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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第二部-1章 のぞみ視点 出会い
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いつもと違うドア

一月の朝。まだ冬の冷たい空気が頬を刺す。吐く息が白く、駅のホームに漂っては消えていく。


のぞみは心の中で自分を叱りつけていた。


のぞみ心の声 またギリギリになっちゃった……。どうしてもっと余裕をもてないんだろう。


階段を駆け下りる途中、耳に飛び込んできたのは「まもなく電車が到着します」という無情なアナウンス。その瞬間、胸がざわついた。遅刻しそうになった焦りと、もう一つ、もっと大きな理由で。


のぞみ心の声 あ……彼……。


階段の下に見えたのは、同じように急ぎ足で駆け下りていく男子生徒の背中。見慣れた後ろ姿。間違いない。彼だ。


のぞみは思わず速度を上げた。自分の鼓動が走るリズムと重なり、余計にうるさく響く。


のぞみ心の声 今日は彼もギリギリなんだ……。でも……間に合うかな、いつものドア……。


二人の前に電車が滑り込んでくる。もうドアが開いている。人の流れが一気に吸い込まれていく。彼は一瞬迷ったように顔を上げたが、次の瞬間、いつもの二番目のドアではなく、その先の三番目のドアに駆け込んだ。


のぞみは足を止めかけた。ほんの一瞬、躊躇う。


のぞみ心の声 どうしよう……? 二番目に行く? それとも……。


けれど、迷いはすぐに打ち消された。


のぞみ心の声 私が二番目のドアにこだわってたのは……彼がいるからだった。彼が三番目に乗るなら……私もそこに行くしかない。


その決意に突き動かされるように、のぞみも三番目のドアへ走り込んだ。


車内はすでに混雑していた。肩が触れ合い、吐息も近い。立ち位置を探すように目を動かすと、すぐ近くに彼がいた。距離はわずか数十センチ。今までで一番近い。


のぞみは息を呑んだ。


のぞみ心の声 ……近い。すぐ隣にいる。こんなにも近くにいるだけで、心臓が壊れそう。


視線を上げる勇気が出ない。けれど、どうしても気になってしまって、つい横目で彼を探してしまう。


のぞみ心の声 ……あれ、今……彼も見てた?


ほんの一瞬、彼の視線が自分の方へ流れた気がした。けれど、すぐに逸らされる。否定しようとするみたいに。


のぞみは赤くなった頬を隠すように、窓ガラスに視線を移す。平静を装って、いつものように英単語帳を取り出して読み始める。


その間も、彼は何度かこちらに視線を送ってきた。気づかないふりをしているようで、実際はお互いが同じことをしている。


のぞみ心の声 ……やっぱり。偶然なんかじゃない。気づいてくれてる。


そして次の駅に着く直前。人の揺れと流れが少し変わる瞬間。のぞみが勇気を出して視線を上げたとき――彼の視線とぶつかった。


ほんの一瞬。


それだけなのに、世界の音が止まったように感じた。


のぞみ心の声 目が……合った……。


慌てて目を逸らした。心臓が跳ねる。けれど、その一瞬で確かに感じた。彼の瞳が、優しく揺れたのを。


のぞみ心の声 やっぱり……私のこと、気づいてるんだよね……。


その後の数分、何も言葉を交わせないまま電車は進んでいった。自分の中の勇気があと一歩届かない。


やがて、終着の難法駅に着く。流れるように人々が降りていく。のぞみと彼は、別々の改札口へと歩いていった。背中が離れていくたびに、胸の奥が切なくなる。


のぞみ心の声 ……このままじゃ、何も変わらない。どうか……神様。私たちに、もっと大きなきっかけを……。


彼の後ろ姿が見えなくなるまで目で追いながら、のぞみは自分の残された高校生活の日々を思った。願いはまだ言葉にならず、ただ冷たい風にかき消されていった。


――その日、進展はなかった。けれどのぞみの心の中には、確かな灯りが灯り始めていた。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


カナちゃん「はあああ!きたなぁ!西元山駅の朝ラッシュ!のぞみちゃん、もう息切らしながら階段降りてんのやけど、心の中で“またギリギリになっちゃった”って自己反省してんねん!かわいすぎひん?高校生の女の子のリアルすぎるモノローグやで!」


