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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第一部-3章 揺れる気持ち、揺らぐ進路
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握られた手のぬくもり

映画館の中はほの暗く、スクリーンからこぼれる光が二人の横顔をかすかに照らしていた。昼ごはんを食べた後の満ち足りた空気と、ほんの少しの緊張感が漂う。


ゆうは迷わずポップコーンを買っていた。自分のお腹はもういっぱいだと分かっていたけれど、それでも欲しかったのはのぞみと一緒に食べる時間だった。


のぞみ 「ゆう君、お腹いっぱいじゃない?大丈夫?」


のぞみは心配そうに小声で囁いた。彼女の声音は映画館のざわめきに紛れそうに柔らかい。


ゆう 「う、ううん……全然。むしろちょうどいいかも。」


言葉とは裏腹に、胸の鼓動はどんどん速くなる。


ゆう心の声 の、のぞみさんと同じポップコーンを食べたかったんだ。味なんてどうでもいい。隣で、同じバケツをつついて、ただそれだけがしたかったんだ……。


ラブストーリー映画が始まる。劇場中が静まり返り、スクリーンの中では恋人同士の出会いが描かれていく。だがゆうの耳には、のぞみの小さな息遣いしか入ってこなかった。映画の筋など、一切頭に入ってこない。


ポップコーンにそっと手を伸ばした瞬間だった。指先が、別の手に触れる。


のぞみ 「あっ……」


ゆう 「あっ……」


二人同時に声が漏れる。普通なら、そこで慌てて手を引っ込めるはずだった。けれど、のぞみは違った。彼女の手はほんの少し震えながらも、そこにとどまっていた。むしろ、ゆうの指に寄り添うように触れ続けている。


ゆう心の声 ま、待って……これって……のぞみさんが……僕の手に……。夢じゃないよな?


驚きで凍りつくような感覚と、胸の奥から溢れる熱が同時に押し寄せてくる。汗ばんだ掌が、彼女の体温をはっきりと感じていた。


思わずのぞみを見やると、スクリーンの光に照らされた横顔は、息をのむほどに綺麗だった。長い睫毛がわずかに震え、頬はほんのり赤い。


のぞみは視線に気づいたのか、ゆうに目を向ける。そして、恥ずかしそうに、けれどはっきりと微笑んだ。その笑顔には、迷いなどひとかけらもなかった。


そして次の瞬間。のぞみはそっと、ゆうの手をやさしく包み込むように握った。


ゆう心の声 と、止まる……心臓が本当に止まる……!これ、ほんとに現実なのか!?


呼吸すらままならず、視界がにじむ。だがその温もりは確かにあって、夢だと切り捨てるにはあまりに現実的だった。


映画はちょうどクライマックスへ向かっていた。スクリーンの中では恋人たちが涙を流しながら抱き合っている。だが、ゆうにとってのクライマックスは、もうすでにここにあった。


のぞみの手は柔らかく温かい。ゆうが恐る恐る握り返すと、彼女は少しだけ力を込めて応えてくれる。


その優しい圧力に、ゆうの頭は真っ白になる。


ゆう心の声 夢じゃない。これは絶対に夢じゃない……。のぞみさんの手だ……。


勇気を振り絞って、もう一度のぞみの顔を盗み見る。スクリーンに視線を戻した彼女の唇が、かすかに動いた。


のぞみ 「……ゆう君、びっくりした?」


まるで風に溶けるような小さな声。それでもゆうの胸には鋭く突き刺さる。


ゆう 「……うん。でも……すごく嬉しい。」


言葉にしてしまうのが怖かった。けれど言わずにはいられなかった。


のぞみは再びゆうに微笑み、そっと目を細める。


スクリーンの恋人たちが熱い抱擁を交わすその裏で、二人はただ静かに手を重ねていた。


柔らかい温度を確かめ合うように。暗闇の中で、それぞれの心臓が高鳴りを重ねるように。


映画が終わるまで、そのぬくもりは一度も離れなかった。

◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


(♪オープニングジングル)


なっちゃん「はぁぁぁ!ちょっとカナちゃん!見た!?見たんよ今の!!」


カナちゃん「見た見た!あれはもう反則やろ!?映画館で初手つなぎて!心臓持たんわ!」


なっちゃん「のぞみちゃんよ!ポップコーンつまむフリして、ゆう君の手にふわっと触れるんよ!普通そこは、あっ、て引くんよ!?なのに!のぞみちゃんは手を残すんよ!」


カナちゃん「ほんでゆう君も“あっ”て声重なるんやけど、もうその時点でニヤケ爆発やで!?ニヤケ警報発令や!」


なっちゃん「分かる分かる!スクリーンのラブストーリーより、二人の世界の方がよっぽど恋愛映画なんよ!」


カナちゃん「てか、のぞみちゃん!そっからギュッて握るとか、あんた大胆やんか!高校生やで!?初恋真っ最中やで!?あかんあかん、もうカーペットごろごろ転がるしかない!」


なっちゃん「うちらもう転がっとるわ!もはや大の字よ!『止まる心臓』てゆう君の心の声、聞こえてきたわ!」


カナちゃん「そうそう!『夢じゃない、夢じゃない』て自分に言い聞かせとんねんけど、聞いてるこっちが夢見心地や!」


なっちゃん「のぞみちゃんの笑顔、あれスクリーンの光に照らされとって、もう天使よ!映画のヒロイン超えとるわ!」


カナちゃん「そんなん横で見せられたら、ハンバーグのデミグラスソースどころやないで!甘すぎて血糖値上がるやつや!」


なっちゃん「で最後!のぞみちゃんが『ゆう君、びっくりした?』て小声で言うんよ!スクリーンのセリフいらんわ!あれが一番の名セリフやけん!」


カナちゃん「うわぁぁ!もうあかん!かわいすぎる!初々しすぎて胸ぎゅんぎゅんや!」


なっちゃん「ほんと、二人とも平静装っとるけど、内心大騒ぎなんよ!お互い“嬉しい”しか言えてないけど、それで十分伝わっとるんよ!」


カナちゃん「そうやなぁ。映画のクライマックスはスクリーンやなくて、この二人の手のひらにあったんやなぁ…」


なっちゃん「名言出た!それや!手のひらクライマックス!」


カナちゃん「もうな、あかん!萌える!!たまらん!!」


(♪エンディングジングル)


なっちゃん「ということで今回は、のぞみちゃんとゆう君、手をつないで恋が一気に進展編でした!」


カナちゃん「次はどんなドキドキ来るんか、期待せんほうが無理やな!」


二人「ほな、また次回~!」

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