながら、けれど決してその場を離れずに立っていた。


のぞみ「……ゆう君」


小さく呟く声は、映像越しでもかすかに震えていた。

彼女の胸元には数字が浮かぶ。120。

心臓の音が聞こえてくるようだ。


うつむくその頬は赤く染まり、まるで隠したいのに隠しきれない想いが零れ落ちているようだった。


のぞみ「もう……ゆう君……来てくれた……」


スクリーンの中で、ゆうは顔を上げ、そこにいるのぞみに気付いた瞬間、足が止まった。

その心拍数は一気に跳ね上がり、150を指し示す。


のぞみ「……ゆう君、150って……」


言葉の端に驚きと、嬉しさと、少しの照れが混じっていた。

まるで「私を見つけたから、そんなに?」と問いかけているように。


ゆう「だって……本当にびっくりしたんだ……」


声は少し裏返り、息が追いつかない。

突然の再会に頭の中は真っ白で、心臓が自分の意思を裏切るように暴れている。


二人の間に気まずさなんてもう存在しなかった。

引き寄せられるように、自然と手と手が伸びていく。

ゆっくりと、指先が触れ合い、そしてしっかりと握り合った。


のぞみ「……ゆう君の手、あったかい……」


その言葉に、ゆうは何も返せなかった。ただ、彼女の手を握り返すことで、自分の全てを伝えようとした。

二人を包む空気は、これ以上ないほど優しく、穏やかで、そして熱かった。


その瞬間、映像を見ている二人も、言葉を失っていた。

スクリーンに映る過去の自分たちが、ようやく出会い、互いを確かめ合う瞬間を、ただ息を呑んで見守るしかなかった。


しかし——


コンコン、とドアを叩く音が響く。

「お客様〜、そろそろお時間でございます。お楽しみいただけましたでしょうか?」


突如現実に引き戻され、のぞみとゆうはビクリと肩を揺らした。

顔を見合わせ、慌てて平静を装う。

けれど頬の熱と、まだ握ったままの手はごまかしようがない。


本当は、このまま告白のシーンも確かめたかった。

あの大切な言葉を、もう一度一緒に聞きたかった。


けれどシアターの外に出ると、そこにはすでに長い行列が出来ていた。

名残惜しさに振り返りながら、二人は目を合わせて小さく笑う。


「また今度……」

その言葉は、約束のように響いた。


外は夕方のオレンジに染まり、ファンタジーランドの光が淡く灯り始めていた。

手を繋いだまま歩き出す二人の影は、寄り添うように伸びていく。


胸の奥に、またひとつ、大切な思い出を刻みながら。


——こうして、のぞみとゆうは更に強く惹かれ合い、ファンタジーランドを後にしたのだった。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「も、も〜〜〜う!なんなんよこれぇ!!あまっ!あまいんよぉ!!砂糖袋ひっくり返したんかってくらい甘いわぁ!」


カナちゃん「いやほんまやで!砂糖どころか、練乳かけて蜂蜜かけて、さらにマシュマロ焼いて乗せたレベルや!うち見てて歯ぁ溶けそうやったもん!」


なっちゃん「のぞみちゃん、心拍数120て!も〜待っとる間ずっとドキドキしよんやん!あれ、あたしがゆう君やったら、その時点でもう昇天しとるわ!」


カナちゃん「しかもやで!?ゆう君がのぞみちゃん見つけた瞬間、心拍数150やで!?なんやねんそれ、心臓ピョーンて飛び出すレベルや!」


なっちゃん「そんで“だってほんとにびっくりしたんだ”て……も〜〜あんた!言い訳が純情すぎるやろ!かわいすぎて膝から崩れ落ちたわ!」


カナちゃん「で、自然に手ぇ握り合うんやろ?自然に、やで!?誰が脚本書いたん!?いや脚本なんかないんやけどさ、現実が少女漫画すぎるんや!」


なっちゃん「もうなんなんよこれ!甘すぎるって!!」


カナちゃん「えー!もう思い出シアター終わりなん?ってほんま叫びそうやったわ!他のシーンもやってや!!あかん、うちこのままスクリーン突入して他のシーンの再生ボタン押したかった!」


なっちゃん「のぞみちゃんとゆう君、ほんまに“出会い”が奇跡のシーンやったね。見とるこっちまで心臓ドコドコ鳴っとったわ!」


カナちゃん「せやせや!視聴者のみんなもそうやろ?ほな、今日もお便りとXのコメント読んでこか!」


なっちゃん「ほいじゃ、一枚目。ラジオネーム“恋バナに弱いアラサー女子”さん」


(はがき朗読)

「のぞみちゃんとゆう君、あの手を握る瞬間……私の心拍数も150でした。通勤電車で聴いてたのに、声が漏れて変な人みたいになりました」


カナちゃん「わかるわ〜!自分の心臓が太鼓みたいになるよな!ドンドコドンドコや!」


なっちゃん「うんうん!もう気持ちは手拍子どころか太鼓隊やね!」


カナちゃん「ほな次、Xのポスト。ユーザー“@ドキドキ止まらん”さん」


(コメント朗読)

「彼女が待ってる階段のシーン、まるで映画館のスクリーン飛び越えて自分がその場に立ってる気持ちでした。涙腺崩壊」


なっちゃん「そんなん言われたら、こっちまでまた泣けてくるやん!わかるよな!のぞみちゃんの指先が小刻みに震えてるとこなんか特に!」


カナちゃん「わかるー!あれは心の震えそのものやで!まるで風鈴が夕方の風に揺れてチリンチリン鳴ってるみたいな、繊細さ!」


なっちゃん「続いて、ラジオネーム“片思い中の高校生”さん」


(はがき朗読)

「自分も好きな子に声かけられなくて悩んでます。でも、のぞみちゃんみたいに勇気出したら、もしかして未来が変わるのかなって思いました」


カナちゃん「もう!この番組、人生変えるやん!勇気のスイッチ入れるシアターや!」


なっちゃん「そうそう!のぞみちゃんの“ゆう君”って呼ぶ一言に、百万ボルトの勇気が詰まっとるんよ!」


カナちゃん「ラストいこか!Xのユーザー“@蜂蜜より甘い”さん」


(コメント朗読)

「終わった後の『また今度…』って約束の声、もう心臓キュッて締め付けられました。夕暮れの二人の影が寄り添うのが、恋そのものでした」


なっちゃん「ほんまや〜!夕焼けの影って、二人の未来を示しとるみたいで、尊すぎるんよ!」


カナちゃん「うちは見てて、もう胸が砂糖漬けの果物みたいになったわ。甘さに埋もれて呼吸困難や!」


なっちゃん「もうのぞみちゃんとゆう君、罪やわ〜!見てる人間全員とろけさせて、立ち上がれんようにしとるんよ!」


カナちゃん「ほんまそれ!この後のシーン見られへんのが悔しいけど……逆に続きは次のお楽しみってとこやな!」


なっちゃん「ほいじゃ今日はこのへんで!次回も砂糖の海に溺れる覚悟で待っとってよ!」


カナちゃん「甘さの耐久レース、次も一緒に走ろな!」


——スタジオには、二人の笑い声と、まだ冷めない甘さの余韻が漂っていた。

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