初めてのデートの帰り道
映画館の扉を抜けると、夜風が頬をかすめた。昼間とは違う涼しさ、けれど心臓の奥はまだ熱く、胸の鼓動は抑えきれないまま。街の明かりや行き交う人々の足音が、まるで映画のスクリーンの延長のように、鮮やかに感じられる。のぞみは隣を歩くゆうの存在に、ただただ心を奪われていた。
ゆうの視線は少し伏せられている。肩越しに小さく見える彼の指先は、わずかに震えているようで、その仕草に胸の奥がぎゅっと締め付けられる。何を言うのか、どう切り出すのか――迷いながらも、彼は息を吸い込み、声を絞り出した。
「……の、のぞみさん。あの、帰り道も……手、つないでてもいい?」
その瞬間、世界が一瞬止まったかのように感じられた。のぞみの胸は跳ね、目頭が熱くなる。口を開くことができず、言葉が出てこない。泣きそうで、嬉しさで震える指先で、のぞみはゆっくりと手を伸ばし、彼の手を包み込むように握った。
握った手はためらいなく、しかし優しく、強く温かかった。彼の手から伝わるぬくもりは、胸の奥までじんわりと広がり、心臓がぎゅっと握られるような幸福感に包まれた。ゆうの瞳は潤んでいて、微かに光が反射している。彼もまた、感情を抑えきれずにいるのだと、のぞみは感じ取った。
「ねぇ、ゆう君……」
言葉を発する前にのぞみの頬がほんのり赤くなる。声に少し上ずりが混ざる。今日のことを、すべて伝えたくて仕方がなかった。
「今日ね……すっごく楽しかったんだ」
微笑む唇、細めた瞳、そして胸の奥で熱を帯びる感情。のぞみの声は震えていたかもしれないけれど、心の底から溢れる思いをどうしても伝えたかった。
「……僕も。本当に、すごく」
ゆうの声は少なめで、短い言葉の奥に全ての想いが詰まっているようだった。泣きそうになったのかもしれない。のぞみはその小さな声を聞きながら、胸が熱くなるのを感じた。生まれて初めてのデートで、こんなにも心を揺さぶられるとは思っていなかった。
のぞみは少し前に出て、そっと手を引っ張った。
「じゃあさ……またデートしてくれる?」
声は上ずり、微かに震えている。恥ずかしくて、でもどうしても聞きたかった言葉。ゆうは一瞬視線を合わせ、微笑みながら答える。
「もちろん。何回でもしたい」
その言葉で、のぞみの心はふわりと浮かぶように軽くなる。安心感と幸福感が一気に押し寄せ、自然と目を細め、頬を染めて笑みを浮かべた。
やがて二人は難法駅に着いた。夜のホームは静かで、電車の到着までの数分間、隣に座る二人の距離は一切変わらなかった。繋いだ手が離れることはなく、温もりが互いに伝わり続ける。
「……ほんとはね、私、もう少しだけ……こうしていたいな」
囁くように漏れる言葉。のぞみの心の奥底は「ずっとこうしていたい」という思いでいっぱいだった。
「……僕も」
短い言葉。けれど、それ以上の言葉は必要なかった。二人の心臓の音が、互いを確かめるリズムとなり、世界の音がすべて遠のく。夜風も雑踏も、二人の世界には関係ない。
電車は静かに走り、西元山駅へ戻る。改札を出ると、父の車が待っていた。少し恥ずかしそうに振り返り、手を振って乗り込む。今日のデートのことは、家族には秘密だ。父に「誰と会ってたんだい?」と問われ、とっさに「ゆ、優子。学校の同じクラスの…」と答える。嘘だけど、ゆうとの時間を守るためには仕方なかった。
家に帰ると、夏美がいた。鋭い目つきに、少しからかうような笑みを浮かべて。
「あれぇ、お姉ちゃん。今日は予備校、午前中で終わりじゃなかったっけ?誰かと会ってたの〜?」
のぞみは心臓をドキリとさせながら、平静を装う。
「そ、そんなことないよ? 優子とご飯食べて、それから映画見てただけ!」
声が少し上ずっていることに自分でも気づく。夏美は腕を組んでじっくり観察してくる。
「じゃあさ、優子さんと見た映画って何?」
突然の質問に、のぞみは頭の中が真っ白になる。
「えっと……えっと……ほら、長澤まなみの出てるあれよ」
焦りが声に滲む。夏美はニヤニヤと間合いを詰めてくる。
「お姉ちゃん、答えられないってことは、やっぱり怪しいねぇ?」
くるっと振り返って向こうに行く夏美に、のぞみは心の中でほっと息をついた。
そして自分の部屋に戻ると、すぐにスマホを取り出す。手が少し震える。
「今日は本当に楽しかったよ。ありがとう、ゆう君」
短い言葉。その最後には小さなハートを添えた。画面を見つめながら、胸が熱く、心が高鳴る。
すぐに返事が届く。
「僕もすごく楽しかったよ。のぞみさんと一緒にいられて、幸せだった」
思わず顔がほころぶ。のぞみの心の奥に、柔らかく温かい光が差し込む。
