二十四回目 常識と非常識
新年あけましておめでとうございます。
今年も、こんな小説ですが何卒よろしくお願いいたします。
まぁ、待て。落ち着け俺。今、目の前の男はなんと言った?
魔術は魔術でしか相殺できない、と言ったよな・・・。
・・・・・・なんでだ?
「あの、よく理解できないんですが・・・それってどういうことですか?」
こういうときは、知ってる人に聞くのが一番!
聞くは一時の恥、とも言うからね。
ベルードは、俺に質問され、何に納得したのか、しきりに頷きながら話し出した。
「まぁ、その様子だと、キミにとっては今までごく当たり前のことだったんだろう。魔術を道具で打ち返すことが。でもそれは、この世界ではとても非常識なことなんだ」
非常識?
たかが魔術を打ち返したことが?
内心で俺が首を捻っているのが顔に出ていたのだろう。そんな俺の様子を見て、ベルードが苦笑いしながら、
「突然言われても、ピンとこないかもしれないが、順を追って説明しよう」
そう言うと、おもむろに右手の一指し指を立てた。
「まず1つに、さっきも言ったが『魔術は魔術でしか相殺できない』。魔術同士でしかぶつかることができないということ。
これは、魔術という強大で人外な『力』に対して、生身の身体や只の道具では、その『力』に耐え切れない。ただ鍛え上げられた『力』や特殊な『技術』『技』であれば触れることもできるが、それは我々のような軍に所属する人間や『冒険者』と呼ばれる者など、極一部の者達だけであって、他の大多数は瞬時に吹き飛んだり、消滅してしまう。一般的に魔術の対処としては、普通は避けるか、魔術で相殺するか。もしくは魔術を受けて死ぬか、だ」
そこで次は中指を立てる。
「2つ目に、これは1つ目のことからも分かる事だが、魔術は決して生身の身体や道具などを使って触れることはできない。さっきも言ったが、膨大な質量を伴う魔術に対して、普通の人や道具は対処する術がない。しかし、軍や『冒険者』に所属する人間は、その組織からなにかしらの対処法を叩き込まれる。ほかにも例外はあって、魔剣とか魔術が組み込まれている特殊な道具・防具とかは別だがな」
そこで今度は薬指を立てる。
「3つ。以上、今言った事からも、キミが常識だと思っていることは、実は、非常識なんだ。もっと言うなら、世界の理から外れていると言ってもいい」
さすがは、ヤツの『息子』だな。
最期にそういって、ベルードは説明を終えた。
ベルードの説明を聞いて、俺は多少混乱はしていたが、正直どこかで納得するものを感じていた。
よく朱雀や玄武と『私もお忘れなく。主様』・・・あと白虎とも修行をしていたとき、たまに親父が修行を見て、「おめぇってやつぁ・・・」とか言って呆れていたことが、少し―――いや、かなり多くあった。それは、これのことを言ってたんだなぁ・・・。
でもまぁ、見られてしまったモノは仕方ないし、今更どうこうしようもないか!
「まぁ、そんなこと言われても今更なんで、外れてても良いんじゃないですかね?」
ちなみに、ベルードに言いながら、ニカっとスマイルを無駄につけてみる。
「キミはそれでも構わないだろうさ。もちろんこの私も。ただ・・・」
そこでチラっといまだに衝撃から立ち直っていない二人を見やり、
「あの二人にはキチンと説明しなきゃいけないな。キミのことも含めて」
そう言うとベルードは二人のもとに歩き出し、
「スマンが、キミも付いてきてくれないか。キミがいた方が話が早い」
それもそうだと思い、ベルードに頷き帰して、彼のあとを追った。
今年も進行が遅い作品ですが、長い目で見守ってください。
ご指摘があり、魔術に対しての説明を追加させて頂きました。
ご指摘ありがとうございました。