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4話 急激に縮まる距離と気持ち(1)
学校祭。今年もまたこの時期が来た。
3日間行う、修学旅行なみのビックイベントで男子がまたやっけになって女子を誘う。
そんなことはいい。ただ、今年の出し物で俺のクラスは演劇になった。
どんな演劇にするかはまったく決まってないが、とりあえず演劇だそうだ。
皆が、どんなのにしようと悩んでいるとき、淳が突然手上げ
「先生、俺、いい案考えました。」
「おい、バカ淳。私は先生じゃないの!クラスメイト!何度言わすの!
先生なら、あんたの後ろでたちながら寝てるでしょうに。」
「いやー、こんなオッサン俺てきに先生じゃないんで。
楠木のほうが断然、先生向きだと思います。」
クラスの全員が同意。さすがの楠木も呆れている。
「わかったわ。百歩譲って私が先生でいいでしょう。
変わりにあなたの案が良かったらね。」
すると、淳がニヤッと笑い、俺を指差して
「修平が、脚本やる作品。俺が監督。どう?最強でしょ?」
「はあ?」
なぜか、クラスに歓喜がわいた。




