朝のホーム、始まる新しい鼓動
まだ空が少し白んでいる。冷たい風が頬を撫でる早朝。
昨日、やっとのぞみと声を交わし、夢のようにLINEまで交換できたゆうは、ほとんど眠れぬ夜を過ごしてしまった。
まぶたは重く、足取りも少しふらつく。
それでも心は妙に高ぶっていて、眠気さえも心地よい酔いのように感じられる。
――今日はいつもより五分早く駅に着いた。
ただ、のぞみに会いたくて。会える時間を一秒でも長くしたくて。
階段を降りるゆうの視線の先に、思わず息をのむ光景が広がる。
そこに、のぞみがもう立っていた。
いつもなら発車直前に駆け込んでくるはずの彼女が、今日はすでにホームで誰かを探すようにキョロキョロと視線を彷徨わせている。
胸の奥が一気に熱くなった。
探しているのは――自分。
ゆうの姿を見つけた瞬間、のぞみの顔がぱっと花が咲くように輝く。
その笑顔に、寝不足で重たかったゆうの瞼は一気に吹き飛ばされる。
ゆう「お、おはよう……のぞみさん」
声が震えてしまった。けれどそれは紛れもなく、自分の意思で出せた初めての“朝の挨拶”。
のぞみは少し驚いたように目を丸くし、すぐに頬を赤く染めながら返す。
のぞみ「……おはよう、ゆう君」
たったそれだけのやりとりなのに、胸が破裂しそうだ。
互いに目を逸らせないまま、時間が止まったかのように見つめ合う。
のぞみ「ねぇ、昨日はよく眠れた?」
ゆう「えっ……」
不意に問われて息を呑む。
のぞみ「私ね、全然眠れなかったんだ。ゆう君と今日またお話できるんだって思ったら……わくわくして、ドキドキして……」
その照れ隠しのない正直さに、胸が強く揺れる。
のぞみの言葉が耳から心に真っ直ぐ入り込み、思わず打ち明けてしまう。
ゆう「僕も……実は眠れなかったんだ」
のぞみ「えっ、ほんとに?」
ゆう「うん。明日からまた……のぞみさんに会えるんだって思ったら、楽しみで……」
言いながら、顔が熱くなる。口にした瞬間、自分でも照れ臭くて仕方がない。
けれど嘘じゃない。本心そのものだ。
のぞみは、その言葉を聞いた途端、目を輝かせて笑みを浮かべる。
嬉しさを隠すことなく、胸の奥がそのまま表情に溢れ出している。
のぞみ「ふふっ……やっぱり。だから今日は早く来ちゃったんだよね?」
まるで心を読まれたようで、ゆうは慌てて視線を逸らす。
耳まで赤くなるのを自覚してしまう。
ゆう「そ、そんな……いや、まあ……」
のぞみはそんなゆうの反応を楽しむように、くすっと小さな笑い声を漏らす。
その笑いが耳に残り、心を甘く締めつける。
自然な流れで、のぞみがゆうの隣に並ぶ。
まるでずっとそこに立つことが当たり前であったかのように、距離が縮まる。
二人の肩先がかすかに触れるか触れないか――それだけで胸が跳ね上がる。
その時、ホームに風を切る音が響く。
電車がゆっくりと滑り込み、ブレーキの音が近づいてくる。
今日は違う。
ただ偶然同じ電車に乗るのではなく、のぞみと“知り合い”として並んで乗る。
その事実が、鼓動を早鐘のように打ち鳴らす。
ゆうは深呼吸を一つ。
のぞみと視線を交わしながら、ドアが開くのを待つ。
電車の扉が開いた。
二人は並んで一歩、前へ。
これまで遠くから眺めていた背中が、今は隣にある。
その幸せをかみしめながら――
新しい朝が、のぞみと共に始まった。
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ここからは、
清楚系、松山弁コメンテーターなっちゃん
ピチピチ系、関西弁インフルエンサーカナちゃんの振り返り番組“なっちゃんカナちゃん”
なっちゃん「はい、始まりました。“なっちゃんカナちゃん”やけん!いやぁ今回のシーン、見た瞬間に心臓ドキンってなったわ。駅のホームやのに、まるで映画のワンシーンみたいで。」
カナちゃん「せやな!あの“まだ空が白んでて風が冷たい”って描写からもう、青春の匂いぷんぷんしてるやんか。のぞみちゃんがもうホームで待っとるんやで?これ、めちゃくちゃ大きな進展ちゃう?」
なっちゃん「そうそう!のぞみちゃん、いつもは駆け込みで来よるんよ。それが今日は、すでにおって、キョロキョロしよる。あれ絶対ゆう君探しとったんやわ。わしまで胸きゅんやったけん。」
カナちゃん「ほんでゆう君、寝不足でふらふらやのに、その一瞬でシャキーン!やもんな。のぞみちゃんがパッて笑顔見せたんやもん、あれは睡魔も吹っ飛ぶやろ。『お、おはよう……のぞみさん』って震え声出すとこ、可愛すぎるわ。」
なっちゃん「震えよったなぁ。けんどそれが“初めて自分から出せた朝の挨拶”ってのがええんよ。大事な一歩やけん。のぞみちゃんも『おはよう、ゆう君』って頬染めながら返して……。あの間は尊すぎた。」
カナちゃん「でや!次や。“昨日よく眠れた?”って、いきなりやで?これ女子側から切り込むんは勇気あるで。普通なら『おはよう』だけで終わるとこやのに、『眠れんかった』って正直に言うとか、もう好き丸出しやん。」
なっちゃん「わし、あそこ読んどるとき、心臓トントントンって鳴りよったわ。で、ゆう君も『僕も眠れんかったんだ』って返すやん?ほやけん、“気持ちが重なった”瞬間やったな。」
カナちゃん「しかもやで?のぞみちゃん『ふふっ、やっぱり早く来ちゃったんやね?』って、もう読んどる!見抜きすぎやろ。ゆう君の耳まで赤うなっとるん、目に浮かぶわ。」
なっちゃん「いやほんま、耳真っ赤なん想像できるんよなぁ。のぞみちゃんがその反応見てくすっと笑うんも……ええ。あのくす笑いはもう、ご褒美やけん。」
カナちゃん「ほんで自然に横に並ぶんやろ?あれがもう決定打や。距離が縮まった瞬間っていうか、“今日から二人は同じ場所に立てる関係”になったんやなって感じたわ。」
なっちゃん「うんうん。これまでは偶然同じ電車に乗る二人やったけど、今日は違うんよな。“知り合いとして並んで乗る”――この一文、シビれるけん!」
カナちゃん「そやなぁ。扉が開いて並んで一歩前に進むとき、“背中が隣にある”って描写……もう完璧やん。青春やん。映画ポスターやん。わたしやったらそこ切り取って壁に貼っとくわ。」
なっちゃん「わしはポスターより動画で見たいわ。ゆう君の照れと、のぞみちゃんの嬉しさが交互に行き来する瞬間……ええ、これほんま青春やけん。」
カナちゃん「まとめるとやな、このシーンは“ただの通学”から“二人の朝”に変わった瞬間、やな。ここからどう膨らんでいくんか、わたしらも楽しみやな!」
なっちゃん「次の朝はもっと距離縮まっとるんちゃう?はぁ~、わしらまでドキドキして寝られんなりそうやわ。」




