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三十六回目 黒幕?

いつものことながら、長らくお待たせしてすみません。

 

 「この、平民がそうか?」


 牢屋に入ってくるなり、一緒に入ってきた従者に俺のことを訪ねたのは、金髪縦ロールのいかにも貴族です! といった風情の豚のように太った男だった。

 その金豚(貴族の略称)と、従者が一人、あと衛兵が二人一緒に部屋に入ってきた。ただ金豚のせいで、ヤツ以外の人間が少し窮屈そうに身を縮めているのは気のせいだろうか?


 「まろは、この詰所の副隊長で大貴族の、ルーザゴ・デタブ、でおじゃる!」


 ・・・いま、おじゃるって言った? この豚。


 「おい、ルーザゴ・デタブ様が、わざわざ、お前のような平民にお声をかけているのだ。図が高いであろう!」


 しかも、そのネーミング・・・・・・。

 絶対ふざけてるだろ、作者!


 (※作者は、もちろん、全力―――ふざけて―――で考えました!)


 ん? なんか今作者の声が聞こえたような気がするが気のせいか?


 『気のせいではないような気もするが、あまり気にするな我が主よ』


 だよね~~~。


 「さっさと(こうべ)をたれんか、愚か者が!」


 心の中で必死に笑わないように顔を伏せて格闘しているところに、業を煮やしたのか、衛兵の一人が牢屋の鉄柵の隙間から持っていた棒を中にいれ、俺の右肩を上から強く抑えつけた。


 一応、この位の強さなら撥ね退けることもできたのだが、下手に相手を怒らせても話しが進まなくなると思った俺は、少し顔をしかめる演技をしつつ、棒に抑えられたフリをして、その場に跪いた。


 「これこれ、その位にしてやるでおじゃる。まろは寛大ゆえ、気にしてないでおじゃる」


 そういってどこから出したのか、広げた扇子を手に持ち、口元を隠しながら、おっほっほっほ、とどこか楽しそうに笑い声をあげた。


 ていうか、笑い方が王道すぎるだろ!

 

 俺は顔を伏せ跪きながら、相手に悟られないよう必死に笑いを堪えた。

 

 「ふん、ルーザゴ様の寛大なお心に感謝するんだな」


 俺を棒で抑えつけていた衛兵は、横柄に鼻をならしながら、棒にかけていた力を弱めた。


 肩から棒が離れたのを確認した俺は、肩を抱き僅かに震え、さも怖がっているような素振りをする。


 俺の怖がる素振りを見て勘違いしたのか、金豚が殊更優しい口調で話しかけてきた。


 「そんなに怖がらなくで良いでおじゃる。少し教えてほしいことがあるだけでおじゃる」


 そら来た! 引っかかった!



 「そなたは、誰に頼まれたでおじゃるか?」



作者は、決してふざけていません。全力で考えました!

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