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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第三部-2章 ファンタジーランド
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二人だけの夢の味

次のライドを待つ列。ざわざわとした人々の声や、遠くから響いてくるジェットコースターの悲鳴が背景に流れていた。夏の日差しがじりじりと降り注ぎ、並ぶ二人の影が足元で寄り添うように重なっている。


のぞみは、ふと横を見た。少し緊張したような顔で前を向いているゆう。その頬がほんのり赤く染まっているのに気づいて、自然と首をかしげる。


のぞみ「ねえ、ゆう君、なんか顔赤いよ? 暑いのかな? それとも緊張してる?」


ゆうは、不意を突かれたように大きく目を瞬いた。視線が泳ぐ。のぞみの髪から漂う甘いシャンプーの香りが、さらに彼を追い詰める。


ゆう「えっ、そ、そうかな? いや……ほら、日差しが強いから……たぶん、そのせい……」


声がわずかに裏返る。自分でもごまかしが下手だと分かっている。だが、のぞみの目がまっすぐで逃げ場を与えてくれない。


のぞみは数秒じっと彼を見つめ、次の瞬間ふわりと口元をほころばせた。


のぞみ「ふふ……そうなんだ? でもね、疲れたらちゃんと言ってよ? 私が守ってあげるから」


その言葉に合わせて、のぞみは自然に彼の手を握った。温かくてやわらかな感触が、指先から胸の奥へと広がっていく。


ゆうの鼓動が一気に速くなる。


ゆう(……やばい。僕が甘えるつもりだったのに……気づけば完全に甘やかされてる……でも……嬉しい……)


思わず、彼はのぞみの手を強く握り返した。その反応を感じ取って、のぞみもまた少しだけ強く、彼の手を包み込む。


その後、昼食の時間。フードコートの隅の席。二人は並んで腰を下ろし、トレーには同じハンバーガーと、大きなドリンクが一つ。


包み紙を開け、同時にかぶりつくと、ふたりして顔を見合わせて笑った。たわいのないことなのに、妙に特別に感じられる。


のぞみ「同じの頼んじゃったね。やっぱり気が合うんだ」


ゆう「……そうだね。なんか、すごく嬉しい」


心臓の高鳴りを抑えようとしても無理だった。数か月前、電車の中で彼女を遠くから見ていた頃、こんな光景をどれだけ夢に描いたことか。のぞみと並んで食べて、同じ飲み物を分け合って……。


そして、その夢が今、目の前で現実になっている。


ストローが二本刺さったドリンクを前に、ゆうは少し戸惑いながらストローを口に含む。冷たい甘さが喉を滑っていく。そのとき、不意に視線がぶつかった。


のぞみも同じようにストローを咥え、目を細めて笑っていた。唇の端に浮かぶ微笑みが、どこまでも柔らかく、そして愛おしい。


のぞみ「ねえ、ゆう君」


ゆう「ん? なに?」


ストローを咥えたままのぞみは、少し恥ずかしそうに視線を揺らした。


のぞみ「私ね……これ、ずっとやってみたかったの」


ゆう「……え?」


胸が高鳴る。言葉の意味を理解するのに、一瞬時間がかかった。


のぞみは照れたように笑いながら続ける。


のぞみ「まだゆう君と知り合う前から……電車で見かけてたときから、なんとなく思ってたの。いつか、ゆう君とこんな風に飲んでみたいなって」


その告白は、ゆうの胸を直撃した。


ゆう「……のぞみさんも、そんな風に……?」


のぞみ「うん。最初は、ただの夢みたいだった。叶わない想像だって、自分でも思ってたの。でも……ゆう君とお話するようになってから、だんだんそれが夢じゃなくなっていったの。ああ、この人と一緒にやるんだって、確信に変わっていった」


頬を赤らめながら、それでもまっすぐに伝えるのぞみ。


のぞみ「だから、今日こうして一緒に飲めて……すごく嬉しい」


もう、ゆうは完全に彼女に心を奪われていた。言葉にできない想いが胸の奥で渦を巻く。


ゆう「……のぞみさん」


彼はその場で、のぞみの手を強く握った。のぞみも、少し驚いたように瞬きをしたあと、すぐに優しく握り返してくる。


ゆう(同じ夢を見てたんだ……僕たちは、出会う前からずっと、心でつながってたんだ……)


