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オークと女騎士とソーダ割り
「おいオーク! 私に一体何を飲ませた!」
「カルピスをソーダで割っただけだよ。元々炭酸入りで売られてる物より濃い目で作ったから美味しいだろ?」
「うん! もっと飲みたい! 早く作ってくれ!」
「はいはい」
オークは頷くと、小さな氷のかけら2.3粒をガラス製のコップに入れる。氷は中で他の氷やガラスの表面とぶつかって小気味の良い音を立てた。それから原液を少々、更にその上からソーダを注ぎ込むと、炭酸の心地よい音と共に氷の間を細かな泡が満たしていく。
「ただカルピスソーダを作る様を見ているだけでも良いもんだな。これがオツってやつよ」
「早く! 私は喉が渇いて死んでしまうぞ!」
「はいはい」
まったく。オークはやれやれと首を振りながら、シュワシュワと音を立てる出来立てのカルピスソーダを女騎士に振る舞うのであった。