その3
「ふっふっふ捕まえたぞ女騎士」
オークは不敵な笑みを浮かべて捕縛された女騎士に目を向ける。
「くっ! 殺せ!」
女騎士も負けじと反抗的な目でオークを睨み返した。
「バカめ、簡単に楽になれると思うなよ! 地獄の拷問を味わうがいい!」
「“これ”を見ろ!」
「!? ……こ、“これ”は」
「ふっふっふ、どうだ? 今から行われる拷問を想像して、絶望したか?」
「いっ、一体“これ”はなんなんだ!?」
「“これ”さ。こういう時にはお馴染みのな」
「つ、つまり……? 鞭とか? 刃物とか? トゲトゲした棒状の痛そうなやつとか? もう少しヒントとかないのか!? “これ”じゃ分かんないよ!」
「ふんっ、無駄な問答で時間を引き伸ばそうなどとは卑怯な、とっとと地獄に堕ちるがいい!」
「ちょっと待って! ホントに“これ”って何!? 分からない! 苦しい! 困る! 助けて! どう振る舞ったらいいのか見当もつかないから! 1人にしないで、置いてかないで! お願いだから!」
「クックックそのまま悶え苦しむが良い! さらばだ!」
「いやああああ!」
結局“これ”が何なのか明かされる事なく放置された女騎士は、精神崩壊を起こしてオークに屈してしまうのであった。