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孤独な迷探偵  作者: 高橋はるか
第一章 座禅しながら人は死ねるのか??
43/55

42これは誰かのためじゃない。自分のため②

「え??じゃないわよ!!そもそも、あんたが、こんな風に回りくどい真似しなければ、こんなことにはならなかったじゃない!!!」

「え??じゃねえだろ!!目の前に、容疑者かもしれない、重要参考人がいるのに、無罪放免は流石にできねえだろ!!」


「えええ????駄目だった??」


「駄目!!絶対ダメ!!こんなことになったんだから、あんた責任もって、私が必ず無罪放免になるように努力しなさい!!!」

「はあ??てめえら青臭え餓鬼どもが何言ってやがんだ!?疑わしきは罰する!!そう法律でも決まってんだよ!!」


「え??逆じゃない??」


疑わしきは罰せず、ではなかったか??俺の勘違いか??


「どうしてくれんのよ!?あんたのせいで、私、このままじゃ捕まっちゃうじゃない!!」

「当たり前だろ!!大体なんだ!?嘘つくならもっと信ぴょう性の高い話にしろってんだ!!何が、宛先不明の封筒だよ!!しかも、何かも分からない、飲み物を被害者に飲ませただと!?てめえの身勝手のせいで、人が一人死んでんだぞ!?」


ぎゃあぎゃあ、と喚く二人は、このまま行くと永遠と平行線だ。

仕方ない・・・。まあ、俺のせいなんだけどね??


「犬飼さん!!」


やりたくはなかったが、柏木を背にかばうように、犬飼さんの前に立つ。

改めてみると、おっかない顔してるのな・・・。暴力団構成員って名乗った方がいいんじゃないのか??


「坊主。お前は最後まで邪魔するのか??あの二人のことはどうなるんだ??」


「誰の事??ねえ、あの二人って誰の事??」


それに対する俺の答えは沈黙。


「ほら見ろ?あの二人のことをお前はきっと見捨てねえ。だから、どんな手を使ってでも犯人を暴くって、そう決めたんだろ??なら・・・!!」


「だからこそ、ですよ」


「なに!?」

「彼女は犯人じゃない。犯人は別にいる。俺は、そう考えていますし、何だったら、この後どうするのか?それもしっかりと考えてますよ?」

まあ、やり方の是非は、問わないけどな。

「・・・・本気で言ってんのか??お前は、彼女が犯人じゃないと、本気で言ってんのか??」

「ええ。だから、彼女を署に連行して、徹底的に調べ上げる、なんて時間の無駄です。少しでも時間が惜しいのは、俺も、そして犬飼さんも同じことでしょ??」


じい、っと注がれる刃物のような冷たい目を、ゆっくりと受け止める。

怖いか、怖くないかで言えば、怖くはない。

最も怖いのは、何をしてくるのか分からない、暴力団。ヤンキー、暴走族。そういう、頭のねじが飛んでる人間。

そして、いくらその筋の人に見えようとも、犬飼さんは警官だ。

だったら、暴力も、恐喝も、あり得るはずがない。

・・・・無いよね??


「・・・・はあ・・・。分かった。お前がそこまで言うのなら、お前に任せる」

「ありがとうございます」

「ただし!!一週間だ!!!一週間の間に、真犯人を特定できなければ!!!彼女を連行して、徹底的に調べ上げる」

「ちょ・・・!?」

柏木が俺の後ろから抗議の声を上げようとしたが、うるさいのでそれを遮るように、


「一週間もいりませんよ。あと数日のうちに、必ず真実を白日の下に」


一瞬、ほんの一瞬だけ、犬飼さんの表情が緩んだ気がした・・・。

「そうか。それが間違いでないことを祈っているよ」



にやり、と思わず俺も口の端を歪めてしまう。

やり方は、問わず。

そして、ここに、真実への鍵が手に入った。

あとは、最後まで突っ走るだけ。



「ねえ!!ちょっと!!」

「・・・・うるせえ・・・」

あれ?こいつまだいたの??

「うるせえって!?あんたねえ!!!あんたが巻き込んだんだから最後まで責任取りなさいよね!!??」

「巻き込んだって・・・・。どっちかというと巻き込まれたんだが・・・??」

「うっさい!!一週間後に、私、重要参考人として逮捕されるとか、冗談じゃないわよ!?大丈夫なんでしょうね!?」

「ああ、大丈夫、大丈夫」

「軽い!?」

面倒だな、こいつ・・・。

何でまだいるの??俺は、考えたいことがあって、できれば一人にしてほしいんだけど??

「しょうがないから私も手伝ってあげるわよ」

「いや、いらん」

「しょうがないわね・・・・って!?要らない!?要らないの!?」

少しでも、要ります、ありがとうございます、って言われると思っていたのか??だとしたら、よほど頭が悪いんだろうな・・・。もう受験生だってのに、気の毒に・・・・。


ぎゃあ、ぎゃあ、と喚く彼女を、後ろに引き連れて、俺は、学校を後にした。

家まで送れ、だの、ちょっと寄り道しようだの、いちいちうるさかったんで、商店街の中で巻いたのはご愛敬。


ところで、俺、何か忘れている気がするんだけど、大丈夫だよね??

忘れてしまった、ってことは、大したことじゃないんだよきっと。

そう言って、自分自身を納得させたけど、あれえ??ほんとに何か忘れてるよね??




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