四十二回目 逃亡者?
あぁ~・・・長閑だねぇ・・・。
この、柔らかな午後の日差しを浴びていると、なんだか眠くなってきて、昼寝がしたくなるなぁ・・・・・・。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・ドドドドドドドドドッ!!
「絶賛逃亡中なんですげどね!!」
『我が主よ。無駄口を叩いていると後ろの怖い輩に追いつかれてしまうのじゃ』
朱雀の指摘に、チラッと後ろを振り返る。
「待てやこるぅあぁっ!!」
「しばくぞっ!!」
「おらぁこのクソガキぃ!!」
「止まれやっ!!」
・・・・・・怖いお兄さんたちが、いっぱい追いかけてきてました(テヘペロ)♪
『余裕じゃのぉ、我が主よ』
「余裕に見えるっ!? ねぇ、余裕に見えるっ!?」
『余裕に見えるのじゃ』
「こんなに必死に逃げてるのにっ!?」
追いつかれるのが怖くて、必死こいて逃げてる姿のどこが余裕なんですかっ!?
『しかしのぉ、我が主よ・・・』
「なんだよっ!?」
『顔が笑っているぞ?』
・・・ばれてたか。
いや、久々に鬼ごっこなんてしたから、ついつい楽しくて、必死に逃げ回ったしまったよ。
「・・・そろそろ頃合かな」
『うむ、良い具合に大勢釣れたから、頃合じゃろう』
朱雀もこちらを追ってくる獲物の数を見て、同意してくる。
「・・・では」
ズザァーーと音を立てて急制動をかけ、停止する。
そして、後ろを振り返る。
そこには、俺が止まったことを、観念したものだと勘違いした獲物たちがニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら、ゆっくりと近づいてくる。
ひい、ふう、みい・・・まぁ、ざっと150人くらいかな。
『なんじゃ、我が主よ?』
「いや・・・、少ないな、と思って、ね」
こんなに大人数の人間を相手にするのは少し緊張する。なんせ対人戦闘、しかも大人数相手は初めてだ。
一度、深く息を吸い込む。そして、ゆっくりと吐く。
「・・・よし!」
気持ちを切り替え、右手を目の前に突き出す。
次の瞬間、手にいつも使っている黒い棒が現れる。
「そんじゃ・・・」
右手に力をいれ、グッと棒を握りこむ。
「いっちょ、暴れてやりますかっ!!」
俺は、目の前の敵に突貫した。
次回戦闘シーン。かも?