三十五回目 OOからお送りしております
長らくお待たせいたしました。
「え~・・・、只今、わたくしことライハ・バーミアスは、あるところから現在の状況を実・況・生・中・継しております。その場所とは・・・」
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
「・・・・・・牢屋、で御座いますっ!!」
『アホかっ!』
む、良い感じで実況生中継風に決まっていたのに、なんで水を注すかな、この鳥は。
『我が主がアホぉ過ぎるからじゃろうがっ!! なにが悲しくて、こんな牢屋なんぞにノコノコと付いてこなければいかんのじゃ! わしは悲しゅうて悲しゅうて・・・』
なんか、念話ごしにいきなり泣かれてる俺って、残念な子と思われてる?
いやいや、まさかそんなことないよね?
そうだよね、朱雀?
『・・・思っとるに決まっておろうがっ!!!』
うわっ!?
今、キーンてなったよ、耳が!
いや、念話だから頭か。テヘ。
『テヘ、ではなかろうに!』
少し可愛く言っただけじゃんかよー。
そんなに、ガミガミ言わなくても良いじゃんかよー。
『あぁ、これではお供を頼んできたバイアスになんと報告したら良いものか・・・』
親父なら、このくらい笑って流しそうだけどなぁ・・・。
むしろ、指差して大爆笑するな、絶対!
『・・・あながち否定できないのじゃ』
それに、こうでもして捕まらないと、あの二人を逃がせなかったしなぁ・・・。
『ん? ・・・我が主よ。もしや、ワザと捕まったのか?』
当たり前だろ?
誰がすき好んで、こんなところにご厄介になろうと思うかよ。
そう。
俺は今、牢屋にいる。
建物の奥にあるせいか、あまり日当たりが良いといえないこの牢屋は、周りを石畳で囲い、入り口のところだけ棒状の鉄格子で作られている、いかにもと言ったものだ。
なぜこうなったか簡単に言うと、あのハゲ頭と細男(名前は知らん!)をぶっ飛ばしたあと、しばらく啞然としていたお姉さんがハッと気がつき(子どもは啞然としたまま呆けていた)、こちらが恐縮するくらいお礼を言われていると、抜群の―-―それこそまるで見計らっていたかのような---タイミングで現れた衛兵たちに拘束され、問答無用で牢屋に入れられたのだった。
衛兵に連行される際、お姉さんと正気に戻った子どもが事情を説明し随分と粘ったのだが、衛兵の男たちは聞く耳をもたず、街を騒がした罪とかなんとかで俺を強引に連れてきたのだ。
まぁ、その際にお姉さんに泊まっている宿の名前とベルードの名前を教えて、事情を伝えるようお願いしたのだが・・・、ちゃんと伝わっているだろうか。
『それにしてもなぜ捕まったのじゃ? わが主よ』
なぜって、そりゃあさ、あそこまで露骨なタイミングで来られると色々勘繰りたくもなるでしょうよ。
それに、俺が捕まらないと、結局はあのお姉さんと子どもが捕まったんだろうしさ。
『なるほど・・・。なら、なぜそうならそうと言ってくれなかったのじゃ?』
そりゃあ、言う暇がなかったのと、朱雀なら俺の考えくらい分かっているもんだと思ったんだけど・・・そうじゃなかったみたいだな。
そういって、思わず苦笑いをする。
まさか、アホの子と思われているとは思わなかったが。
『それはすまなかった、我が主よ。思慮が少し足りなかったようじゃ』
そういって念話ごしにすまなそうに謝ってくる朱雀。
良いよ、別に怒ってるわけじゃないし。
それにお客さんも来たみたいだからね。
『・・・そのようじゃな』
朱雀が返事を返すと同時に、何人かの気配がこの牢屋に近づいてくるのを俺は感じ取る。
実は少し前から気付いていたけど。
「さぁ、悪党の顔を拝むとしましょうか」
2ヶ月もあけてすいませんでした