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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第三部-2章 ファンタジーランド
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のぞみがゆうを意識し始めた頃

「……よし、次のタイトルを見てみようよ」

ゆうは少し胸を高鳴らせながらリモコンを手に取った。画面に浮かび上がった文字列を目にした瞬間、息を呑む。


“のぞみがゆうを意識し始めたころ”


「えっ……? のぞみさん、僕のこと意識してたってこと……?」

驚き混じりの声が思わずこぼれる。ゆうは半信半疑の表情のまま横を振り向く。


のぞみは「うっ……」と喉を詰まらせ、視線を逸らした。頬がうっすら桜色に染まっていく。慌ててリモコンの画面を指差す。

「そ、それより……ほら! 早く再生してみようよ!」


普段は落ち着いているのぞみが、今はあからさまに焦っている。その様子にゆうはニヤリと笑みを浮かべ、わざとゆっくりと再生ボタンを押した。


——映し出されたのは、電車の中。つり革につかまるゆうの方をちらちらと覗き見る、ドア付近に立つのぞみの姿。

画面の中の彼女は、まるで誰かに気づかれたくないのに目を離せない、そんな葛藤に揺れているようだった。


「え、これ……」

ゆうは言葉を失い、ただ見つめる。

のぞみは耐えられず、両手を膝の上で握ったり開いたり、指先をもじもじと動かしていた。顔がますます赤くなる。


ふとリモコンのボタンに目が止まる。“bpm”。なんだこれ?と押してみると、画面に♡マークと共に「90」の数字が浮かび上がった。


「……っ!?」

ゆうの心臓が一瞬止まりそうになる。


(ま、まさか……これ、その時の心拍数が出るってこと……? じゃあ、この90って……のぞみさん……?)


試しに自分の方を表示させると「60」と表示された。落ち着いた数値。だが隣にいるのぞみの数値は確かに「90」と踊っている。


(は、速い……。ってことは、僕のことを見ながら、こんなにドキドキしてたってこと……?)


画面が最初のシーンに戻される。最初はどちらも「60」。そこから、のぞみがちらちらと自分を見始めると数字が跳ね上がっていく。


「……」

ゆうは驚きと嬉しさに、思わず声を出しそうになった。喉の奥で言葉がせり上がる。


「の、のぞみさん……これって……」

なんとか口にした時、のぞみは真っ赤な顔をさらに両手で覆い隠していた。


「ち、違うの! これは……その……ちょっと……!」

必死に言葉を探すが、どれも声にならない。目元まで覆った手の隙間から、熱が漏れ出しているようだった。


ゆうはそんな彼女を見て、自然と笑みがこぼれる。

「……いや、でもさ。僕、すごく嬉しいよ」


のぞみは指の隙間からこちらを覗く。潤んだ瞳が揺れている。

「う、嬉しいって……」


「だって、こんな風に……のぞみさんが僕を特別に思ってくれた瞬間が、数字で分かるなんて……。こんな奇跡みたいなこと、ある?」


言葉の一つ一つに嘘はない。素直な心の声だった。

のぞみはぐっと唇を噛み、小さく呟いた。


「……ゆう君、意地悪」


その声音には拗ねた響きと、甘えるような響きが同居していた。

のぞみはゆっくりと手を下ろし、そのまま照れ隠しのように、ゆうの腕に身体を寄せてきた。頬の熱が、直接伝わってくる。


「ごめん、ごめん。でもね……本当に嬉しいんだ。のぞみさんが僕を好きになってくれた瞬間が、こんなにはっきり分かるなんて」


「もう……バカ……」

小さな声が震えている。彼女はさらに強くゆうの腕にしがみつき、顔を胸元に埋めるようにしてしまった。


ゆうはただ黙って受け止める。

彼女の鼓動が、すぐ隣で確かに早く打っている。自分の心臓もまた、追いつくように速まっていく。


二人の間にはもう、言葉はいらなかった。

響いていたのは、お互いの心臓の鼓動だけ。

温かな沈黙に包まれたまま、時がゆっくりと流れていった——。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「ちょ、ちょ、ちょ!カナちゃん、見た!?見た!?えらいもん見せられたわ、これ!」


