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1話 片思いという最高の出会い(2)

 一人の女子が俺のクラスに転入してきた。都会の方からの来たので北海道の俺らからすればちょっとまぶしい人だった。それでも、転入生は誰とも関係なく仲良くなっていった。

俺的には、いちいち気にすることもなく、小説を書きまくっていた。

でも、接点は同じクラスしかない転入生は俺のところにやってきて俺作の小説を取り上げ読み始めた。

いつもは小説を勝手に見られるとキレるのだが、転入生には怒る気がしなかった。

転入生は、小説を見終わるとなぜか俺の手を握ってきた。


「君の話、面白いね。目の前に小説の話が浮かんでくるよ。

 それに、ファンタジーなのにリアリティーもあって・・・」


そう、長々と俺は小説をほめられ続けていた。

でも、ちょっとだけうれしかった。俺の小説を見る奴はいつも適当に見て当たり前の感想を言うだけ。

彼女は、俺の小説をちゃんと見てくれた人。俺にとって、二番目の読者だった。


「あーその小説ボツ作品になると思うから、読んだってあんまり意味ないよ。」


俺は、いつもどおりカマをかけた。ボツと言い、本当に俺の小説が楽しめさせていたかを。

そうすればいいと言われれば捨て、やめたほうがいいと言われれば残す。

それが、俺の小説を最初に読んでくれた人から学んだこと。

多分、彼女は読んでくれた。とても真剣に、一字一句飛ばさず。

彼女のことなんて俺には分からない。でも彼女は読者であると信じきっていた。

だから彼女はいう・・・


「ダメだよ、そんなもったいないこと。

 色んな小説の賞ってあるんでしょ?ボツでも投稿しなよ。あたるかもよ。」


もう一度、俺は出会ったのかもしれない。最高のパートナーに。

俺のすべてを詰め込んだ小説をもう一度書かせてくれる相手に。


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