なっちゃん「ほうよなぁ~。その時点で視聴者は“わかるわかる”って共感しとるんよ。ほんでな、アナウンス聞こえて焦っとるんやけど……そこで目に入るんが、彼!ゆう君!階段降りよる後ろ姿やけん!もう運命の出会いが毎朝ここで繰り返されよるがよ!」


カナちゃん「せやせや!しかもさぁ、“今日は彼もギリギリなんだ”って気づく瞬間!もうのぞみちゃん完全に意識しすぎやろ!まだ名前も知らんのに“彼”って心の中で呼んでんねん。いやぁ〜少女漫画の王道やけど、ほんま心臓ドキドキしてくる!」


なっちゃん「しかもやで?ゆう君、いつもの二番目のドアやなくて三番目のドアから入ってしもうたんよ!ここでのぞみちゃん、ほんの一瞬迷うんよ。“どうしよう…?”って。でもすぐに“彼が三番目に行くなら、私もそこに行くしかない”って決めるんよ!この潔さ、好きな気持ちに押し出されとるがよ!」


カナちゃん「ほんまに!もう運命共同体やん!ドアの位置なんかどうでもええ、彼がいるからそこに行くんや!って。あかん、涙出そうやわ。まだ知り合ってもないのに心は完全に彼女やん!」


なっちゃん「で、三番目のドア入ったらなぁ、もうすぐそこにゆう君おるんよ!距離、数十センチやけん!息を呑むのぞみちゃんの気持ち、わかりすぎるがよ。“こんなにも近くにいるだけで、心臓が壊れそう”って……こっちまで胸ぎゅーってなるんよ!」


カナちゃん「で、やで!お互いにチラチラ見合ってるんやけど、視線逸らしあうんよな。もう、これぞ青春のじれったさ!のぞみちゃん、頬赤くして窓見てんねんけど、心の声で“偶然なんかじゃない”って思ってんの!あんたら絶対両想いやろ!」


なっちゃん「ほんでクライマックスやね。電車が次の駅に着く直前に、目が合うんよ!ほんの一瞬なんやけど、その一瞬が二人の世界を止めるんよ。これ、鳥肌立ったわ。“目が合った……”のあとの動揺するのぞみちゃん、見てて抱きしめたくなったけん!」


カナちゃん「でもな、進展はなくて、それぞれの改札に歩いてくねん。背中が離れてくたびに切ないのよ!最後の“神様、もっと大きなきっかけを”って祈るのぞみちゃん……あかんわ、視聴者泣いてまうわ!」


なっちゃん「もうのぞみちゃん、ゆう君のこと大好きすぎやけん。まだ名前も知らんのに、こんなに心かき乱されとるんやけんね!」


カナちゃん「よし、ほなここで視聴者から届いたコメント読んでいこか!」


なっちゃん「まずははがき。“広島県のラジオネーム・雪うさぎさん”から。『のぞみちゃんの勇気、めっちゃ応援したくなりました!三番目のドアに走るシーン、声出して“行け!”って言いました』やて!」


カナちゃん「わかるぅ〜!声出るよなあそこは!雪うさぎさん、あんたええとこ突いてるわ!」


なっちゃん「次はXのコメント。“@youthtrainlover”さん。『目が合った瞬間の描写、鳥肌立った。私も高校の頃、毎朝同じ電車で気になる人おって、同じ気持ち味わってました』やと!」


カナちゃん「うわ、実体験リンク!それめっちゃ共感するやつや!こういうコメントくるの、ほんまに青春あるあるなんやなぁ〜」


なっちゃん「ほかにも“のぞみちゃん、がんばれ!”“勇気出して話しかけて!”“二人を引き合わせてあげたい!”ってコメントが大量やけん!」


カナちゃん「ほんまにみんな親心やん!のぞみちゃんとゆう君、全国から応援されてんねんで!」


なっちゃん「いや〜今日も大興奮やったな。次はどんな展開になるんか……ますます目が離せんよ!」


カナちゃん「せやな!視聴者のみんな、次回もハンカチ用意しといてや〜!」

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