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のぞみとゆうの物語 ~こんな恋をしている二人が羨ましい  作者: 播磨 颯太
第一部-3章 揺れる気持ち、揺らぐ進路
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のぞみからの誘い

ゆうは家に帰っても、頭の中がのぞみの進路のことでいっぱいだった。

教科書を広げてみても、ノートにペンを走らせても、手が止まる。文字は頭に入ってこず、心はただ、不安と期待でぐるぐると回っていた。


もし、関東に行ってしまったら――そんな考えがふと浮かんでは消え、また胸を締め付ける。

今までの毎朝の電車の時間、ベンチでの何気ない会話、肩を寄せ合ったほんのわずかな時間……それが全部なくなるかもしれないと思うと、どうしようもなく寂しくなる。


そんな時、スマホの画面が光り、着信音が鳴った。

普段ならLINEの通知は文字ばかりだ。メッセージは何度もやり取りしていたけれど、今回は違った。

画面に表示されたのは、のぞみの名前だった。


ゆうは思わず息をのむ。

通話のボタンを押す指が少し震えていた。

「もしもし……」


のぞみの声が耳に届いた瞬間、心臓が跳ねる。

電話越しでも、のぞみの声には温かさと柔らかさがあった。

文字だけでは伝わらなかった、声の抑揚や、呼吸のリズムが心に直接響く。


のぞみ 「ゆう君? ごめんね、急に……今、大丈夫かな?ちょっと、話したくなっちゃって。」


ゆうの頭の中は真っ白になった。

なんで今、電話なんて……心臓が飛び出しそうだ。

文字だけのやり取りでは味わえなかった、この生々しい距離感。


のぞみ 「ねえ、今度の土曜日、ゆう君って予定ある? 私ね、予備校が午前で終わるから、もし良かったら、その後、一緒にどこか行かないかなって思って電話したの。」


ゆうの手が、思わずスマホを握り締める。

言葉がすぐに出てくるわけではなく、胸の高鳴りだけがはっきりと感じられる。


ゆう 「えっ……僕と? うん……予定は……ないよ。行きたい、ぜひ!」


声に勢いが乗りすぎて、少し裏返る。

のぞみが電話越しに小さく笑ったのが聞こえ、さらに心臓が熱を帯びる。


のぞみ 「本当? 良かった……じゃあ、土曜日、どこかで待ち合わせしようね。」


ゆうの頭はまだ整理が追いつかない。

でも、一つだけ確かなことがあった。

のぞみが、自分に会いたいと思ってくれて、わざわざ電話をかけてくれたこと。

偶然や義務じゃなく、のぞみ自身の意思で誘ってくれた——その事実が、胸に温かく染み込む。


のぞみ 「ふふ、ゆう君が行きたいところでいいよ。私、ゆう君と一緒ならどこでも楽しいと思うから。」


ゆうの手に力が入る。

スマホを握る指先に、小さく震える興奮と喜びが伝わる。

顔は自然とにやけて、思わず独り言のように呟く。


ゆう 「じゃあ、映画とかどうかな? そのあと、少しゆっくり話せる場所に行こうよ。」


のぞみ 「うん、それいいね!じゃあ、映画の時間とか調べて、また決めよっか?」


ゆう 「分かった、調べてみる!」


心の中で、小さくガッツポーズをする。

ついさっきまで、のぞみの進路のことで胸が張り裂けそうだったのに、一気に気持ちが明るくなる。

週末に、のぞみと二人きりで過ごせる――初めての“デート”になるのだから。


通話を切ったあとも、ゆうはしばらくスマホを握りながら、のぞみの声を反芻していた。

声の余韻が、胸に小さな火を灯している。

週末が待ち遠しくて、心の奥の期待が膨らんでいく。


冬の冷たい空気も、朝のざわめきも、今は全く関係ない。

ただ、のぞみの声と、自分の胸の高鳴りだけが現実だった。

ゆうは目を閉じ、週末の約束を何度も頭の中で繰り返す。

そして、やっと少しだけ安堵の息をついた。

世界が、急に明るくなったように感じられた。


◾️◾️◾️◾️◾️

ここからは、

清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん

ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”


なっちゃん 「いやー、カナちゃん聞いた?のぞみちゃんがゆう君に通話してんて!!今までメッセージだけやったから初めてやで、これ!」


カナちゃん 「ほんまやで、なっちゃん!しかも土曜のデート誘いとか……ゆう君、初めての“ちゃんとしたデート”やんか!たまらんやろこれ!!」


なっちゃん 「もうなあ、想像しただけで胸がぎゅーってなるわ。ゆう君、スマホ握る手震えとったんちゃうか?」


カナちゃん 「そりゃそうやろ。のぞみちゃんから直接声で誘われるんやで?LINEで文字だけとちゃうんやで?しかも“私、ゆう君と一緒ならどこでも楽しい”とか言われたら……そら悶絶やわ!」


なっちゃん 「悶絶好きやな!それにな、ゆう君、今までの不安とか全部ぶっ飛んで、心が一気に明るくなる瞬間やろ。進路のことで悩んどったのに、週末の予定で全部吹き飛ぶんやもん。」


カナちゃん 「せやせや。しかもこれ、ただの偶然ちゃうんやで。のぞみちゃんが自分の意思で電話して誘うっていう……これ、もう告白前のドキドキの予告編やん!」


なっちゃん 「ほんまや、カナちゃん。それを聞いたゆう君、頭真っ白になって、でも心臓バクバクで……思わず“行きたい!”って言うしかないやんね。」


カナちゃん 「しかもその後の会話も、ちょっと待ってな……映画行って、そのあとゆっくり話すとか……完全に初デートコースやん!やばすぎるやろ!」


なっちゃん 「うんうん、冬の冷たい空気も関係なくなるくらい、頭の中は全部のぞみちゃんでいっぱいやろな。心の奥から湧き上がる嬉しさと期待……たまらんやろなあ。」


カナちゃん 「ちょっと初めて通学の時以外に会うんちゃうの!!?ゆう君初めてのデートやろ!?たまらん!!週末までのカウントダウンがもう始まっとるやん!」


なっちゃん 「せやせや。スマホ握りながら、のぞみちゃんの声思い出して、にやけとるんやろなあ……世界が急に明るくなったみたいに感じとるんちゃう?」


カナちゃん 「ほんまやなあ。のぞみちゃんも“ゆう君と一緒ならどこでも楽しい”って言うてくれるんやで。これ、もう週末楽しみすぎて勉強どころちゃうやん!」


なっちゃん 「いやー、もう見てるだけで胸がぎゅーってなるシーンやわ。ゆう君、しっかり週末楽しむんやで!」


カナちゃん 「せやせや!そして、のぞみちゃんの進路も大事やけど、今はこの瞬間をめいっぱい楽しむんやで!たまらん、ほんまにたまらん!!」


二人は画面の向こうで、ゆうとのぞみの初めての電話のドキドキと、週末のデートの予感にどっぷり感情移入し、思わず大騒ぎしていた。

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