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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第二部-2章 のぞみ視点 新しい景色
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今度手を離そうとしたら、許さないんだから(のぞみ視点)

まだ朝の冷気が肌を刺すように残る西元山駅のホーム。人の気配はまばらで、ホームを包む静けさは二人だけの特別な世界を守っているようだった。ベンチに腰かけたのぞみは、寄り添うように隣に座るゆうの手をそっと握りしめていた。その掌から伝わる温もりは、夢の中で感じたものと寸分違わず、現実の証としてのぞみの胸を熱くしていた。


のぞみ心の声 ゆう君と、こうしてるだけで幸せ……時間が止まってほしい。


だが、無情にも駅に響き渡るアナウンスがその願いを断ち切る。

「まもなく、七時十五分発、難法行き急行が参ります――」


静かなホームに流れる声が、二人の時間の終わりを告げていた。


電車のヘッドライトが遠くから近づき、ゴトゴトとした音がホーム全体を揺らす。二人の視線は自然と電車へと引き寄せられ、やがて目の前でブレーキ音を響かせながら停車する。


ドアが開いた瞬間、ゆうの手が少し動いた。彼はためらうように、握っていた指を離そうとする。


のぞみ(小声で) ……え?どうして?……なんで離そうとするの?


その想いに突き動かされるように、のぞみは離れかけたゆうの手を強く握り返す。驚きの表情を浮かべるゆうを、のぞみは拗ねたような視線で見上げた。


のぞみ心の声「……ダメ。まだ離れたくないの」


ゆう「……ご、ごめん。でも……」


頬を赤らめながら、それでも真剣な声で訴える。ゆうは一瞬戸惑ったが、すぐに表情を柔らかく変え、のぞみの手を改めてぎゅっと握り返した。その力は優しさに満ちていて、のぞみの胸の奥を温かく包み込んでいく。


その言葉に、のぞみの心臓が大きく跳ねた。


二人はそのまま乗り込み、並んで座席に腰を下ろす。窓の外を過ぎていく景色よりも、窓ガラスに映る互いの顔ばかりを見つめ合った。指先の熱が確かに繋がっていて、それはどんな言葉よりも強く、互いの気持ちを確かめさせてくれる。


難法駅に到着。ホームに降り立つと、右と左、違う改札口へと進まなければならない。別れの瞬間が近づくにつれ、のぞみの胸は締めつけられるように痛む。


のぞみ「……LINEするからね!」


振り返りざま、少し明るく言ってみせた。その笑顔の奥には名残惜しさがにじんでいる。


ゆうは短く頷き、同じく笑みを浮かべた。


二人は別々の方向へと歩き出す。のぞみは数歩進んだところで、思わず足を止めた。心にあふれる気持ちを、どうしても伝えたくなってスマホを取り出す。指先は少し震えながらも迷いなく文字を打ち込んでいた。


「今度手を離そうとしたら、許さないんだから」


最後に、あかんべーの顔文字を添えて送信ボタンを押す。


のぞみ心の声 ……ゆう君、どんな顔して読むのかな?私が本気で怒ってるって思わないよね?


胸を高鳴らせて画面を見つめていると、驚くほど早く既読がつき、返信が返ってきた。


『ごめんね、のぞみさん。でもすごく嬉しかった。ずっと離さないから。』


その一文を目にした瞬間、のぞみの瞳が潤む。


のぞみ心の声 ゆう君……大好き。


胸いっぱいに広がる幸せを抱えたまま、のぞみは学校へと足を向けた。


教室に入ると、すぐに親友の優子が駆け寄ってきた。


優子「のぞみ!おはよ。なんか顔赤くない?……え、まさか朝から何かあった?」


問いかけられ、のぞみは少し躊躇いながらも、ゆうとの出来事を打ち明ける。夢の続きを語るように、一つひとつの瞬間を大切に話すと、優子は最初きょとんとした顔をしていたが、すぐに口元が緩み、やがてニヤニヤが止まらなくなった。


優子「え、ちょっと待ってよのぞみ!やばすぎるんだけどそれ!もう完全に小説だし、ドラマ超えてるよ!」


のぞみ「もう、優子!大げさに言わないで!」


そう言って軽く優子の肩を押すが、彼女は止まらない。


優子「それで?それで?ゆう君、手を繋いでるとき、どんな顔してたの?」


のぞみは頬を赤く染め、少し俯きながらも正直に答えた。


のぞみ「最初はちょっと驚いた顔してた。でも、私が強く握ったら……ゆう君も、すごく優しく握り返してくれて……安心できる温かさだったの」


その言葉を聞いた瞬間、優子は小さく叫び声を上げて飛び跳ねた。


優子「きゃーーーっ!!!何それ何それ!最高すぎるんだけど!もうさ、それってほとんど付き合ってるのと同じじゃん!」


のぞみ「ち、違うってば!まだちゃんと、そういう話はしてないんだし……」


優子「え、じゃあいつ言うの?のぞみはさ、本当はゆう君とどうなりたいの?」


真剣な瞳で問われ、のぞみは一瞬言葉を失う。しかし、胸の奥にある答えはとっくに決まっている。


のぞみ心の声 私は、ゆう君と――。


けれど同時に、進学の不安がのぞみの心に影を落とした。関東の大学へ進めば、もうあと一ヶ月あまりしか彼の隣にいられない。遠距離になれば、やがて疎遠になってしまうかもしれない――そんな未来を考えると怖かった。


