1/8
プロローグ・俺はちっちゃい男です
俺は、幸せだったのだろう。
世界では、円高ドル安、ギリシャの経済破綻、各々の国での紛争。
でも、そんなこと俺みたいな一般人には関係がまったくない。
自分の国が危なくなるかもしれないなんて思ってないし。
もし、危なかったとしても子供の俺には降りかかることなど何一つない。
だから、俺は幸せなんだ。そう、幸せなんだ。
恋して振られるなんて、そんな世界の大変なことに比べればたいしたことはない。
でも、でも、それでも、俺にはなによりも大事なことなんだ。
俺、柊修平は恋をしている。そして、告白できないという自分のチキンさに悲しむ毎日である。
俺はこの思いを詩で訴えている。歌を作っている。悲しくて、ちっちゃい恋の歌




