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メリ・メロノート  作者: 星河雷雨


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小説投稿サイトは、砂の巨塔 〈AI小説編 AI小説大量投稿時代におけるWEB小説界〉

 書きたいことを書いているだけの、覚書ですよ。

 相も変わらず、エッセイを読み漁っています。


 そして今、エッセイで旬の話題といえば……。


 AI小説(+感想)、なろうの公平性、チアーズプログラム辺りですかね。いつも通り、ふむふむと感心しながら、読ませていただいております。


 で、ですね。それらのエッセイを読んでいて、思ったのです。小説投稿サイトの未来って、どうなるんだろう、と。もっと言えば、なろうの未来、ですね。


 これまでにも、それらのことに関して、漠然とではありますが考えることはありました。ちょうど近年、老舗(?)の小説投稿サイトが閉鎖されるなどのニュースもありましたし、ここのエッセイにも、書き手の他サイトへの流出についてなどがよく書かれていましたしね。


 けれど、あくまで漠然とであり、真剣に考えていたわけではありませんでした。だって、なろう(ここ)がなくなっても、別のサイトがあるし。というよりは、そこに至るまで、自分は書いていないかもしれないし。だったら、あまり関係ないかなと。そんな想いがありました。え? 冷たい奴って?


 いえね。なろうは好きなのですよ。他の回でも書くかもしれませんが、私なろう以外のサイトには、書いていませんから。なろうが一番、読むのも書くのも使いやすいと思っていますので、できれば残って欲しいです。


 というより、何やかや言いながらも、結局は残りそうな感じはしているですが、それってあくまで個人の感覚ですし……。なので、そのことを踏まえた上で、あえてなろうの終焉について考えた時。悲しいけどまあ、しょうがないのかなという結論に至ったわけであります。世の中は諸行無常です。


 それにWEB小説の世界って、一部のプロはおりますが、しょせんは素人の趣味の世界だという考えがありましたので。もし投稿サイトが使えなくなったとしたら、初期に戻り、個人のブログを開設でもして、そこに小説を載せればいいのではないかと。


 そういった個人のブログで小説を書いている方の苦労話も、やはりエッセイなどで読ませていただいてはおります。投稿サイトがやってくれていることを、すべて自分でやらなければならないし、読者を獲得するにも、相当苦労することでしょうし。それでも、どうしても書きたい人なら、きっとやるんだろうなと思っていました。


 ですがそれはあくまで、WEB小説の投稿場所の問題であって、WEB小説自体の衰退云々についてまでは、特に考えを及ばせてはいませんでした。その頃からすでに、生成AIイラストによる問題については騒がれていましたが、小説に関してはそこまでではありませんでしたから。


 しかし、その頃よりも進化したAI小説の台頭により、WEB小説界の状況は変わりつつあります。小説投稿の場だけではなく、小説の創作活動自体に、陰りが見え始めたのではないかと、今は感じています。


 陰りと言い切ってしまうと、そうではないという反論の声が上がることも承知しています。鉛筆を持つ手が、キーボードを叩く手に変わったように。筆を持つ手が、マウスやペンタブレットを持つ手に変わったように。扱う技術が、進歩しただけだと。技術の進歩について行けない人は去り、そうでない人が残るだけなのだと。


 AIを補助的に使うのなら、確かに前述の言葉は正しいのかもしれません。AIはあくまで、人のサポート役。そこで留まるのであれば、書き手は確かに、人であると言えるでしょう。


 けれど、たった一行で済むような指示を出し、その指示に従い、AIが何十万文字にも及ぶ物語を創ってしまうのだとしたら。創ってしまえるように、なっているのだとしたら。果たしてそれを書いたのは、人であると言い切れるのか。その判断は難しく、厳格な規制がない今、個々人の裁量に寄るものとなるでしょう。


 ……私などは、大量生産ができるという時点でなんとなく機械的なものを感じてしまうのですが、そこはまた感覚の問題なので、おいておきます。


 元より今は、コンテンツが大量生産、大量消費される時代ですので、生成AIによる小説大量投稿は、ある意味時代の流れに沿ったものなのかもしれませんね。


 けれど、様々なものが大量生産されるようになった裏で、生産量に限りのある、例えば手作業で作られていた商品などの売り上げが、低迷してきたことは確かです。


 まあそれでも生き残ってはいますし、一部のプレミア扱いになっているようなところもありますので、それはそれでアリだったのかもしれません。その流れをWEB小説にも当てはめてみれば、自ずと答えは見えて来るような気もします。


