ちょっと不思議な話 ―黒い人―
はい。
これも別に、全然怖い話じゃありません。
ただ見ただけのやつ。
狐の話を書いてて、そういや他にもあったな、と思い出したやつ。
興味がある人は、下にスクロールを。
前回、余白がちょっと短かったので。
今回は長くしました。
では、いきます。
これは、私が高校生の時の話。
当時私は、バスで高校に通学していたのですが。
その日は、席がまったく空いておらず。
私は吊革につかまったまま、ぼんやりと、バス前方の窓を見ておりました。
バス亭から乗り込み、五分位経った辺りでしょうか。
ふいに、走行中のバスの十数メートル先を、人が横断し始めたんです。
しかも、その人はバスよりも背丈があり、手足が長く、すべてが黒くて、妙にピラピラしてて。
大股でバスの前を横切り、反対側の崖の下へと消えていきました。
それだけ。
結構、ゆったりとした足取りでしたね。
手と足の一振りが、もあ~ん。もあ~ん。という感じ。
わかります?
わからないか……。こっちも何と表現したらいいのかわからん……。
ですが、別に怖くはありませんでしたね。
ええ~? 何今の~?
とは思いましたが。
目の前横切っただけだから、怖がりようもないという。
バスなんて、アウトオブ眼中な感じでしたし。
でもあの黒い人(?)。
真っ黒と言うよりは、ぼんやりと透けていたんですよね。
あと、リアルな人の形ではなく。
道路標識に描かれている人のような感じ。
頭が大きくてまん丸だったし。
手とか足の先も丸かったし。
人というよりは……物の怪?
ま、それだけの話です。
お読みいただき、ありがとうございました。




