夢の続き(のぞみ視点)
まだ夜明けの名残が空に漂っている。のぞみは玄関をそっと閉め、冷えた空気を胸いっぱいに吸い込んだ。胸の奥が小さく震えている。昨夜の夢があまりにも鮮烈で、心臓の鼓動はまだ速さを取り戻さないままだった。
家の奥から足音。パジャマ姿の妹・夏美が眠そうな目をこすりながら現れる。
夏美「ちょっとお姉ちゃん、もう行くの?こんな時間に……今日、なんか特別なことあるの?」
問いかけに、のぞみは一瞬、言葉を詰まらせる。胸にある想いをそのまま告げるわけにはいかない。小さな嘘で覆い隠す。
のぞみ「うん……ちょっとね、早出の学習があって」
笑ってみせるが、声がわずかに上ずっていた。夏美が「ふーん?」と首をかしげた時には、のぞみはもう玄関を抜け出していた。
心の奥で波のように揺れる声が聞こえる。
のぞみ心の声 ゆう君……来てくれるかな。夢の続きが、本当にここで始まる気がするの。
西元山駅のホーム。まだ人影はまばらで、冷たい朝の空気が一面を包んでいた。しんとした空間にのぞみの足音が響く。ベンチに腰を下ろしても、心臓の高鳴りは治まらない。
ふいに階段から足音。のぞみが視線を上げると、そこにいたのは――ゆう。まだ眠気の残る顔なのに、その瞳は驚きと喜びで輝いていた。時計の針は6時15分。いつもの時間よりもはるかに早い。
のぞみ心の声 ……来た!やっぱりゆう君も……感じてくれてたんだ。
彼は一瞬立ち止まり、のぞみを見て目を丸くする。
のぞみ「ゆう君こそ……早いね」
のぞみは平静を装おうとするが、頬に熱が走る。
ゆう「……のぞみさん?もう来てたんだ」
言葉を交わすだけで胸がふるえ、声が小さく震えてしまう。
のぞみは少し俯き、それでも勇気を振り絞って笑顔を向ける。
のぞみ「今日ね……どうしてもゆう君に会いたくて。気づいたら早く目が覚めちゃって」
ゆうの表情がやわらかく崩れる。
ゆう「僕も……そうなんだ。だから気づいたら走ってた。止められなかったんだ」
のぞみの瞳が大きく揺れ、すぐににじむような温かさで満ちていく。吹き抜ける朝風が頬の髪を揺らし、その微笑みを一層やわらかくした。
のぞみ「そっか……。私たち、同じなんだね」
自然に一歩踏み寄り、肩がかすかに触れる距離に並ぶ。そこに生まれた小さな温もりが、冷えた空気の中で強く存在を主張する。
のぞみ「今日はね、いつもよりずっと長く一緒にいられるね」
ベンチに並んで腰掛ける二人。ホームはまだ静かで、広がる空気はどこか特別な秘密を抱えたように、やわらかく二人を包み込んでいた。
のぞみは視線を落とし、唇をかすかに震わせながら口を開く。
のぞみ「ねえ、ゆう君。分かるかな……昨日ね、夢を見たの。夢の中で、ゆう君と手を繋いでたの。でも電車が来ちゃって、そこで目が覚めちゃったんだ」
声は囁きのように細く、けれど確かに届く。想いを伝えるたび、胸の奥が熱くなる。
のぞみ「だからね……こうやって今、一緒にいられることがすごく嬉しくて。夢の続き、してみたいなって思ったの。いい……かな?」
その言葉と同時に、のぞみの震える指がゆうの手へと伸びていく。心臓が耳の奥でうるさく鳴り響く。
のぞみ心の声 もう無理……。どうにかなっちゃいそう……。
冷えた朝の空気の中、その掌は確かに温もりを宿していた。指が絡む瞬間、小さく息を呑み、頬が紅に染まる。
のぞみ「……嬉しい……」
花がほころぶように笑ったその顔を、ゆうはただ黙って見つめていた。胸の奥が、満たされていく。
彼女が夢の続きを現実に変えてくれたことを、全身で感じながら。