その確信に、胸が熱くなる。二人だけの時間は、世界の雑音をすべて遮り、ただ静かに甘く続いていた。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「はぁぁ……ちょ、ちょっと待ってやカナちゃん……わしら、完全にとけとるがね……」


カナちゃん「ほんまやで!どろどろや!もう机からズルズル落ちてまうぐらいとけとるわ!せやけどな、これだけは言わせて!うちら、バブルスライムちゃうで!!」


なっちゃん「ほんでほんで!」


カナちゃん「のぞみちゃんとゆう君の、この甘やかし甘やかされのやり取りにやられてもうて、とろけとんねん!!」


なっちゃん「わし、もう頭のてっぺんから足の先まで、砂糖水で煮込まれとるような感じやわ……“疲れたら私が守ってあげる”とか言われてみいや?そりゃ、ゆう君も心臓バクバク言うわな」


カナちゃん「なっちゃん、わたしやったら即倒れて救護室行きやわ。“守ってあげる”やなくて“あんたが私の生命維持装置や!”って宣言してまいそう」


なっちゃん「ストロー二本のドリンク飲みよるとこも、やばいな。あんなん夢の中やんか……」


カナちゃん「わかる!あれはな、恋愛ドラマのクライマックスや。キスする前のカウントダウン始まってるBGM流れてんねん。ストロー吸うたびに心臓ギュルルル~ってなっとるわ」


なっちゃん「ふふ……“私ね、これずっとやってみたかったの”て、のぞみちゃんが告白してもうたやん。ゆう君、心臓ドラム缶叩いとるくらい鳴っとったやろな」


カナちゃん「いやあれはドラム缶やのうて、花火大会や!ドンドンドンドンって打ち上がっとんねん!しかも同じ夢見とったって……ちょ、なっちゃん、聞いた?あれ共鳴してるやつやで!共鳴!!」


なっちゃん「もう宇宙規模やろ……電車で出会う前から、目と目だけで同じ未来描いとったんやもん……。あんなの聞かされたら、わしら地面に染み込む水や」


カナちゃん「やばい、ほんまにバブルスライムどころやないな。うちら、床暖房に置かれたアイスや。じゅわぁ~って消えてなくなる寸前や」


なっちゃん「うわぁぁ……わしもう喋られんぐらいとけた……」


カナちゃん「けどなっちゃん、視聴者からめっちゃはがきとXのコメント来とるねん。うちらだけちゃうで、みんな床で転がっとる」


なっちゃん「おお、読もや読もや!」


カナちゃん「ラジオネーム“ストロー二本に嫉妬するOL”さんから……“職場で聴いてるのに、ニヤニヤが止まりません。上司に見られたら終わりです。責任取ってください”」


なっちゃん「責任取れん!これはもう、のぞみちゃんとゆう君が悪い!あんたら、全国に嫉妬OL増やしとるけん!」


カナちゃん「次!“青春の亡霊”さん。“二人でハンバーガー食べて笑い合うのを聞いた瞬間、自分の高校時代がフラッシュバックしました。今は冷凍チャーハン食べてます。涙出ました”」


なっちゃん「なんやその落差!けど分かるわ……のぞみちゃんとゆう君の場面見たら、自分の過去と今を比べて泣けてくるんよ……」


カナちゃん「ほなXの方も!“#二人でドリンクシェアとか尊すぎる”“#ストローの向こう側は天国”“#守ってあげる発言で粉砕された”」


なっちゃん「粉砕て!みんなとけるどころか、砕け散っとるがね!」


カナちゃん「わたしらも一緒や。ほんまにあの二人、無自覚に人類破壊兵器やで」


なっちゃん「甘すぎて、砂糖工場が閉鎖になるレベルやな……」


カナちゃん「もうこれ以上とけたら、うちら存在なくなるけど、それでもええかなって思えるくらい幸せや」


なっちゃん「うん……わしら今、とろけすぎてカーペットに吸収されとるけん……でも幸せやわ……」


カナちゃん「のぞみちゃん、ゆう君……あんたらの夢のお裾分けで、今日もわたしら全滅や!」


なっちゃん「うちらが再生できるかは……知らんけどな……」


カナちゃん「もうバブルスライムどころか、空気や……」

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