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オークと女騎士とカレー
「おーい、ご飯できたよー」
オークがスプーンを並べ終えてから声をかけると、ドタドタと騒がしい足音を鳴らして、女騎士が部屋の引き戸を勢いよく開いて出てきた。
「おいオーク! 今日は私に何を食わせる気だ!?」
「今日はチキンカレーだよ」
「やったああああ」
女騎士は食事用に拵えた真四角のテーブルの前に座ると「いただきます!」と大声で叫び、こちらを待たずガツガツと食べ始めた。
「おかわり!」
「がっつき過ぎだぞ」
オークはやれやれと首を振りながらも、皿を手を取りキッチンへ向かう。ご飯をよそい、戻る間もずっと「カ!レー! カ!レー!」と騒がしい女騎士の声が後ろから聞こえた。
「おっ、俺の分……」
結局この後も女騎士は切れ間なく計五回ものお代わりを繰り返し、空になったカレー鍋と炊飯釜を前に、オークはガックリを肩を落とすのであった。