表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第三部-1章 のぞみの卒業 新しい日常へ
65/493

ゆうからの誘い

ゆう「……あのさ、のぞみさん。春休みだし……今度の土曜日、一緒に出かけない?」


自分の声が少し上ずっていた。言い終えた瞬間、静かな沈黙がスマホ越しに流れる。受話口からはのぞみの呼吸の気配だけが届き、ゆうの心臓は痛いほどに跳ねた。


のぞみ「……え? ゆう君からのお誘いなんて、これが初めてじゃない?」


思いがけない言葉に、ゆうは息をのむ。確かに、これまではのぞみの方から勇気を出して誘ってくれることが多かった。だからこそ、今日だけは自分の方から言いたかったのだ。


ゆう「え、そうかな……? でも、いつものぞみさんに誘ってもらってばかりだから……今度は僕からって思ってたんだ」


その正直な声に、スマホの向こうから、ふっと小さな笑い声が聞こえる。柔らかくて、胸を温かく包み込むような響き。


のぞみ「ふふっ……なんか嬉しいな。うん、もちろん行くよ!」


その即答に、ゆうは全身の力が一気に抜けそうになった。心の中で思わず「よかった……!」と叫んでしまう。


ゆう「ほんとに? やった……!」


のぞみ「で、どこに行くの?」


一番大事な問いがきた。ゆうの胸はざわめき、手のひらに汗がにじむ。実は、もう何週間も前から考えていた場所がある。妄想の中で何度も二人で歩いた場所――テーマパーク“ファンタジーランド”。


その広い園内を歩きながら、年上ののぞみに甘えてみたかった。絶叫系のアトラクションで怖がるふりをして、そっと手を握らせてもらいたかった。人混みの中で肩を寄せ合いながら並びたかった。――でも、それを露骨に伝えられるはずがない。あくまで自然に。気付かれないように。


ゆう「えっと……それは……」


言葉が喉に詰まりかける。けれど、勇気を振り絞るように、ついに切り出した。


ゆう「ファ、ファンタジーランドに……行かない?」


言った瞬間、自分でも赤面しそうになった。けれど、返ってきたのは意外な反応だった。


のぞみ「……ファンタジーランド!?」


驚き混じりの声。その一瞬に冷や汗が流れる。だが、すぐに弾けるような笑い声に変わった。


のぞみ「いいじゃん、それ! すっごく楽しそう!」


声が弾んでいる。目を輝かせているのが電話越しにもわかるようで、ゆうの胸は熱くなった。


ゆう「ほんと? よかった……!」


のぞみ「でもさ、ゆう君が“ファンタジーランド”を選ぶなんて、ちょっと意外かも」


その言葉に、心の奥で警報が鳴る。危ない、このままでは作戦がバレる――。


ゆう(やばい……落ち着け、自然に振る舞うんだ……!)


口元を必死に整えて、さらりと答えを紡ぐ。


ゆう「うん、のぞみさんと一緒なら、どこへ行っても楽しいと思うんだ。でもせっかくなら、特別な思い出を作れる場所がいいなって」


自分でも驚くほど素直な言葉が出た。少しの間があって、のぞみが照れくさそうに返してくる。


のぞみ「……そんなふうに言われたら……余計に楽しみになっちゃうじゃん」


声が甘く揺れて、息が詰まりそうになる。スマホを握る指に力がこもり、胸の奥で大きなガッツポーズをする。これなら大丈夫。作戦は成功する。のぞみに気付かれず、自然に甘える一日が待っている。


ゆう「じゃあ、土曜日は朝から行こう! 一日中、思いっきり楽しもうね」


のぞみ「うん……楽しみにしてる!」


その一言に、未来の景色が一気に広がっていく。光に満ちた園内を並んで歩く姿、笑い合いながら乗るアトラクション、夜のイルミネーションに照らされる彼女の横顔――。


通話を切ったあとも、ゆうはスマホを胸に抱きしめたまましばらく動けなかった。夢のようなデートが、現実に近づいてきている。想像するだけで胸がいっぱいになり、もう眠れそうになかった。


