Memorys1 レイと輝
とある夜、一人の少年の人生が大きく変わった…
「じゃあ母さん先に風呂入るよー!」
母の返事も待たず風呂場へと向かった。
風呂に入るため服を脱いでいると、何処からか声がした…
『……………』
「えっ?」
少年は母が何か言ったのだと思い、
「母さん、何か言った?」
「えっ!?なんも言ってないわよ?」
少年は首を傾げながら戻っり、再び服を脱ぎ始めた。すると今度はハッキリと聞こえた。
『オイ、ボーズ…』
ふと、壁に貼ってある鏡を見て少年は身動きが取れなくなった。少年は鏡に指を差し、声も出なかった…
「………!?」
少年の指先は大きく奮えていた。
少年の見る鏡の向こうには自分ではなく、別の誰かが映っていたのだ。
鏡の中のその男は口を開き少年に向かって話始めた。
『オイ、ボーズ…喋らなくていいから今から俺が話す事をよーく聞け』
「あ、あんた誰だよ!?なんで鏡の中に居んだよ!?どっから来たんだよ!?」『………っ』
少年は男に喋らなくていいと言われたが、そんな事より自分の聞きたい事の方が優先だった。
ところが鏡の中の男はその一度にいくつもの質問に……キレた。
『質問は一個にしやがれこんのボーズ!!」』
突然キレた男に少年は驚いた。
「お?おぉ!?」
鏡の中の男は落ち着き、再び話始めた。
『…ふぅ、そんじゃあもう一回話す。…率直に言う、お前にはしばらくこっちの世界に来てもらう。今すぐとは言わない。準備が出来しだい来てもらう。』
「はぁ?おい、鏡のおと…」
『ちなみに俺の名前は、クロワード・レイだ…レイでいい…』
「じゃ、じゃあレイ?質問、レイが言う
「こっちの世界」ってのは鏡の中?」
少年は、手を挙げ質問した。レイは少しの沈黙の後に質問に答えた。
『まぁ、間違ってわない。だが、鏡は一時的な通路だな…俺が言う
「こっちの世界」は全く別の異世界だ…その名は…《12の世界》(トゥエルブワールド)』
「じゅ、12の世界!?」
少年は、目をぱちくりしレイを見てきた。
そしてレイは鏡の中に戻りながら少年に声をかけた。
『まぁ、急がなくていいから準備ができたら、この鏡を叩いてくれな』
「あ、あぁ…」
『あっ、そーだ!ボーズ、お前の名前は?』
「黒田輝!」
レイは輝の名前を聞き終わると、鏡の中に戻って行った…
ここから、全ての歯車が動き出した…