第2話 聞こえる者2
高校二年生の朝は早い。
なぜなら、電車通学だから‼︎ ドンっ‼︎
俺はいつも7時ごろの電車に乗っている。
最近は毎朝と目覚まし時計がしっかり
俺を起こしてくれるため寝坊を
することもない。だが、こいつが時々
迷惑な野郎で4時とかに起こしてきやがる。
死ねよ。
『おはよう‼︎ 起きて‼︎ 1 2 3‼︎』
「朝からうるせぇな‼︎」
どんだけハイテンションなんだよ。
目覚まし時計をみると
今日はちゃんと6時半に
起こしてくれたようだ。
よかったー。昨日こいつ2時半に俺を
起こしてそのあと6時半まで
B'zのウルトラソウルを歌い続けやがった
んだよ。頭おかしくなったな。
4時間ひたすらウルトラソウルのループ。
頭狂いそうル‼︎
『よく眠れたか? 西園寺』
「誰だよ。西園寺。そんなかっこいい
名前じゃねぇよ。ご主人様の名前間違えるな」
『ご主人さまぁ〜? へ〜。ご主人さまねぇ〜』
「うぜぇえ‼︎」
目覚まし時計と会話しながら俺は
制服に着替える。どこにでもある
普通の学ランだ。ブレザーというものを
着てみたかったがまぁしゃーないな。
『なぁ。今日ってあの日だろ?』
「あの日?」
『おう。生r』
「俺は男ですけど⁉︎」
女の子の日なんてねぇよ‼︎
『わりぃ。間違えた』
「どんなミスだ‼︎」
性別間違えるっておまえ、
うっかりミスってレベルじゃねぇな。
もしかして、俺が女に見えた?
いやだ。私、綺麗?
ってバカ。な訳ねぇだろ。
俺はふと、鏡で自分の顔を見てみた。
そこには、
目やにのひどい男子高校生の姿が
そこにあった。
やだ。肌荒れも酷い。
なにこれザラザラ。さめ肌?
『何鏡見てんだお前。やめとけ。無様な顔を
これ以上拝んでいたらお前。自殺するだろ?』
「しねぇよ‼︎ 」
『そんなブサイクな顔なんてどうでもいいんだ。人間ってのは顔じゃねぇ。美人か綺麗か
イケメン。それで決まるもんさ』
俺は心の中でシャウトした。
結局顔じゃねぇかぁぁあ‼︎
「こんなことしてる場合じゃねぇ‼︎
なんで朝から目覚まし時計と漫才みたいな
ことしなきゃならん‼︎ 遅刻するわ‼︎」
俺はパジャマを脱ぎ捨てすぐさま
制服に着替える。ちなみに。物は物でも
衣類の声は聞こえてきたことはない。
今のところ。
『なぁ』
「んだよ‼︎ 今制服のズボンのチャックが
噛んでそれどころじゃねぇんだ‼︎」
『それは一大事だな。ザマァ笑。
ってそれより今日ってよ。
俺の記憶ではお前の学校
開校記念日だろ? それでもお前は早起きして
制服着て、どうするんだ? 部活もしてないのに、学校行くのか?』
「バカな」
このアホな目覚まし時計は今なんて
言った? 開校記念日? それはどんな
記念日だったか? カレンダーを見ても
そんな祝日は存在しない。当たり前だ。
いい加減認めろよ。己の馬鹿さ加減を。
「そうか。俺は自分の通っている学校の
誕生日も忘れていたのか」
『今からでも間に合うよ』
「なにに?」
『決まってるだろ。あいつの、学校の
誕生日パーティーによ。行ってこい』
「あぁ‼︎ 行ってくる‼︎」
俺は颯爽と自身の通う学校へと
駆け出していった。
「ってそんなわけねぇぇええ‼︎」