ゆう「電車が来るまで……もう少し、このままでいよう?」
その言葉は静かな決意のように響く。
のぞみは小さく頷き、ぎゅっと手を握り返す。その力はかすかでも、確かなものだった。
二人の時間はまだしばらく続く。冷たい朝の空気も、通り過ぎる風も、すべてが甘くやさしい世界に変わっていた。
◾️◾️◾️◾️◾️
ここからは、
清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん
ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”
なっちゃん「はぁぁ~~!!もう無理やろこれ!!尊すぎて酸素薄なるわ!!」
カナちゃん「いやほんまやで!?のぞみちゃん、朝の6時15分に来てるとか、もう恋する乙女やん!眠気とか関係ないねんな!」
なっちゃん「わかるわかる!夢で手繋いで目ぇ覚めて、『続きしたい』とか言い出したん聞いて、うち鳥肌立ったけん!」
カナちゃん「せやろ!?『夢の続き』て、そんなセリフ映画でも聞いたことないわ!そんなん直球で言われたら、ゆう君もう即死やろ!」
なっちゃん「しかもゆう君も走って来たんやろ?『止められなかった』って!あんたなぁ!純愛か!青春漫画の見本市か!」
カナちゃん「うちら読んどる漫画が全部ここで再現されてるみたいなもんやで。肩と肩がちょっと触れる距離とか、心臓直撃やん!」
なっちゃん「あっかーん!!もう尊すぎる!!付ーき合え!付ーき合え!さっさと付ーき合え!しばくぞ!!」
カナちゃん「それ引っ越しおばさんやんか!!(爆笑)」
なっちゃん「ほいでな、手ぇ繋ぐ時の、のぞみちゃんの震えた指先……もう見とるこっちが泣きそうなるわ!」
カナちゃん「しかもな、『……嬉しい』って、あの一言の破壊力やで!?ビームみたいに視聴者の心射抜いたやろ!」
なっちゃん「わし今、心臓の辺りズッキューンいうて音鳴ったわ」
カナちゃん「それピストルちゃう、恋の鉄砲玉や!」
なっちゃん「ほんならここで、視聴者のみなさんからのコメントいこか!」
カナちゃん「はい、まずはラジオネーム『電車の窓際族』さん。“のぞみちゃんの『夢の続きしたい』は、青春の特急列車が発車した合図やと思います!”」
なっちゃん「うまいこと言うなぁ!!青春特急や!もう終点まで二人で行け~~!」
カナちゃん「次はXから。“見てて息止まった。恋の酸欠で倒れるわ”」
なっちゃん「それな!酸素ボンベいるやつやん!」
カナちゃん「お次はラジオネーム『手汗気になるマン』。“ゆう君、手つないで汗ばまんかったんかな?でもそれすらも尊いやろ”」
なっちゃん「せやせや!もうベタベタでもよろしい!青春の塩分や!!」
カナちゃん「Xコメント。“朝のホームで肩触れるとか、もはや天使の接触事故”」
なっちゃん「事故多発しとるわ!でも甘すぎて保険おりんやつやな!」
カナちゃん「ラジオネーム『夢から覚めたくない』さん。“のぞみちゃんの『……嬉しい』で、心が爆発しました。推しカプ確定です”」
なっちゃん「爆発事故連発やん!でもうちも一緒に吹っ飛んだけん!」
カナちゃん「Xからの一言。“二人が電車を待つ時間が、世界で一番尊い25分”」
なっちゃん「泣けるわ~~!ほんま、あの冷えたホームが二人だけの聖域や!」
カナちゃん「まとめると……のぞみちゃんとゆう君、あんたらほんまに“青春の奇跡”やで!!」
なっちゃん「奇跡が連続しすぎて、うちら命削られよるんやけど!」
カナちゃん「せやな!でも……もっと削ってくれ!!(絶叫)」
なっちゃん「ほんま、それ!」