カナちゃん「見た見た見たぁぁ!なにあれ!意外すぎるやん!のぞみちゃんの方が先にゆう君意識してたんやで!?たまらんて!!」


なっちゃん「ほんまよ!だって心拍数やで!?bpm90て!ゆう君が60やのに、のぞみちゃんドキドキしすぎやろ!」


カナちゃん「そんなん心臓、祭りの太鼓やん!ドンドコドンドコ打ってたんやろな!のぞみちゃん、視線ちらちらであの数字出るとか、もう隠されへん気持ちやん!」


なっちゃん「いやぁ、ほんまに……これ数字で証明されるとか、もはや科学的に恋が立証されました!って感じよ!」


カナちゃん「わかるわ〜!なんかさ、恋心ってふわっとしたもんやと思ってたけど、まさか数字で叩きつけられるとは思わんかった!」


なっちゃん「んで、ゆう君がまたニヤリとしとるがね。こりゃ意地悪よ、ほんま!」


カナちゃん「でもあれはニヤリするしかないって!だって“好きになってくれた瞬間が分かる”て……ゆう君、ズルいくらい真っ直ぐやん!」


なっちゃん「ほんまや……のぞみちゃん、両手で顔覆ってモジモジしとる姿、かわいすぎて悶絶もんよ。うち、画面に飛び込んで抱きしめたなるわ」


カナちゃん「なっちゃん、それストーカーやん(笑)!」


なっちゃん「違うんよ!応援や応援!心拍数90に寄り添いたいんよ!」


カナちゃん「もうな、二人で“意識してたんやなあ”って確認し合ってるあの空気、砂糖小袋100個ぶちまけたみたいに甘いわ!」


なっちゃん「うちはマシュマロ風呂に沈められた気分よ……あぁ溺れる〜!」


カナちゃん「こっちは綿菓子工場爆発や!甘さで窒息するレベルやで!」


なっちゃん「……はぁ、たまらんねぇ」


カナちゃん「さてさて、ここでや!視聴者からのコメント紹介いこか!」


なっちゃん「きたきた!えっと……まずは“ラジオネーム:砂糖切らした主婦”さん」

『心拍数90ののぞみちゃん、わたしまでドキドキして砂糖買いに走りそうになりました!』


カナちゃん「おもろ!恋の代用品に砂糖買うな(笑)」


なっちゃん「いや、わかるんよ。甘さ足りんくなるんよな!」


カナちゃん「次はXから!ユーザー“@tokimeki_lover”」

『数字で恋心バレるとか、恋愛検知器ほしい!』


なっちゃん「そんなんあったら世の中パニックよ!好きな人の前でピーーーーって鳴りよるがね!」


カナちゃん「ほんまや!“あんた好きなんやろ”って一発でバレるな(笑)」


なっちゃん「続いて“ラジオネーム:胸キュン過呼吸”さん」

『心臓がゆう君とのぞみちゃんにシンクロして、わたしまで息苦しい!』


カナちゃん「いや〜わかるわぁ!画面の外で過呼吸起こすレベルやもんな」


なっちゃん「わかるわ!うちも息吸うの忘れよったもん。酸素不足や!」


カナちゃん「はい次!“@renai_dokidoki”」

『90って数字見ただけで、もう私の心臓200いった』


なっちゃん「そりゃ倒れるわ(笑)」


カナちゃん「けど共感するなぁ。人の恋見ると自分まで心拍上がるんや!」


なっちゃん「恋の伝染病やね!数字で測ったらスタジオ全員90超えとるわ!」


カナちゃん「ほんまや!今ここ全員、恋の体育祭や!心臓マラソン状態!」


なっちゃん「やばい……カナちゃん、悶絶しすぎて涙出てきたわ」


カナちゃん「うちもや!なんやろ……恋って、こんなに可愛くて、こんなに暴力的に甘いんやなぁ!」


なっちゃん「ゆう君とのぞみちゃん、これ以上どうなるんやろ……次が怖いけど楽しみや!」


カナちゃん「ほんまや!もうあかん……うちら、心臓持つんかな!?」


なっちゃん「持たんけど見る!死ぬまで見届けるんよ!」


カナちゃん「のぞみちゃん!ゆう君!うちら、永久に悶絶応援団やで!!!」

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