 商品と小説は違うと言う意見も出そうですが、文学を芸術と見ていたような時代ならいざ知らず、今は一部のジャンルを除き、それほどの違いがあるとは思えません。何しろ小説も、大量生産できる時代に入ってしまいましたので。


 現状でさえ、投稿数の多いサイトです。そこにさらにAIによる大量投稿が始まれば、埋もれていく作品は、今よりもさらに増えることになるでしょう。


 読まれない。そもそもが、見つけてもらえない。埋もれてしまう。自分の労力の半分、いや、下手をすれば十分の一程度の労力で、AIは作品を仕上げてしまう。そしてそれらの作品ばかりが、読まれるのだとすれば……。


 作品のすべてを自分の手で書くことを、馬鹿らしい、無駄だと思ってしまう気持ちが生まれても、仕方ないのではないでしょうか。そうなれば今後、AI小説を受け入れられない書き手の中には、小説自体を書かなくなる人も、出てくる恐れがあるかもしれません。


 やはり量では勝てませんし、悲しいですが、質でも勝てなくなる日はすぐそこまで迫ってきています。となれば、もういいや、と思う方たちが一定数でてきてしまうのも、また必然なのかもしれません。


 ですが、それはそれで仕方のない部分もあるのだと、思っています。小説投稿サイトで小説を書いている方たちは、ほとんどの方が素人です。仕事ではなく、趣味で小説を投稿している方が圧倒的に多い場所です。


 書くことを、強制されてはいません。自分が嫌だと思えば、今すぐにでも書くことをやめることができます。


 嫌ならやめればいいと、突き放しているわけではありません。恐らく、私たちは今、岐路に立たされています。AI小説との共存を受け入れるのか、拒否するのか。そしてそれを決めるのは、誰でもない自分自身なのです。


 このような書き方は少々大袈裟に思えるでしょうが、人によっては正に大事なのだと思います。特に、より多くの人に読まれたい、書籍化をしたい。そういう目標のある方にとって、自身の作品が人の目に留まるかどうかは、重要なことですから。


 特に書籍化。個人的には、今後AI小説が多くなるにつれ、そして今よりも質が良くなり、商業に耐えられる作品がWEB小説界から出て来た場合、出版業界がどう動くのかは、注目したいところではあります。


 まあ、これまでにもそういう小説はあったのでしょうが、表立ってAIが書いているとは明言してはいなかった筈です。けれど、大手を振ってAI小説を世に送り出す時代、そして割合は少ないけれど、AIを使って書かれた作品が、芥川賞に選ばれる時代です(そしてこの作品は、すでに書籍化されています←ここ重要)。


 もし、これから生成AIで書かれたWEB小説を商業化させる場合には、この小説は生成AIを使って作成されたものであると、明記すると考えても良いでしょう。


 そうなるとますます、AIを使わず人の力のみで小説を作成することは、書籍化を見据えた場合は特に、非効率で分が悪いものになってしまうのかもしれません。


 何にせよ、今後のWEB小説界は、それでも書きたい、という方のみが残る世界になるのかもしれません。自身もAIを使うようになるのか、あくまで人の手で書くことにこだわるのかは人それぞれですが、程度の差はあれどAI小説を受け入れ、そして順応した方たちこそが、AI小説大量投稿時代のWEB小説界を、担っていく方たちになりそうです。


 あるいは、完全にAI小説と人の書いた小説で、投稿サイト自体の棲み分けが進んだりするかもしれませんね。当方100%人の手で書かれた小説しか置いてません! なんて宣伝する投稿サイトも生まれるかもしれませんよ? その逆とかね。


 さて。ここまで「AI小説大量投稿時代におけるWEB小説界」についてを、主題として書いてきました。と言う割には後半ほんのちょっとしか考察していませんが、まあ適当なのはいつものことです。論文でもコラムでもないですし、あくまでエッセイもどきの覚書ですからね。


 それでももうちょっとだけ、次回にまたぎ、AI小説について書いて行こうと思います。


 *次回、「AI小説の是非と可能性」に続きます。

 *書かれていることは、あくまで個人の考えだということを、御承知おきください。そして今後の状況の変化により、考えも変わる可能性があります。その考えの変化について語るかどうかは未定です。

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