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日本人形との対戦②

アーサーさんが持ってる武器なんて見たところ剣しかないし、どんどん伸びるんじゃあ意味がない。

勝てる要素ないんですけど、勘弁してよ……


「…ミレイ、こいつは燃やしたら倒せるか?」


アーサーさんがポツリと言う。え、そりゃあ髪なんだから燃やせばいいでしょ?燃やせるの?


「そりゃ髪なんですから…燃やせば勝てると思いますよ、でもライターだってマッチだって持ってないでしょう?」


一緒に行く事を決めた時に、一応持ち物チェックをしたのだ。しかしアーサーさんの持つ麻袋の中には、携帯食と水が僅かに入っているだけで、後は身につけている剣と鎧だけしかなかった。

私は着の身着のまま来たから携帯すら持っていない。異世界補正でなんか特別アイテムとか持ってても良いのに随分と私に優しくない。


そんな事を思ってたら、アーサーさんが剣を鞘に戻した。…え、諦めたの⁉︎


「ちょ、アーサーさん…」


諦めないで、と言いおわる前に、髪を伸ばした人形はおろかその周辺の壁まで全て燃えていた。

アーサーさんが手を前に出したかと思えば、まるで火炎放射器のように火が噴き出し燃やし尽くしたのだ。


ポカンと口を開けている私は、きっと馬鹿にしか見えないのだろうが今はそんなことどうでもいい。何あれ人間の所業じゃない。


「ちょ、ちょっとアーサーさんなんですかあれ‼︎」

「?何って火魔法だが」


事も無げに言う彼に、私は思った。


ーーそうだ、ここ異世界だった……


「異世界って確かに魔法使う人もいるんだろうけどさ、ろくろ首の時だって素手で殴って剣で首跳ねてたじゃん……思いっきり魔法使えない剣士だと思うでしょ……」


敬語が外れたけどそんなのは些細な事だ。この人は本当に大事な事を言わなさすぎる。

いや異世界ってこれが当たり前なのかな。


「大抵の奴らは魔法属性があるから、その属性のものなら使えるぞ。俺は攻撃魔法の中の火魔法が適性らしく、幼い頃から使えた。殆どは火魔法水魔法などの攻撃魔法のどれかか、回復魔法かに適性がある。まぁ大体適性があるのは一つだけだが、ごく稀に数個適性があるやつもいるし、珍しい種類の魔法に適性があるやつもいる。召喚魔法とか補助魔法とかな」


「はあ…もう凄すぎて何が何だか…とりあえずアーサーさんは火魔法だけ使えるんですね?」


異世界転移した時の仲間はチートだったりするがアーサーさんは違うのだろうか。あと私はネット小説そんなに読まないから大雑把な事しか知らない。せいぜい異世界ものが多いってことと主人公や仲間がチートが多いってくらいしか。魔法があるなんて知るか。


「当たり前だ、そんなにホイホイ何個も使える奴がいてたまるか。まあAランクSランクの奴らはそう言う奴ばかりだが…俺はまだBランク上がりたてだからな」

「ご丁寧にランクまで説明してくれてありがとうございます。アーサーさんがチートじゃないって事がわかりました」


意味がわからないのかチート?と不思議そうにしているアーサーさんの手を引いて次いきましょ、と歩き出す。成人男性が首を傾げるな可愛くないから。

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