ヒーロー
炎で燃え盛る建物の奥で、何者かに怪我を負わされ、縄に縛られた男が倒れていた。このままでは身体の自由を奪われた男が炎に焼かれるのも時間の問題だった。
男が自分の運命を悟ったその時、一人の若者が颯爽と現れ、男を抱き抱えて燃える建物から脱出した。
男を救った若者が言った。
「もう大丈夫ですよ。危なかったですね。しかし一体、誰がこんな酷い事を…。早く警察に連絡をしましょう」
「大丈夫、すぐに犯人は捕まりますよ」
「犯人の居場所がわかるのですか?」
「はい」
そう言うと、若者に救われた男は二重人格である犯人の若者を指差した。