君と夏の終わり
1 窓越しに見える景色はいつもかわらない。風でなびく木、中庭で元気いっぱいに遊ぶ子供達の姿、冬の寒さが近づいているなか[よく遊ぶな~]と、心の中で僕は思った。僕はそう思いながらそっと静かに目を閉じた。静まりかえる部屋、唯一聞こえるのは子供達の声と機械の音。意識が薄れていこうとしたとき、
「コンコン···。早瀬くんー?」
「健診だよ~」
[せっかく寝つけると思ったのに...。]そう思いつつ僕は目を開けた。
「あ~、またそんな顔して」
「響くんがなに思ってるか目元だけで私、わかっちゃうんだよ!」
この看護師のおばさ..お姉さんは、«羽田 詩乃»さん。僕の体調や、呼吸器の点検を毎日確認しにくる24歳(独身)だ。なんでこんなに知ってるかって?飽きるほど、ペラペラ喋ってくるからだよ。僕が喋れないから、話かけてくるしつこい人だけど、それがこの人の仕事の一環でもあるから仕方なくつき合ってる。
僕の顔を見るといつもニコニコしてくる。正直言ってウザイと思ってるが、なにも言えないから目を合わせないように視線をそらした。
「元気そうだね!学校の皆に会えなくて寂しいんでしょ~?」
「大丈夫、私が毎日くるから♪」
そう言うと彼女は静かに部屋の扉を閉めた。
ようやくいなくなってせいせいしたが、また部屋が静まりかえった。こんなことが毎日起こると、流石に飽きてくる。
僕、«早瀬 響»はALSという病気だ。筋肉が徐々に硬直していく病気で、僕は今、自発的呼吸が出来なくなっている。まぶたと目は動くが、それ以外はなにも動かなくなってしまった。高校1年の秋に発病してからちょうど1年が過ぎた。友達もそれなりにいたが、仲がよかったのは4.5人程度だ。その中の一人、唯一の女子に僕は恋をしていた。
これは、僕が高校2年に伝えられなかった花火のように綺麗で静かに消えていく。大切な人への物語だ。
初めて書いたもんで作者も焦っております(-_-;)
暇潰しで書いたものなんですが....明らか様に長編ですねハイ...。ゴメンちゃい<( )>
今度からは長編作として掲載しようかと考えております。
初心者ですので、アドバイスやら工夫点などをお聞かせいただければと思っております。
今後とも、赤坂 遼を宜しくお願いします!