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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第二部-2章 のぞみ視点 新しい景色
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ポップコーンの指先に灯るぬくもり

ご飯を食べたばかりなのに、ゆうは迷わずポップコーンを買っていた。その姿を横で見つめながら、のぞみの胸はまたひとつ小さく波立つ。彼の何気ない仕草一つ一つが、自分の心を揺さぶる。


のぞみ 「ゆう君、お腹いっぱいじゃない?大丈夫?」


ゆう 「う、ううん……全然。むしろちょうどいいかも。」


のぞみ心の声 ゆう君と二人で一つのポップコーンを食べながら映画なんて夢みたい。


映画館の照明が落ちて、ざわめきが静寂へと変わる。スクリーンが光を放ち始めるころ、二人の膝の上にはまだ温かいポップコーンの箱。香ばしい匂いが、暗闇の中でふわりと広がっていた。


お腹はいっぱいのはずだったのに、のぞみは自然と指を伸ばす。けれど本当は、ポップコーンが食べたいわけじゃなかった。彼と同じ箱を分け合うという、その行為自体が、たまらなく愛おしかった。


指先でひとつつまむふりをしながら、のぞみは横目でそっとゆうの顔を盗み見る。真剣な眼差しでスクリーンを見つめる横顔。そこに映る光が、彼をより大人びて見せていた。鼓動が速まる。


そして、その横顔の影がふと動く。ゆうもまた、ポップコーンへ手を伸ばしてきたのだ。


のぞみ心の声 あ……今、同じところに……。


指先と指先がふっと触れ合う。驚きのあまり、のぞみの心臓が跳ねた。映画の効果音も、観客の小さなざわめきも、すべて遠のいていく。耳に響いているのは、自分の鼓動だけ。


のぞみ心の声 あ……。


慌てて手を引こうとした。でもその瞬間、胸の奥で何かがささやいた。――この温もりを逃したら、きっと後悔する。


のぞみはほんの少しだけ、指を彼の手の上に残すように置いてみた。微かな重さと温度。その距離感に、体中が熱を帯びる。


のぞみ心の声 ゆう君は驚いたかな?どう思ってるんだろう?


勇気を振り絞って横目で覗くと、彼もこちらを見ていた。暗がりの中でも分かる、驚きと戸惑い、そして何かを伝えたいようなまなざし。


のぞみは震える指先で、ゆうの手をそっと包み込むように握った。呼吸が浅くなる。空気が熱を帯びる。


ゆうは驚いた顔をしていた。けれどその驚きの中に、拒絶の色はなかった。時間がゆっくりと流れる。映画館という空間が、たった二人の世界になったかのようだった。


やがてスクリーンの中では、恋人たちが涙を流しながら抱き合っていた。しかし、のぞみにとってのクライマックスは、すでにこの瞬間に訪れていた。


のぞみは逃げなかった。手を握ったまま、温もりを確かめるようにじっと彼を感じていた。


すると――ゆうの指が、おそるおそる、でも確かに握り返してきた。胸の奥に、光が広がる。


のぞみ心の声 ゆう君……。


それは言葉ではなく、心と心が重なった合図だった。映画の中の恋人たちよりも、私は今、誰よりも幸せかもしれない。そう思えるほどに。


スクリーンでは物語がクライマックスを迎えていたが、のぞみにとっては、今この手の中にある温もりこそが全てだった。


映画が終わるまで、そのぬくもりは一度も離れなかった。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん「ちょ、カナちゃん!見た!?のぞみちゃんとゆう君!!ポップコーン二人で食べよるんよ!?もう、映画始まる前から心臓止まるか思たわ!!」


カナちゃん「いやほんまに!ご飯食べたばっかりやのにポップコーン買うゆう君、絶対“二人で分け合いたいんや〜”って無意識に言うてるやん!もうそれだけでキュン死レベルやで!!」


なっちゃん「わかるわ〜!で、のぞみちゃんも“お腹いっぱいじゃない?”て気遣いしよるけど、心の声が“夢みたい”やけんね!これ、教科書に載せてもええくらい初恋純度100%やけん!」


カナちゃん「ほんで!ほんでや!指先が“ふっ”て当たるんや!あかん!これ反則やろ!?もう映画館ちゃう、告白会場やで!!」


なっちゃん「いやほんまよ!“あ……”て、のぞみちゃんの心の声漏れとるんよ!こっちまで『うわーっ!』て叫びたなるわ!」


カナちゃん「しかもさ!普通やったらすぐ手引っ込めるやん?なのに残したまま置いとくやなんて!なんやこれ!勇気100倍アンパンマン級やで!」


なっちゃん「しかも、ゆう君の手を“そっと包み込むように握る”んよ!?高校生で!?尊い通り越して神話やん!!」


カナちゃん「スクリーンの恋人が泣きながら抱き合ってても、正直のぞみちゃんとゆう君の方がメインストーリーやったわ!映画代返してもらってもええくらい、二人のラブで満腹や!!」


なっちゃん「しかもゆう君よ!びっくりした顔やけど握り返してきたんよ!?これ、もうプロポーズの指輪受け取ったんと同じレベルやけん!」


カナちゃん「ほんまやで!手の温もり一度も離れんとか、どないやねん!こっちはバレンタインチョコ100箱もろたより心臓甘々や!!」


なっちゃん「いや〜初々しすぎてのたうち回るわ……」


カナちゃん「ほなここで、恒例の視聴者コーナーいこか!」


なっちゃん「きたきた!じゃあまずはがきから。“ラジオネーム・三丁目のポップコーン”さん」


なっちゃん「『指が触れ合う瞬間、心臓が電子レンジでチンされたみたいに爆発しました。私も高校時代にこんなシーン欲しかったです。』」


カナちゃん「わかるぅー!心臓ポンポコ爆発や!うちなんか電子レンジちゃう、圧力鍋やったわ!」


なっちゃん「続いてXのコメント。“@映画館の闇に消えたい”さん」


なっちゃん「『ポップコーンを媒介にして二人が手を繋ぐとか、神様も脚本家もニヤニヤしとるやろ!』」


カナちゃん「ほんまや!もう神様が『ここで触れさせとこ!』ってニヤニヤしてるんや!人類史上最高のイタズラやで!」


なっちゃん「お次は“@手汗でバレる”さん」


なっちゃん「『自分なら緊張でポップコーン湿気させてまう。のぞみちゃん勇気ありすぎて泣いた。』」


カナちゃん「せやな〜!手汗で塩味どころかスープになってまうわ!でものぞみちゃんは違うんよ、勇気で勝ち取ったんや!」


なっちゃん「最後に“ラジオネーム・椅子から転げたOL”さん」


なっちゃん「『映画のクライマックスより、のぞみちゃんとゆう君の手つなぎシーンの方が泣けました。電車で読んでて変な声出ました。』」


カナちゃん「わかるわかる!あたしも叫び声あげて近所の犬吠えだしたもん!もはや公共危険物や!」


なっちゃん「いや〜もう悶絶の大洪水よ!ポップコーンよりこっちが弾けとるわ!」


カナちゃん「ほんまにな!次週までこの甘さで砂糖漬けにされるで!」


なっちゃん「視聴者のみんなもよう生き残っとるね。わたしらはもう毎回瀕死やけん!」


カナちゃん「次も全力で転げ回ろな!」

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