こうして、二人の“ファンタジーランドデート”が決まった。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「もう、なんやねんこれ……ゆう君、下心ダダ漏れやんか!」


カナちゃん「ほんまやで!“ファンタジーランド”って、表向きは夢と魔法の国やのに、中身は“のぞみちゃんに思いっきり甘えたいランド”やんか!」


なっちゃん「わはは!ほんまそれ!もう、ゆう君の胸のうち、ぜーんぶバレバレやがね。観覧車で手つなぐ妄想とか、絶叫マシンで怖がるフリしてのぞみちゃんにしがみつくんやろ?」


カナちゃん「せやせや!まるでコットンキャンディ買って、『あ〜怖いわ〜』言うてのぞみちゃんの腕に絡みつくゆう君、見えたもん。頭の中ピンク色やな!」


なっちゃん「でもなあ……もう二人恋人やけん、それも可愛いんよな。なんか、必死に隠そうとしとるんが逆に初々しいわぁ」


カナちゃん「わかるわ〜!“危ない、バレる!”って自分で言うてるのに、もうナレーションで思考ダダ漏れやもんな。あれ読んだら、こっちまで笑い止まらんかったわ」


なっちゃん「のぞみちゃんもな、ちゃんと気付いとるよ。『え〜意外!』って言いながらニヤニヤしとったはずやけん」


カナちゃん「そやろな!あれはもう“女子の余裕”や。『ゆう君、わかりやすいわ〜』って心の中でツッコんどるんちゃう?」


なっちゃん「ほんま、二人のやりとりが青春ど真ん中やね。なんか、教科書広げとるくせに全然勉強頭入っとらんゆう君が、可愛いんよ」


カナちゃん「せやな。机の上は数学、頭ん中はファンタジーランドってな!」


――ここで番組は恒例、視聴者からのお便りコーナーへ。


カナちゃん「ほな、まずはX(旧Twitter)からいこか。“#なつカナレビュー”でめっちゃ来てるで」


なっちゃん「おお、すごいね!えーっと……『ゆう君の“自然に振る舞わなきゃ”のとこ、完全に挙動不審の男子やった。犬が骨隠そうとして余計に目立ってるみたいで笑った』」


カナちゃん「わははは!骨隠す犬って!でも的確やわ〜!ほんまバレバレやったもんな」


なっちゃん「次いくよ。『のぞみちゃんの“余計に楽しみになっちゃうじゃん”で、こっちが床転げ回った。甘すぎて砂糖袋ぶちまけたレベル』」


カナちゃん「おー!砂糖袋!もう甘さの洪水やな。しかも視聴者さんも床ダイブして悶絶しとるんや、仲間仲間!」


なっちゃん「ほらこれ!『ファンタジーランドって聞いた瞬間ののぞみちゃんの反応、“え!?”って声裏返ったの可愛すぎ。完全に乙女心くすぐられとる』」


カナちゃん「ほんまやな。あれは乙女の“よっしゃきた!”が隠しきれてへんかったわ」


なっちゃん「ラスト一枚いこか。“高校生カップルの土曜日=世界で一番尊い日程。電車より混むテーマパークより、二人の心臓が一番満員電車やろ”」


カナちゃん「うわ〜!名言出たな!“心臓が満員電車”!ほんまにそうやわ!ドキドキで押し潰されそうなんやろなぁ」


なっちゃん「いや〜今回も笑って悶えて、砂糖まみれの放送やったね」


カナちゃん「うん。もう次回は、ファンタジーランド当日の様子やな。こっちが恥ずかしなってテレビの前で座り直すレベルの青春、期待してまっせ!」


なっちゃん「みんな、心臓のスペース確保しとってね〜」


カナちゃん「せやで!押し潰されんようにな!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後までお読みいただきありがとうございました! ブクマ・ポイント評価お願いしまします!

私の作っている他の作品もお読みください!

クズ人間シンジの成り上がり人生 ~ボロ車でポリ袋10袋のアレを運び、美女二人と事業を起こす逆転人生

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