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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第二部-1章 のぞみ視点 出会い
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7時15分 前から2両目2番目のドア

西元山駅


冬休みが終わり、朝の空気は刺すように冷たかった。通学路に並ぶ街路樹の枝にはまだ雪の名残があり、吐く息は白く漂ってすぐに消えていった。のぞみはマフラーをぎゅっと握り、足早に駅へと向かう。


のぞみ心の声 今日、あの人来てるかな……?


胸の奥で小さな不安が広がる。冬休みが明けて最初の登校日。きっといつもと同じように、あの場所にいるはず――そう思いながらも、確信は持てなかった。


のぞみにとって、その男の子は特別な存在だった。毎朝、同じ電車の同じドアから乗る。制服の色、ネクタイの柄、鞄の校章から、川上高校の生徒だと分かった。自分と同じ西元山駅から乗り、電車を降りると反対の改札へ歩いて行く。名前も年齢も知らない。それでも――目が自然に追ってしまう。


のぞみ心の声 私より年上はないから、きっと同い年か年下……。でも、落ち着いた雰囲気だから同い年にも見えるし、ちょっと大人っぽい感じもする。


ホームに降りると、ちょうど電車が滑り込んできた。冷たい風が一気に吹き込んで、髪が頬にかかる。


のぞみ心の声 急がなきゃ……。


のぞみは足を速め、いつもの2両目の2番目のドアへ小走りで向かう。視線の先に、見慣れた背中が見えた瞬間、胸がときめいた。今日もいる――その安心感が身体を包み込む。


3ヶ月前から、彼のことを意識していた。毎朝同じ時間に同じ場所にいる。自分が彼に気づいているように、彼も自分に気づいているだろうか?


のぞみ心の声 ただの自意識過剰……?でも、3ヶ月も同じ電車で顔を合わせてたら、さすがに「いつもの子」くらいには思ってくれてるんじゃないかな……。


電車が到着し、ドアが開く音が響いた。のぞみは足を止め、深呼吸してから車内に入った。彼はそこにいた。スマホを片手に、静かに画面を見ている。背筋はまっすぐで、何かに集中しているように見えた。近づきたい――でも、まだその勇気は出ない。


その日の放課後、のぞみは親友の優子にこの気持ちを打ち明けた。


のぞみ「……実はさ、気になる人がいるんだ」


優子「えっ、のぞみにそんな子が⁉︎」


優子の目が一瞬で輝き、身を乗り出してくる。


優子「どんな人?同じ学校?」


のぞみ「ううん、違うの。電車でね、いつも同じドアに乗る人がいるの。私と同じ駅から乗って来てるから、もしかしたら家が近いのかもしれないけど……名前も分からなくて」


優子「へぇ〜、そうなんだ!のぞみがそこまで言うなんて、よっぽど気になってるんだね!」


のぞみは頬を赤らめ、視線を落とした。


のぞみ「……もう3ヶ月くらいずっと意識してて。でも、まだ一度も話したことがないの」


優子「はぁ!? 3ヶ月気にしてるのに!? それはもう奇跡的にすれ違ってるレベルだよ!」


優子は大げさに机を叩いて笑ったが、その表情には本気で背中を押したい気持ちがにじんでいた。


優子「だってさ、そんなに毎日同じ電車の同じドアに乗ってるんでしょ?絶対向こうも気づいてるって!」


のぞみ「……そう、かなぁ。私はただの乗客の一人って思われてるんじゃないかなって……」


のぞみは小さな声で呟いた。けれど心のどこかで、「気づいてほしい」という願いが膨らんでいく。


優子「じゃあさ、作戦あるよ」


のぞみ「作戦……?」


優子は口元をにやりと上げて、いたずらっぽくのぞみの肩を叩いた。


優子「いつもより、ちょっとだけ近くに立つの!」


のぞみ「えっ、ちょっ……!」


優子「電車って揺れるでしょ?混むことも多いし。そしたら自然に視界に入れるじゃん。肩が触れるとか、ちょっと体が寄るとか、それで相手の意識に残るんだよ」


のぞみ「そ、そんなの……わざとらしくならない?」


優子「全然!むしろ自然。だって通学の電車だし、みんな多少は押されてるんだから。のぞみが一歩近づくだけで、絶対なにか変わるって!」


のぞみは両手を胸の前で組み、しばらく黙り込んだ。頬に浮かぶ赤みは消えない。


のぞみ心の声 ……もし彼の隣に立てたら。私の存在に気づいてくれたら。もしかして、そこから何か始まるのかな……?