のぞみは曇った表情のまま、胸の内を優子に吐き出す。すると彼女は真剣に耳を傾け、少し間を置いてから静かに言った。


優子「うん……そうなんだね。でもさ、のぞみ。やっぱり自分が一番後悔しない道を選ぶのがいいんだと思う。“もし”とか“その先”のことを考えるのも大事だけど、そればっかりに囚われて動けなくなるのは違うよ」


のぞみはハッとする。自分はまだ始まってもいないのに、終わりのことばかりを気にして立ち止まっていた。


優子「まずは“今”を大事にしなよ。せっかくこんなに好きになれる人と出会えたんだからさ」


その言葉が胸に深く響き、のぞみは少しずつ笑顔を取り戻していく。


のぞみ「……うん。ありがとう、優子。なんか、気持ちが軽くなった」


優子「よし!それでこそ私の親友!元気出たら背中叩いちゃうぞー!」


勢いよく背中をバンバン叩かれて、のぞみは思わず笑い声をこぼした。


その笑顔の奥で、のぞみの心は新しい決意を少しずつ芽生えさせていた。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


【なっちゃんカナちゃんレビュー】


なっちゃん 「うわぁぁ……!もうなにこれ、朝の西元山駅のシーンから、心臓ギューッて掴まれるんよ……!静かなホームで、のぞみちゃんとゆう君が手ぇつないで寄り添っとるんやけん、もうそれだけでご飯三杯いけるがな!」


カナちゃん 「ほんまやで!しかもな、電車のアナウンスが流れてくるんや。『七時十五分発、難法行き急行が参ります』って!いやもう、そんなん邪魔せんとってって叫びたなるわ!二人の特別な世界に乱入してくるアナウンスの無情さよ!」


なっちゃん 「わかる!しかもゆう君、ドア開いたらスッと手ぇ離そうとするんよね。あの瞬間!もうー!!なんなんよ!もう!もうラブラブ疲れするわ!!」


カナちゃん 「ほんまや!なんで離すん!?そんなんあかんやん!のぞみちゃんが拗ねた顔でキュッて握り返すやろ?わたし、膝から崩れ落ちたわ!あんなん現実で見たら周りの人らみんなスマホ落とすで!」


なっちゃん 「そんでな、その後にLINEやが。『今度手を離そうとしたら、許さないんだから』って!顔文字つきよ!あかんべーやって!あれはもう、矢で心臓射抜かれた感じ!ズキューンって!」


カナちゃん 「わかるわー!しかも返信がさ、『ごめんね、のぞみさん。でもすごく嬉しかった。ずっと離さないから』やで!?こんなん、即日婚約発表しても文句言えんわ!」


なっちゃん 「ほんと、電車より速いスピードで距離縮まっとるんやけん。心の新幹線走っとるんよ!」


カナちゃん 「その比喩ええやん!心の新幹線な!でもさ、そのあと教室で優子ちゃんに話すやろ?あそこも最高やった!『きゃーーー!』って飛び跳ねる優子ちゃん、あたし完全に同じ反応やったもん!」


なっちゃん 「優子ちゃん、ほんまに読者代表なんよ。聞きながらニヤニヤ止まらんって、わしも口角上がりすぎて痛かったんよ!」


カナちゃん 「しかもやで、のぞみちゃんが真剣に『どうなりたいのか』って問われるとこ!ここがまたズシーンて響くんよ。甘酸っぱさと切なさの両刀や!」


なっちゃん 「はぁぁ……もう心のHP残りわずかやけん……!ラブラブって幸せやけど、見てるだけで体力削られるなぁ!」


カナちゃん 「ほんまそれ!ラブラブ疲れ!でもやめられへん!次のページもめくらんと寝られへんやつや!」


――ここからは視聴者コメントコーナー!


カナちゃん 「はいはい来てますで!Xのコメント!」


なっちゃん 「『のぞみちゃんの“許さないんだから”に悶絶しました。私も彼氏に送りたいけど、勇気出ない…!』やて!」


カナちゃん 「わかる!勇気要るんよ!でも送ったら絶対甘酸っぱさ爆発するやつ!」


なっちゃん 「『電車のアナウンスが敵キャラにしか思えませんでした』って!いやほんまや!わしも『ラスボスのBGM』みたいに聞こえたもん!」


カナちゃん 「せやな!『まもなく…』って響いた瞬間、世界崩壊の合図やった!」


なっちゃん 「お、こっちお便りや!『優子ちゃんの「きゃーー!」が完全に私でした。電車の中で読んでて声出そうになりました』やと!」


カナちゃん 「同志やな!読者全員、優子ちゃんと同じ声帯しとるんや!」


なっちゃん 「ほかにも『LINEのやり取りが尊すぎて、スクショして壁紙にしたいくらいです』って!」


カナちゃん 「わかる!スマホの待受が“ゆう君の返信”になったら、一日元気やわ!」


なっちゃん 「『心の新幹線、私も乗りたいです』ってコメントもある!あぁ~全国の恋するみんな、同じホームに集結しよるなぁ!」


カナちゃん 「いやほんま。全国的に恋の急行走ってる感じやな!あたしら全員、次の停車駅“悶絶”やで!」


なっちゃん 「……もう、こんな幸せの供給過多、心臓もちませんけん!」


カナちゃん 「せやけどやめられへん!次も待っとるんやからな!」

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