4話 急激に縮まる距離と気持ち(2)
淳の話は、俺の意思を無視して決まってしまった。
淳のほうを見ると、手でサイン「チャンスをくれてやる」とのこと。
チャンス?思い当たる節は・・・あった。
おそらく淳は鈴麻のことを言っているのだろう。余計なことをしてくれる。
「んー、多数決をとる意味もなさそうね。
じゃあ柊、脚本は任したわ。なんかあったら監督のバカに聞きなさい。」
「おいおい、さすがにバカだけはないだろ楠木さんよ~それでも女なのかい?」
「うるさい、黙れ、バカ、死ね。あー今からこのバカに司会進行チェンジするから。」
とりあえず、楠木のおかげで淳は鎮圧されたけど、
脚本か・・・まあ、小説書くのとえてして変わらないだろう。
しかし問題は、内容だよな。演劇だからあんまりリアルすぎても面白くないし
でも、ファンタジー色強くてもダメダメ。そこが難点だよな~
「えー、先ほどチェンジしました、淳くんです。
いい加減、クラス替えをして半年たったので俺のことは分かりますね。」
クラスが沈黙に陥る。あー、淳はまた鎮圧された。ってかショック死だな。
誰も助けてやんねえし、アイツの女は笑ってるし。いろいろ不憫な奴だ。
「まあそれはいい。でだ、脚本はまったくできていないが
簡単なキャスティングだけするから。」
キャスティングってことは、その人に合った作品を書けと
意外とやりやすくなるな。ナイスだ親友。
「えー、メインは修平と鈴麻な。以上。」
くそみたいな性格してるよ。死ねばいいな、親友。
この学校祭で波乱は免れそうにはなかった。