「嬉しい。私も幸せだったよ。またデートしてくれる?」
指先が震えながらも、送信ボタンを押す。心臓はまるで弾けそうに鼓動する。
すぐに返信が返ってくる。
「もちろん!何回でもしたい!」
舞い上がる気持ちを抑えきれず、可愛らしいスタンプと一言を添える。
「楽しみにしてるね、ゆう君」
画面を見つめるだけで、今日一日のことが鮮明に蘇る。手の温もり、夜風、ゆう君の声、笑顔。全てが宝物のように胸の奥に刻まれ、ずっとこのまま時間が止まってほしいと願わずにはいられなかった。
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ここからは、
清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん
ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”
なっちゃん「いやぁあああ!!!カナちゃん、見てこれ!!映画館出た瞬間ののぞみちゃんの心の中、もう完全にキラキラしてるやん!!!夜風に頬かすめられて、胸の奥まで熱いとか…あっかーん!!!純情の結晶カップルや!!」
カナちゃん「ほんまやでなっちゃん!ゆう君の方から『手つないでもいい?』って聞いてくるとか、たまらんやろ!?これでまだ付き合う前やろ!?たまらんて!!手を包み込むように握るのぞみちゃんの手、想像するだけで胸がぎゅーってなるわ…」
なっちゃん「しかもやで、微笑む唇に細めた瞳とか、心の底からの声やんか。『今日ね……すっごく楽しかったんだ』とか、もう…ああ、あたし泣きそうになってきたわ」
カナちゃん「ゆう君の『僕も。本当に、すごく』って言葉が少ない分、余計に感情が詰まってるんやろうなぁ。短い言葉で胸を打つとか、反則やで、反則!」
なっちゃん「そしてそして、のぞみちゃんが勇気出して『じゃあさ……またデートしてくれる?』って聞くんやろ?声が上ずるのとか、もうたまらん。照れも含めて全部可愛いんよ!!」
カナちゃん「それに対してゆう君『もちろん。何回でもしたい』って答えるとか、もはや天使降臨してるやん。画面越しに悶絶してまうわ…」
なっちゃん「夜のホームで電車待ちしてる時のシーンも最高や!『ほんとはね、私、もう少しだけ……こうしていたいな』って囁くのぞみちゃん。もう、ずっとやん、ずっと一緒におりたい気持ちやんか…!」
カナちゃん「短い言葉『僕も』だけで全部伝わるとか、ほんまに漫画のワンシーンかと思うわ。心臓の音が二人を繋ぐリズムになるとか、マジで脳内再生止まらんやん!」
なっちゃん「家に帰って夏美ちゃんに詰められるシーンも可愛いで!ちょっと嘘つきながら平静保とうとするのぞみちゃん…声上ずってるのがわかるのも萌える!!」
カナちゃん「そしてスマホ出してゆう君にLINE送るとこな!『今日は本当に楽しかったよ。ありがとう、ゆう君』ってハートつきで送るとか、もう胸が締め付けられる思いやで…」
なっちゃん「返事も即来るんやろ?『僕もすごく楽しかったよ。のぞみさんと一緒にいられて、幸せだった』とか、うわああああ、羨ましすぎる!!!」
カナちゃん「その後も『嬉しい。私も幸せだったよ。またデートしてくれる?』とか『もちろん!何回でもしたい!』のやり取りとか、心臓が飛び出そうやんか!」
なっちゃん「可愛すぎて悶絶するわ…。スタンプ送って『楽しみにしてるね、ゆう君』とか、もう、読んでるだけで心がふわふわする…!」
カナちゃん「視聴者のはがきも読もうや。ほら、このコメント!『二人の純情すぎるやり取りに画面前で泣きました!』とか、もう共感しかないやん!」
なっちゃん「あとこれや!『手を握るタイミングでの心臓の音が聞こえる描写、私も同じ気持ちになった』とか、比喩が秀逸すぎて悶絶するわ…」
カナちゃん「『LINEのハートで胸がじんわり温まるって、わかる!自分も青春時代に戻った気分』とか、視聴者まで一緒に悶えてるやん。これぞ共感の嵐!」
なっちゃん「『まだ付き合う前の初々しさがたまらん、二人の距離感最高』ってのもあるで。まさに純情の結晶や!視聴者も同じ気持ちで悶絶してるんやなぁ…」
カナちゃん「ほんまやで!読んでるだけで目頭熱くなるわ…。こういうシーン、何回でも反芻したなるな。あー、のぞみちゃんとゆう君、尊すぎる…!」
なっちゃん「悶絶ポイントが多すぎてもう、トークンが足りんくらい盛り上がっとるわ…!」
カナちゃん「これ、絶対全国の視聴者も同じやろなぁ。純情カップルの一挙手一投足に胸締め付けられるって、青春のエネルギーやんか…!」




