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日本人形との対戦①

暫く歩くと、扉が二つ見えた。緑色の扉と赤色の扉だ。他に通路などは見当たらず、このどちらかに入らなければならないようだ。


「アーサーさん、どっちに行きますか?」

「ん?勿論赤だな。」

「そ、即答ですか…ちなみになんでですか?」

「冒険者特有の勘だ。まあ単純に俺が赤色の方が好きっていうのもあるけどな。」


適当すぎる。もし選択を間違えたら死ぬかもしれないのに…この男は馬鹿なのか、それを一々気にしないほどに強いのか…

ああ、胃が痛くなりそう。

というかアーサー冒険者だったんだね、知らなかったよ。


「ボーッとしてるんじゃない、早く来い‼︎」


いきなり呼ばれて、吃驚してアーサーの方を見たらもうすでに赤の扉を開けて中に入っていた。ああうん、もうゴーイングマイウェイなのはわかったから。わかったけど頼むからもうちょっと慎重になってください。





5分ほど歩いただろうか、更にもう一つ扉がある。

他に道はなかったので、今度は私も迷わず中に入る。


すると、中には棚がたくさんあり、それぞれの棚には日本人形がいくつも収納されていた。凄い不気味。


「…なんだこれは。人形、だよな?にしては変な服で変な顔だ。鼻も低いし髪も黒い。恐らく女だろうが身体にあまり凹凸がないな。」

「変な服、というのはうちの国の服で『着物』です。一応日本の文化なんですから貶さないでください。あと日本人は他の国の方みたいにダイナマイトボディでも金髪や茶髪でも鼻が高くもそんなに綺麗でもないんです。いや綺麗な人もいるけど、あなた達とは種類が違うんです。」

「む、そうなのか?ニホンの女は随分色気がないんだな。……お前もか。」


すいません今ちょっと酷い暴言が聞こえたんですけど。

軽い怒りを込めてアーサーの足を踏む。

身長に比べて割と重いんだな、と言われてもうわざととしか思えないし泣きたい。


そんなことを考えていると、何処からかすすり泣く声が聞こえた。私の気持ちを代弁してくれたのかな、とかふざけてる場合じゃない。


泣き声の発信源を探すと、棚に飾ってあった日本人形のうちの一体だった。目から血の涙を流しており、髪がスルスルと伸びてくる。

明らかに私たちを狙って絡みついてくる髪を、アーサーが剣で切る。が。切っても切っても生えてくるためあまり効果がなく、伸びるスピードが段々速くなってくる髪に防戦一方だ。時間が経つと危ないだろう。

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