勇気を振り絞らなければ、何も変わらない。残り少ない高校生活の中で、このまま終わるなんて嫌だった。


のぞみ「……やってみる。少しでも、近づいてみる」


優子「よっしゃー!その意気!のぞみなら大丈夫だよ!」


優子は力強く笑い、のぞみの背中をぽんと押した。その言葉に、のぞみの胸の奥で小さな炎が灯る。


その翌朝。冷たいホームに立ち、のぞみは深呼吸を繰り返した。心臓がうるさいほど鳴っている。電車が入ってくる音が耳に届くと、足がすくみそうになった。


のぞみ心の声 大丈夫。今日こそ、一歩だけ近づくんだ。これは最初の一歩だから……。


車両の中、見慣れた背中が視界に入る。のぞみは鼓動を押さえながら、その少し隣へと歩を進めた。


ドアが閉まり、電車がゆっくりと走り出す。ドア横の手すりの所に立ち、のぞみはそっと息を整えた。ほんのわずかな距離。けれど、その一歩が彼女にとっては、とてつもなく大きな意味を持つのだった。


――それが、のぞみとゆうの物語の幕開けだった。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん ちょっと待ってやカナちゃん!今日のシーン、始まった瞬間から「のぞみちゃん視点」やで!?これ、わしらがずっと知りたかったやつやんか!


カナちゃん うわぁぁぁ!ほんまや!「のぞみちゃんがどう見てたか」って、これ読者もみんな待っとったやつやで!わたし鳥肌立ったもん!


なっちゃん わかるわ〜。今までゆう君側の気持ちとか、二人の出来事は見とったけど、「のぞみちゃんがあの日、どう思いながら電車乗っとったんか」なんて知らんかったけんね!


カナちゃん しかもさ、「今日、あの人来てるかな……?」って心の声よ!これもう恋やん!冬の冷たい朝の空気と一緒に、胸きゅんが押し寄せてきよる!


なっちゃん あのマフラーぎゅっと握る仕草な!わし、電車乗る前にあんな風にマフラー抱えたことないけん、もう「のぞみちゃんが恋する乙女」全開で可愛すぎるわ!


カナちゃん それなぁ!しかも「3ヶ月ずっと意識してる」って、これめちゃ長い片思いやで?高校生活で3ヶ月って、めちゃくちゃ大きいやん!


なっちゃん しかも自分のこと「ただの乗客や思われとるかもしれん」って不安がるところ!もう切ないんよ!でも心の中では「気づいて欲しい」って願ってるんよね!


カナちゃん いや〜のぞみちゃん……。あんたほんまにピュアやなぁ!「同い年か年下か」って考えとるとこもめちゃリアルやん。わたしも高校の時、同じ電車の男子見て「年上?年下?どっちやろ?」って思ったことあるわ!


なっちゃん そうそう!女子あるあるやね!制服で分かるけど、ちょっと雰囲気で年上っぽく見えたりしてな。


カナちゃん ほんで出たよ、親友の優子ちゃん!この子がまたええ味出しとんねん!


なっちゃん 「そんな毎日同じドア乗ってたら絶対気づいてるって!」って断言するんが最高やわ。おらおら系で背中押してくれる親友、ええなぁ!


カナちゃん うんうん!「ちょっと近くに立て!」作戦、シンプルやけど強力やで!だって混んどる電車やもんな!


なっちゃん でもさ、のぞみちゃんの「わざとらしくならない?」って不安もめっちゃ分かるんよ!女子高生のドキドキと奥ゆかしさ、描かれとってキュン死ぬわ〜!


カナちゃん そしてラストの、「ほんのわずかな距離。けれど、その一歩がとてつもなく大きな意味を持つ」やで!?いや〜これ名文句やん!映画のラストカットみたいやった!


なっちゃん 「物語の幕開け」ってほんまにその通りやね!この瞬間がなかったら、二人の恋は始まらんかったんやけん!


カナちゃん うん!今日はもう胸いっぱいやわ……!


なっちゃん さてさて、ここからは視聴者のみんなの声、いってみよか!


カナちゃん はいきた〜!まずはXのコメントから!


なっちゃん 「のぞみちゃん視点来た瞬間、泣きそうになった。やっと彼女の気持ちが分かる……!」やって。


カナちゃん わかるわかる!みんな待っとったんやで!


なっちゃん 次!「優子ちゃん最強説。あんな友達ほしかった!」


カナちゃん ほんまや!わたしも電車で隣に立てって言ってくれる友達欲しかったわ!


なっちゃん ほい、これはおハガキ。「拝啓なっちゃんカナちゃん様。のぞみちゃんが『ただの自意識過剰?』って悩むとこ、すごいリアルで胸が痛くなりました。私も高校の時、同じ人を毎朝見てたけど、結局声かけられなかったんです。のぞみちゃんには頑張ってほしい!」


カナちゃん うわ〜切ない!でも共感やなぁ!「自意識過剰」って思っちゃうよな!


なっちゃん 次はこんなコメント。「彼の背中が見えただけで安心するの、めっちゃわかる。のぞみちゃん、完全に恋や!」


カナちゃん そやな!背中でときめくんやもんな!いや〜、今日もコメント止まらんで!


なっちゃん ほんまに!「幕開け」ってタイトルにふさわしい感想ばっかやね!


カナちゃん せや!これは読者もみんな「のぞみちゃん、いけーー!」って応援しとるわ!


なっちゃん 次週も楽しみやね〜!


カナちゃん ほな今日はここまで!また来週〜!

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