デス・デイ 2
僕達は、これからどうなっていくのだろうか?
殺し合いをしなければならないのか。
緊張感、不安が支配しているこの教室で、僕はただその事だけを淡々と考えていた。
|「ガラガラーッ」
誰かが教室に入ってきたと思いきや、何かを教室に置いていきすぐさま教室をでていってしまった。
|「何これ、、、。」
そう言いながら最初に手を伸ばしたのは、このクラスのリーダー的存在である、松加奈だった。
その「何か」は黒い布で包まれており、松加奈はその黒い布をゆっくりと剥いでいった。
|「ナイフ、、、?」
その黒い布があらわになった瞬間、沈黙に包まれていた教室はじわじわとざわめき始めていった。すると、一番隅にいた、峰田が松加奈近づいていった。
|「そのナイフ、返して。」
この峰田の発言には誰もが驚いただろう。女性とは思えない程の低い声。しかし、それよりも驚いた事。それはあの峰田があの松加奈に口答えをしたということだ。
|「は?何?あんたが私にタメ口とか、このナイフで殺されたいの?」
松加奈は峰田にむかってそう言った。
その発言を聞いた峰田は、松加奈の前で土下座をしたのだ。
|「え、何。フツーにきもいんだけど。」
|「お願いです。少しでいいから、、、。」
すると、松加奈は「キモッ」っと、その一言を言い放し、ナイフを床に滑らせるようになげた。
|「ほら、取りにいっておいで~、クズ。」
すると峰田は一目散にそのナイフを取りにいった。その光景を見ては、松加奈は笑っていた。僕らは、松加奈の機嫌をそこわないようにと作り笑いを浮かべるだけだった。
|「フフッ」
背後からクスクスという笑い声が聞こえてきた。
|「クズはどっちのほうかしら。笑えちゃう、、。」
その声は紛れもなく峰田の声だった。いつもと調子が違っているのはあからさまに分かった。
|「は?テメェ何言ってんの?」
|「バカね。私にナイフを渡すなんて。今日はデス・デイ、つまり人を殺してもいい日。もっといえば人を殺さなければいけない日なのよ。それに今まで私に何してきたか忘れてないわよね、、、。」
どう見たって今の峰田と松加奈の立場からしたらナイフを持っている峰田の方が圧倒的に有利だ。それに今の峰田は松加奈を殺しかねないだろう。無駄に峰田を刺激したら僕らまでも殺されることになるだろう。
|「今後、私に逆らったら容赦なくあんたを殺すから。」
これは冗談ではないことくらい峰田を見ていれば分かる。
|「チッ」
松加奈は小さく舌を鳴らした。
|「これからのリーダーは私よ。少しでも逆らったら殺すから。」
その時から峰田を中心とする生活が始まった。
9月12日 朝
|「キーンーコーンーカーンーコーン、、、」
僕はチャイムで目を覚ました。平らで硬い教室の床の上で寝てしまったため、体のあちらこちらが痛んだ。
|「イタタ、、、。」
|「今から君たちに餌をあげましょう。ただし、1つのみです。その餌を皆で仲良く分け合いながら食べるか、あるいはその餌を奪い合うかは皆さんの自由とします。それでは。」
|「ガラガラッ」
放送であったとおり小包みが教室へと放り投げられた。
|「それに少しでも触れたら殺す。」
その声の主は峰田だった。峰田は手首を華麗に動かしながらナイフを弧を描くように泳がせていた。
|「お前いい加減にしろよ。」
|「いい加減にするのはどっちかしら。私に逆らったら殺すって言ったわよね、、、?」
その瞬間、峰田は松加奈の太ももにむかってナイフを振りかざした。その瞬間松加奈の太ももから真っ赤な血がタラタラと流れでてきた。峰田は貫通するくらいの勢いでナイフを振りかざしたため、ナイフは深くまで刺さっていた。
|「痛っ、あんた何すんのよ!」
松加奈は「ハアー、ハアー」と息を荒げていた。松加奈は震える両手で血で赤く染まっている太ももを押さえた。松加奈の手は血で赤く染まっていった。
|「痛い。痛い。ハア、ハア」
|「あら。痛い?でも私はもっと痛ったのよ。私は悪くないのに皆に罵られたり、蹴られたり。皆死ねばいいと思ったわ。特にあんた。あんた一人の指示で皆はうごいてた。あんたさえいなければって、心の中で何度もあんたを殺したわ。殺し足りない、、、。心の中じゃ、、、。」
続く




